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コラム

移り行く世の中で生きるビジネスパーソンへ贈る 新しい時代に自分軸を持つ思考のヒント

株式会社 ブレインスイッチ
代表取締役 壁山 恵美子

 
さまざまな物事が目まぐるしく移り変わり、多くの情報が発信されて錯綜している昨今。その中で何を基準にし、何をすればよいのか、取捨選択に悩まされるビジネスパーソンも多い。本連載では、大学院在学中から個人事業主として芸能界・出版業界など多様なフィールドで活躍し、30歳で転職した上場企業ではスピード出世を果たすなど、確固たるビジネスノウハウを蓄積してきた、経営戦略コンサルタント・ストレングスコーチの壁山恵美子氏が、これからの新しい時代に向けて、仕事・ライフスタイル・コミュニケーションにおいて自分の軸を持って考えるための“思考のヒント”を、自身の業務や日常生活での実体験に基づき伝えていく
 

「猛暑」の次なる言葉は何だろう

毎年、この時期になると「例年を超える猛暑」という言葉。夏の暑さと気温の上昇は更新され続けているので、もはや「猛暑」が普通となり、猛暑と言えなくなるのではないか―そう思って、気温について少し調べてみることにしました。まず、現在は1日の最高気温が摂氏25℃以上の日を「夏日」、30℃以上の日を「真夏日」、35℃以上の日を「猛暑日」と呼んでいるそうです。そもそも、昔はここまで暑くなかった···と昭和世代は感じているのではないでしょうか。私の記憶で一番暑かったのは、小学生の時、高校野球が始まってお盆に差し掛かる8月の中旬、「暑い~」とつぶやき何もする気が起きなくて、夏休みの宿題もせずに家の柱で自分の背丈を測ったり、扇風機の前で「ああ〜」と声を出したりして、だらだらと過ごしていたある夏の日です。その日は確か31℃で、昨今の気候と比べれば大して暑くもないので、「暑い」と言って宿題もせずサボっている自分に甘っちょろさを感じ、40年ほど経過した今でも失笑してしまいます。

思い返すと、昔は確かにここまで暑くありませんでした。しかし最高気温が35℃以上になる日が増えたことから、気象庁は2007年4月1日に予報用語を改正し、「最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上の日を真夏日、25℃以上の日を夏日」と定めたそうです。また、熱帯夜とは夕方から翌日の朝までの最低気温が25℃以上になる夜のことを言うのだとか(【参考】国土交通省気象庁HP)。

話を戻しますが、「猛暑」という用語自体、それが普通の状態になったのなら、もう猛暑ではなくなる気がするのは私だけでしょうか。次なる新しい暑さの表現・用語が登場してもおかしくないですよね。実際、正式な気象用語ではありませんが、激しい暑さを表す言葉は「酷暑」、30℃以上の夜のことを「超熱帯夜」と表現するメディアも増えてきました。

家庭菜園を始めて12年

家庭菜園というほどでもないですが、近くで区画を借りて夏野菜を育て始めたのは今から12年前のこと。広い農地を借りるには距離的な問題もあり、毎日通って作物の面倒を見るというのも難しいので、都会で本当に小さなガーデンを借りました。「週末農作業」というにはおこがましい気がして、自分のことは「週末畑仕事人」と呼ぶことにしています。

都会のガーデン区画はやはり人気で、当初は抽選に当たりませんでした。都会にいながら週末にちょっとしたガーデニングをするというのは、多くの人にとっての憧れなのか、かなりの倍率の抽選だったと記憶しています。しかし、いざ始めてみるとわかりますが、雨が来れば雨対策、風が強ければ風対策―台風の翌日などは作物が全滅なんてこともあり、なかなか大変です。ほとんどの人は仕事をしながらなので手入れが行き届かなくなり、1年ほど経つと区画を返却する方が増えていきました。

そのため、倍率も徐々に下がっていき私も3年越しに念願かなってガーデニングができることになりました。最初は草むしりから始まり、土の入れ替え、耕して土の改良をしました。結構な労力を要しましたが、これが意外にも楽しいのです。土をいじれば泥だらけになりますし、草むしりをすれば腰が痛んだり筋肉痛になったりするのですが、あの土の感触と土の匂い(何ともいえない大地の香り)が癒やしになり、12年続けることができました。

