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Challenge+(チャレンジプラス)

コラム

移り行く世の中で生きるビジネスパーソンへ贈る 新しい時代に自分軸を持つ思考のヒント

株式会社 ブレインスイッチ
代表取締役 壁山 恵美子

 
さまざまな物事が目まぐるしく移り変わり、多くの情報が発信されて錯綜している昨今。その中で何を基準にし、何をすればよいのか、取捨選択に悩まされるビジネスパーソンも多い。本連載では、大学院在学中から個人事業主として芸能界・出版業界など多様なフィールドで活躍し、30歳で転職した上場企業ではスピード出世を果たすなど、確固たるビジネスノウハウを蓄積してきた、経営戦略コンサルタント・ストレングスコーチの壁山恵美子氏が、これからの新しい時代に向けて、仕事・ライフスタイル・コミュニケーションにおいて自分の軸を持って考えるための“思考のヒント”を、自身の業務や日常生活での実体験に基づき伝えていく
 

この半年、やりたいことはできたのか

桜の季節が終われば、本来なら新緑の風が吹き、梅雨を乗り越えて夏が来るのですが、5月時点で真夏のような暑さが連日続いておりまして、2023年も夏がやってきたと感じます。個人的には夏は日光疹のアレルギーで体力を無駄に奪われることから冬よりも苦手ですが、何かとイベントも多いので、毎年なんとなく気持ちが盛り上がる季節となり、ワクワクします。

さて、いきなり冒頭から恐縮ですが、ビジネスにも関わるスピリチュアルな話を少ししておくと、約1年に1回星座を移動する「木星」が今年は早くも5月17日で「牡羊座」から「牡牛座」へ移動し、ここからはこの半年の間に実行した事象を振り返りながら来年の流れをつかんでいくためのフェーズへと突入します。9月に入ると、その「木星」も「牡牛座」に滞在しながら逆行し始めるため、世界的な社会の動きや現象だけでなく、もっと自分にとって身近な出来事においても、前半にせっかく動き始めていた事象が足踏み状態になっていくかもしれません。

積極性や冒険心、古い秩序の打破などを特徴として持っている「牡羊座」から、温厚だけれど所有願望や頑固さが特徴の「牡牛座」へ。大きく時代が変革する際には、必要な足踏みでもあるので、ここはどっしり構えて、2024年の予行演習のつもりで、残りの半年はじっくりと試してみたいことをやってみるのも良いかと思います。

話題の「ChatGPT」

近年、人工知能(AI)の発展により、私たちの生活にAIが浸透してきました。その中でも、Open AI社の「ChatGPT」が自然言語処理の分野で注目を浴びています。この数ヶ月は、ニュースやインターネットの記事で目にしない日はないと言っても過言ではないくらい、ChatGPTに関する話題が増えてきています。当初こそChatGPTの使用の是非を問う内容(大学生の研究論文作成に使ってはいけない、人間の思考を奪う)が多かったものの、この半年ほどで急速にユーザーが増えて、今や「GPT-3.5」や「GPT-4」を組み込んだシステムの開発が次々と始まり、群雄割拠になっている状態。開発側ではない一般ユーザーの我々から見ると、一歩遅れをとっていたかのように思えたGoogleもAIチャットボット「Bard」を試験運用し始めました。

私は、自分のコンサルティング分野にも関わるためChatGPTをさっそく使ってみることにしましたが、言語化という分野においては、便利というよりも有能なアシスタントを1名雇ったのと同等、いや、それ以上のパフォーマンスを発揮していると実感しています。

人工知能との対話体験

かくいう私も、最初は単に検索エンジンと同じイメージでChatGPTを使っていましたし、データの正確性などを考えると、その文章結果に疑心暗鬼な部分がもちろんありました。しかし、日本語であることのハンデも全く感じられず、自然な文章を生成する能力としては、まったく問題ないと感じたのです。私が質問を投げかけると、ChatGPTは迅速かつ正確な回答を提供してきますし、その文章は文法的に正確でありながらも、柔軟で日本語としても自然な表現で、かつ、話の流れをスムーズに保つために適切なフィードバックや追加の質問も提案してくれます。また、ChatGPTは広範な情報・知識など学習の積み重ねから、1つのトピックだけでなく、付随した質問やその具体的な事例などについて、追加して質問を加えても、それについて、さらなる関連情報を提供してくれます。

実際に研修で使用するために投影資料としてのPowerPoint作成をするために、章立てでどのような順番で8時間の研修内容を組み立てたら良いか、テーマと章立てでまとめてみるように指示すると、その研修内容や趣旨(意図)を理解しているかのごとく、目次の作成をしてくれたのです。私はその研修分野の専門家ですので、実際の研修ではプログラムの進行や受講者様のスキルに対してのステップなどを考慮しながら進める工夫が必要なため、ChatGPTが回答したものをそのまま丸々コピーして活用するわけにはいきませんが、研修8時間の流れをつくるためのヒントにはなりうると思いました。

