一歩を踏み出したい人へ。挑戦する経営者の声を届けるメディア

Challenge+(チャレンジプラス)

コラム

Special Voice 株式会社C.Dream/リフォーム職人 株式会社 代表取締役 堤 邦博

株式会社C.Dream
リフォーム職人 株式会社
代表取締役
堤 邦博

 

コロナ禍や低迷する日本経済、戦争や環境問題など、混迷する現代社会において、各分野で挑戦を続け、わが道を歩んでいる方々の言葉を通して、一歩を踏み出したい読者の背中を後押しする企画。第7回は、プロ野球選手を目指す中で培われた精神力を武器に建設業界をけん引する堤邦博氏に、過酷な挑戦を成功に導くための心構えや、人との出会いの重要性など、独自の哲学と事業にかける思いを語ってもらった。

 
――堤社長は総合建設リフォーム業にて独立後、初年度から約3億8500万円の売り上げを達成されたとおうかがいしました。初年度からそれほど大きな成果をあげられた要因は何でしたか?
 
これまで野球に真剣に打ち込んできたことが大きかったと思います。私は25歳で「読売ジャイアンツ」のプロテストを受け、最終選考には残ったものの、あと一歩のところで不合格となりました。プロ野球選手になるために、中学時代から人より何倍も多く練習に励んでいましたが、それでも、プロにはなれなかったんです。だからこそ、もう二度とあのような悔しい思いはしたくないですし、一生懸命頑張っていた過去の自分を誇りにして生きていきたい。それに片親だったこともあり、生きている中で本当にたくさんの方に支えられてきました。そうした方々に、「プロ野球選手になれなかったからこそ、今のあなたがいるんだよね」と言っていただけるような人間になり、恩返ししたいという気持ちがあるんです。
 
――次の挑戦へと気持ちを切り替えるには、大変な決心が必要だったと思います。
 
当時は「プロ野球選手になれない自分は負け組だ。もう死んでもいい」というくらいの精神状態でした。しかし、そう考えていた時に子どもが生まれ、「子どものためにも第二の人生を頑張らなければ」と思えるようになったんです。また、同じタイミングで偶然ご縁があって、尊敬している元プロ野球選手の桑田真澄さんが主催していた野球教室のお手伝いをさせていただく機会がありまして。その際に桑田さんから「堤君はまだまだ若い。プロ野球選手になれなかったからこそ、今がある。第二の人生、切り替えて頑張るんだぞ」と温かい言葉をいただいたんです。そのことも重なり、はっきりと気持ちを前に向けることができました。
 
――堤社長は(株)C.Dreamと並行して新たにリフォーム職人(株)を立ち上げ、FC展開を開始して約2年で80加盟を達成されました。あらためて「リフォーム職人」というFCの内容を教えてください。
 
無店舗型のリフォーム業を手がけておりまして、内装から外壁塗装、防水、路面舗装まで、家を建てること以外の工事全般に対応しています。「リフォーム職人」では、請け負った仕事を各分野の職人に割り振って段取りを行う「営業・施工管理コース」と、実際に現場に行って自ら施工する「職人コース」という2つのプランがお選びいただけます。約2週間から1ヶ月の研修期間の中で、営業方法や見積もりの作成方法、専門技術などをお伝えしているのですが、特に大切にしているのは、加盟された方へのサポートです。現場に出ていただいた後も、わからないことは常に本部に確認が取れますし、時には本部の人間が現場に同行して一緒に打ち合わせをしたり、工務店さんや職人さんをご紹介したりと、手厚いサポートを行っているんですよ。
 
――それだけしっかりサポートしてくださるのであれば、建設業が未経験の方でも安心して取り組むことができますね。
 
そう言っていただけると嬉しいです。また、一般的なFC本部の立場であれば、収益などの問題から、できる限り長く加盟し続けてほしいと考えるケースがほとんどだと思います。しかし、「リフォーム職人」に加盟された方には、「3年加盟すれば、ほとんどのことは自分で対応できるようになるので、加盟し続けるメリットはなくなります。なので、3年で卒業を目標にしてください」とお伝えしているんです。それは、私自身が未経験からゼロの状態でこの業界に入ったので、同じような境遇で挑戦される方を応援したいという気持ちが強いからなんですよ。
 
――関わる人に最大限寄り添いたいという、誠実なお人柄が伝わってきます。
 
ありがとうございます。やはり、どこまでいっても仕事は「人対人」です。だからこそ、私は「素直さ・謙虚さ・貪欲さ」を忘れず、常に感謝の気持ちを持って関わるすべての方と向き合うことを大切にしています。「やっていただいたら、そのぶん恩返しをする。何より、自分がまず他者に与えることのできる人間になる」―そういう気持ちで、皆様と共に成長し、幸せになっていけたら嬉しいですね。
 
――今後についてはいかがですか?
 
リフォームといえば、「リフォーム職人」の名前がまっ先に思い浮かぶような存在になれるよう、これからも力を尽くしていきます。着実に加盟数を増やしていき、(株)C.Dreamと「リフォーム職人」の両方が相互に良い影響を与えながら成長していく環境づくりを整えていきたいですね。また、近年では職人不足が進んでおり、仮囲いがされたまま工事が進められない現場も珍しくありません。そうした現状を打開するためにも、将来的には、確かな技術を教えられる職人の専門学校をつくりたいと考えています。
 
――職人不足を解消して業界を発展させたいという強い思いがあるのですね。
 
ええ。また、売り上げが今以上に安定した際は、野球を通じて“社会で勝てる人間”の育成にも取り組む予定です。私はこれまで、本当にいろいろな方のサポートがあって野球を続けることができたので、今度は自分がしていただいたことを、次の世代にやってあげる番だと思うんです。次世代の子どもたちだけではなく、引退・リタイアした後の進路に悩むアスリートのセカンドキャリア構築の支援なども行っていきます。ゆくゆくは当社で雇用したアスリートを軸に野球チームをつくり、メンバーと協力して子どもたちに野球を教える場をつくる。そうして子どもたちに夢を与えることも、実現したい大きな目標の1つです。
 

堤 邦博
 
小学生の頃からプロ野球選手を目指して練習に没頭し、社会人時代には「三菱ふそう」や「東海理化」などの強豪チームで活躍。やがて、25歳の時に「読売ジャイアンツ」のプロテストを受けたが、最終選考で不合格となりその挑戦に区切りを付ける。その後は、野球に打ち込んでいた頃に出会った恩師との縁から建設リフォーム会社に入社し、10年以上経験を積む中で一級施工管理技士の資格を取得。顧客や職人を引き継かず、筋を通す形で独立し、2022年に(株)C.Dreamを設立する。初年度で約3億8500万円の売り上げを達成し、2年目にはリフォーム職人(株)を設立。FC展開を開始して2年で80加盟を実現するなど、躍進を続けている。

<< 株式会社 ヴィレグループ 執行役員 代表 内田 輝株式会社 ヴァリオス 代表取締役 清水 正也 >>