イチジクの木は3mほどの高さに

さて、12年経過して、学んだ教訓のようなものが3つあります。1つは、樹木レベルの苗を狭い区画のガーデニングで植えてはいけないということ。私は果実がなることに興味をそそられて「イチジク」の苗を購入し、よく調べもせず植えてしまったことがあります。最初は20cmにも満たない苗だったのに、しっかり耕された良い土壌だったこともあってか、どんどん成長して半年で腰の高さほどの太い幹となったのです。植えた位置がガーデンの中央で、他の植物が植えられなくなる心配がでてきたので、早々に区画の端へ掘り返して移動しようとしたのですが、その時に驚いたのが根っこの強さでした。20cmの苗だった頃からは想像もつかないほど、イチジクの根っこは縦横無尽に広がり、太く成長し、「ジャックと豆の木」の童話で出てくる「豆の木」のようなスピードでガーデニングの区画一帯へ根を伸ばしていました。幸い、早いうちに気が付いたので、根も傷つけずに移動させることができ、今では地上から3mほどの高さまで成長しました。この12年間で3回ほど、ある程度伸びて太くなってしまった枝葉をのこぎりで切り落とし、周囲を歩く方の迷惑にならないよう対策しています。

2つ目は、「ハーブ、特にミント系に気をつけろ!」ということ。ミント系の植物は身近にあって育てやすく、季節を問わず苗も豊富で、植えた後の香りも良いので、育てたい植物として高い人気を誇っていますが、むやみにガーデンに植えてはいけません。特にアップルミントは、採っても次々と生えてくるだけでなく、這性(はいせい: 茎や枝が立ち上がらず、地表を這うように伸びていく性質)を持っているので、人間のほうで「ここがミントのエリア」と決めても、まったく違うエリアからニョキニョキっと生えてきて、他の植物の成長を邪魔してしまうことがあるのです。裏を返せばそれだけ丈夫だという証拠なのでしょうが、ハーブやミントは料理でも添え物として使うことが多く、あまり採れ過ぎると需要と供給のバランスが崩れてしまいます。さらに立性(茎が上に向かって伸びる品種)のローズマリーなどは、中央の茎がとにかく太くなり、これまた「イチジク」のように、苗ではなく立派な「木」のように成長してしまうので、さらに注意が必要です。

3つ目は、「見た目の楽しみも工夫すべし!」ということ。実がなる作物ばかりではなく、観賞用にお花などを植えて癒やしの空間をつくるのも良いものです。私は“花より団子”の気持ちで食に関わる植物を多く育てていましたが、この2年ほどは少し方針を変えて、「バラ(花)」を区画の周りに植えてみることにしました。また、季節の花としてアジサイを植えてみたり、鉢植えで買ったけれど、室内ではうまくいかず枯れかけたクチナシの花を植えてみたり···そんな風に、花を植えるエリアを増やしたのです。やってみてわかったのは、育成が難しいと言われている「バラ」も、きちんと育てれば年間で数回、花が咲くということ。周囲の方からの評判も良く、作業をしていると近くでガーデニングをされている方々から「バラが咲いていてきれいですね」「この花は何ですか?」「アジサイがきれいな紫色に咲いていますね」などお声がけをいただく機会が増えてきました。年配の女性は特に、花が植えてあると興味を持ってくださるので、コミュニケーションが生まれるという意味でも良い効果がありそうです。

今年は猛暑続きで、枝も葉っぱもかなりの「焼け焦げ状態」とはいえ、ガーデンの樹木も苗も立派に育ってくれています。夏が来るのが早いので、すでにレタスの収穫は完了し、今は順番にトマトの収穫が始まったところです。多く収穫できた日は、ご近所さんへおすそわけ!無農薬の野菜をお渡ししながら、笑顔でコミュニケーションすることができるのも、近所付き合いがほとんどない都会の暮らしでは、貴重かつ希少なガーデニングの副産物と言えるかもしれません

※ご質問・ご意見・ご感想はメールでお受けしています。また、ご相談などもお気軽にご連絡ください。皆様のヒントになるコラムを目指していきますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
 

■プロフィール
壁山 恵美子(かべやま えみこ)
株式会社 ブレインスイッチ 代表取締役
YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー/ヤンゴン)
Chief Information Officer(CIO)
 
イベント・出版業界を経て、ソフトバンク(株)に入社。情報セキュリティおよびリスクマネジメントを専門分野とするグループマネジャーとして業務に従事。その後、J-SOX、IT統制、システム監査等の経験を経て独立。現在は、上場企業の経営企画部門およびPR・マーケティング戦略などのコンサルティングに携わる。また、中小企業の経営者向けコンサルティングや人材育成の研修カリキュラム開発なども展開。さらに、YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー / ヤンゴン)にてCIOとして人材育成をする傍ら、ミャンマー進出コンサルタントとしても活動。Gallup認定ストレングスコーチとして、組織のマネジャーなどにコーチングおよびコーチング型マネジメント手法を指導している。
 
※保有資格
・Gallup認定ストレングスコーチ
・Tony Buzan公認 マインドマップ・インストラクター
・Peter Walker氏 公認 ベビーマッサージ&ベビーヨガインストラクター
・高等学校教諭第Ⅱ種(公民)免許
 
URL https://brainswitch.jp/
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Twitter @Kabeyama_Emiko
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