検索エンジンとChatGPTとの違い

通常の検索エンジン(GoogleやBingなど)とChatGPTとでは、情報を取得・提供する方法や形式に大きな違いがあります。検索エンジンはWeb全体をクロール(索引)し、特定のキーワードやフレーズに対するWebページのリストを返します。これにより、そのキーワードに関連する情報を持つWebページをユーザーが自身で読み、情報を収集することが可能になります。また、検索エンジンの結果は通常、キーワードの出現頻度、Webサイトの信頼性、ユーザーの検索履歴など、多くの要素に基づいてランク付けされます。

一方、ChatGPTは人間との対話形式で情報を提供するAIであるため、あるトピックについての質問に対して、そのトピックについての一般的な知識や理解をもとに、テキスト形式で直接的な回答を生成します。ChatGPTは情報を提供する際に、さまざまな情報源から学習した知識を使用しますが、特定のWebページやドキュメントを直接引用するわけではないのです。また、ChatGPTは質問のニュアンスや文脈を理解し、それに対応するように回答を生成する能力を持っています。つまり、特定の質問に対する直接的な回答を提供することができるため、ユーザーが必要な情報を素早く取得するのに有用なのです。

検索エンジンとChatGPTとの違いをまとめると、検索エンジンは広範囲の情報を索引して提供するのに対して、ChatGPTは特定の質問に対する直接的で具体的な回答を生成するという違いがあります。現段階で両者はそれぞれ異なる用途やニーズに適していると言えるでしょう。

対話型のAIであることの理解

現時点(2023年5月)の段階ですと、まだ、回答が難しいものがあります。それは、2022年、2023年の直近に発生している事象の情報や最新および今後の未来を予測した情報です。実際に昨年(2022年)の発生事象や統計情報などを尋ねると、「申し訳ありません・・・」と回答がありました。そのため、何でも答えてくれるということではなく、ChatGPT (GPT-4)ではまだ回答できないことをユーザー側が考慮して使う必要があります。また、ChatGPTを使用する際にはいくつかの注意すべき点があります。情報の正確性という点については、日本語での表現の不確かさもありますし、専門的な内容を対話した場合の回答においては、ユーザー自身の専門性やスキルを用いてその情報を精査し、内容をよく確認する必要があるでしょう。また、企業において使用する場合には、個人情報や機密情報などの取り扱いにも十分な注意が必要と思われます。

ChatGPTを使ってみた結果、私はAIの進歩とその可能性を改めて実感しました。人間に近い対話体験を提供するChatGPTは、情報収集・情報精査・情報活用で大いに役立つツールとなり、ますます進化し続け、アップデートによって性能が向上していくことも予想されます。今後は言語表現、文章だけにとどまらず、画像や映像といった分野でも、AIの深層学習を使った便利なツールが出てくると思います。

AI技術の限界については未知ではありますが、人間とAIの共存を意識しながら活用していくことも重要で、まずは、ちょっと試しに使ってみるというところからおすすめしたいです。対話型AIなので、ChatGPTから必要な回答を得たら、「ありがとうございます」と感謝の言葉を入力してみてくださいね。あなたの感謝の言葉へのさらなる回答によって、人と対話しているのと同じように、使っているうちにきっと愛着が湧いてきますよ。

※ご質問・ご意見・ご感想はメールでお受けしています。また、ご相談などもお気軽にご連絡ください。皆様のヒントになるコラムを目指していきますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
 

■プロフィール
壁山 恵美子(かべやま えみこ)
株式会社 ブレインスイッチ 代表取締役
YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー/ヤンゴン)
Chief Information Officer(CIO)
 
イベント・出版業界を経て、ソフトバンク(株)に入社。情報セキュリティおよびリスクマネジメントを専門分野とするグループマネジャーとして業務に従事。その後、J-SOX、IT統制、システム監査等の経験を経て独立。現在は、上場企業の経営企画部門およびPR・マーケティング戦略などのコンサルティングに携わる。また、中小企業の経営者向けコンサルティングや人材育成の研修カリキュラム開発なども展開。さらに、YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー / ヤンゴン)にてCIOとして人材育成をする傍ら、ミャンマー進出コンサルタントとしても活動。Gallup認定ストレングスコーチとして、組織のマネジャーなどにコーチングおよびコーチング型マネジメント手法を指導している。
 
※保有資格
・Gallup認定ストレングスコーチ
・Tony Buzan公認 マインドマップ・インストラクター
・Peter Walker氏 公認 ベビーマッサージ&ベビーヨガインストラクター
・高等学校教諭第Ⅱ種(公民)免許
 
URL https://brainswitch.jp/
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