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コラム

移り行く世の中で生きるビジネスパーソンへ贈る 新しい時代に自分軸を持つ思考のヒント

さまざまな物事が目まぐるしく移り変わり、多くの情報が発信されて錯綜している昨今。その中で何を基準にし、何をすればよいのか、取捨選択に悩まされるビジネスパーソンも多い。本連載では、大学院在学中から個人事業主として芸能界・出版業界など多様なフィールドで活躍し、30歳で転職した上場企業ではスピード出世を果たすなど、確固たるビジネスノウハウを蓄積してきた、経営戦略コンサルタント・ストレングスコーチの壁山恵美子氏が、これからの新しい時代に向けて、仕事・ライフスタイル・コミュニケーションにおいて自分の軸を持って考えるための“思考のヒント”を、自身の業務や日常生活での実体験に基づき伝えていく
 

最近、知った「ジャネーの法則」

2023年3月14日、東京で桜の開花が発表されました。過去最も早い開花で、この記録的な早咲きは3月に入ってからの高温続きが大きく影響していると言われていて、平年と比べると全国的に桜の開花・満開は早くなると予想されています。各地で準備している「さくらまつり」のような催しは、開花が1週間早まってしまったことで、今年は葉桜になってからの開催になりそうですね。

早いといえば、もう3月(このコラムが皆様のお手元に届くのは5月ですが)で、時間は誰にでも平等に流れていくものなのに、なんだか月日が過ぎるのが早く感じます。先日、あるドラマを観ていたら、「年齢を重ねると時間の過ぎるのが早く感じるのは、生きている年数によって1年が相対的なものだから」···といったような内容のセリフがありました。5歳児にとっては、まだ5年分しか生きていないので、1年は人生の5分の1に相当し、50歳の人の場合は人生の50分の1に相当する。言い換えれば、50歳の人にとっての10年間は、5歳の人にとっての1年間であり、5歳の人にとっての1日は、50歳の人にとっての10日となります。生きてきた年数が増えるほど、1年の相対的な長さは短くなるため、時間の経過を早く感じるのでしょう。インターネットで少し調べたところ、この心理学的現象は「ジャネーの法則」と呼ばれており、19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、おいの心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則で、「主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く感じられる」という現象を、心理学的に説明したものだそうです。年齢を重ねれば1年を短く感じる。年を取るにつれて自分の人生における「1年」の比率が小さくなるため、体感として1年が短く、時間が早く過ぎると感じられるようになるということですが、この心理的な法則は、私自身も子どもの頃から成長とともにじわじわ感じていた法則かもしれません。特に小学生の頃を思い出すと「学期」で1年が3分割されていたことが理由なのか、あっという間の6年間だったという記憶があります。これもまた最初の3年間は、まだ子どもで無意識に生きていたという感覚ですが、10歳を過ぎたあたりから意識的に進路や人生を考え始めたためか、急に1年が早く感じられるよになった気がします。これからまた、年齢を重ねるにつれどんどん月日の経過が早くなるかと思うと、ちょっと忙しいやら寂しいやら、なんともいえない感覚ですね。

採用面接で聞いてはいけないこと

先日、役員向けの最終面接研修の担当をしました。面接官の研修として、新卒採用の面接におけるポイントや注意点、その企業としてどういった人材を採用していきたいかという方向性を決めるワークショップも兼ねた研修です。研修全体の構成やカリキュラムをつくる中で、正確な情報をお伝えしていかなければならないので、教え慣れていることでも改めて調べ、自分自身もテキストをまとめる中で学び直すことなどは当たり前なのですが、研修資料をつくっている段階で、改めて考えさせられることが多かったので、今回のコラムで共有しようと思いました。

採用面接で面接官側がやってはいけないこと、聞いてはいけないこと、というのが最近はかなり多く、「コンプライアンス」という言葉で一括りに表現してしまうと、とにかく守らなければならないルールというイメージになりますが、最近は企業側が注意しておかなければならないことが実はたくさんあります。面接において聞いてはいけない事項は、本籍・出生地・住宅環境・家庭環境・本来自由であるべき事項(思想や信条に関わること)・宗教に関すること・支持政党・人生観・生活信条・尊敬する人物・労働組合の加入歴や学生運動・社会運動に関すること・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること・・・と、知っていないと採用面接でつい聞いてしまいそうになる内容ばかりです。例えば、「あなたの信条はなんですか」「あなたの座右の銘はなんですか」「あなたのモットーはなんですか」と聞くのも実はNG。採用候補者が学生時代の活動で部活やサークルで音楽活動をしていたとしても、「音楽はどんな曲を聴きますか」という質問は、本来自由であるべき思考であり愛読書などと同じ項目にも該当するということで、聞いてはいけないことになります。そうした場合、面接官が対話をアイスブレイクとして続けたい場合の聞き方としては、その採用候補者の適性や能力をみる質問、例えば「音楽はいつからやっているのですか」といった質問に変更し、“長くコツコツ続けているのか、それとも短期で習得したのか”を推しはかる質問をすることが望ましくなります。

採用面接で企業が評価される時代に

面接官と採用候補者では、立場上はやはり面接官のほうが優位な立場という印象があるかと思いますが、面接はそもそも、基本姿勢として相互の理解を深めるための場であり、採用面接は「企業が一方的に選別するだけの場」ではありません。面接は会社と採用候補者の相互コミュニケーションの場であるので、企業側は“自社の情報を相手に適切に提供すること”、“候補者の意思決定を助ける場として面接を設定すること”が重要になります。そもそも、面接という場は誰しも緊張するのが当然で、採用候補者を緊張させた状態でその本質を見抜くということは難しいわけですから、よく話題になる圧迫面接などは論外であり、できれば、普段どおりの状態を見るために、緊張をほぐして対話をしていくようにするのが望ましいのです。昨今のZ世代の就職活動では、かつてのような企業研究をしっかりしてから面接に挑むというよりも、受けてみて感触をつかむ、面接で確かめてみて、良いと思ってから企業研究をして挑むというスタンスに変化してきているようです。インターネットの発達にともない最近は就職活動用のWebサイトやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)もあって、面接を受ける側、つまり学生しかアカウントを取得できない就職活動SNSも存在し、そこでは有名な企業に限らず、面接での内容が情報共有されるということさえ起こっているわけです。ミレニアルと言われる世代においては、給与などの話は秘密ではなく、同僚と情報を共有するものであると考えているくらいですので、なんでも情報をシェアし、自分たちの考えをWebサイトやSNSへ書き込むことに抵抗のない世代であり、情報共有をすることが当たり前になっている世代なので、かつては面接で問題なかった質問が令和の世ではNGとなることも多くなってきています。採用候補者が有利な時代というわけではないですが、採用候補者が面接で評価される時代から、企業が面接で評価される時代となり、リスクを考慮して、企業もさまざまな対策を整えていく必要があります。採用候補者が平成生まれの世代となって約10年、昭和生まれの世代の面接官は面接をする立場として、対話の仕方、質問の仕方などを改めて学んでみてはいかがでしょうか。

※ご質問・ご意見・ご感想はメールでお受けしています。また、ご相談などもお気軽にご連絡ください。皆様のヒントになるコラムを目指していきますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
 

■プロフィール
壁山 恵美子(かべやま えみこ)
株式会社 ブレインスイッチ 代表取締役
YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー/ヤンゴン)
Chief Information Officer(CIO)
 
イベント・出版業界を経て、ソフトバンク(株)に入社。情報セキュリティおよびリスクマネジメントを専門分野とするグループマネジャーとして業務に従事。その後、J-SOX、IT統制、システム監査等の経験を経て独立。現在は、上場企業の経営企画部門およびPR・マーケティング戦略などのコンサルティングに携わる。また、中小企業の経営者向けコンサルティングや人材育成の研修カリキュラム開発なども展開。さらに、YAMA HOTEL & ROOFTOP BAR(ミャンマー / ヤンゴン)にてCIOとして人材育成をする傍ら、ミャンマー進出コンサルタントとしても活動。Gallup認定ストレングスコーチとして、組織のマネジャーなどにコーチングおよびコーチング型マネジメント手法を指導している。
 
※保有資格
・Gallup認定ストレングスコーチ
・Tony Buzan公認 マインドマップ・インストラクター
・Peter Walker氏 公認 ベビーマッサージ&ベビーヨガインストラクター
・高等学校教諭第Ⅱ種(公民)免許
 
URL https://brainswitch.jp/
個人Webサイト https://emikokabeyama.com/
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Instagram @kabeyama
Twitter @Kabeyama_Emiko
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