一歩を踏み出したい人へ。挑戦する経営者の声を届けるメディア

Challenge+(チャレンジプラス)

コラム

編集部が薦める今月の一冊
このページでは毎回、数多く刊行される書籍の中から、『COMPANYTANK』読者に向けて編集部がお薦めする一冊をご紹介します。第10回は、長年変化のなかったニッチ企業が劇的に変化していく様子を記した『ニッチ企業は理念で生き残る 地方メーカー2代目社長の経営改革』を取り上げます。

会社の売り上げ50%アップ!
創業50年、変化のなかったろ過布の会社が企業理念をつくり直し、劇的に生まれ変わった。
企業理念を見直し、自社の存在意義を社員たちと共有する――
社員を巻き込み、新規事業を進めてグローバル進出を可能にした、ニッチ企業2代目社長の経営哲学とは

 

大手企業や競合他社との競争を避け、ニッチトップ戦略を取る中小企業は少なくありません。しかし近年は技術革新や環境変化のスピードが速まっており、ニッチ市場でトップを取れば長期にわたって安泰というわけではなくなってきています。また、長年変化のなかった組織では、新規市場参入など、柔軟な変更に対して社員から反発を受けることも少なくないというのが実状です。

本書では、長年変化のなかったニッチ企業で、どのようにして社員の意識を変え、新たに海外事業を展開するまでに至ったのかを紹介しながら、組織改革の要点をまとめています。変化の必要を感じながらも停滞から抜け出せずにいるニッチ企業の経営者にとって、変革のヒントとなる一冊です。

《著者Q&A》
■この本のポイント・読みどころを教えてください
もうけることこそが正義だと思い込んで日々活動していた私は、あることをきっかけに理念の大切さに気付くことができました。そしてそこから得た学びをもとにさまざまな実践を行い、社内改革に取り組んだのです。そのうえでいろいろな失敗や挫折をした経験からさらに学び、今なお社内改革を続けているということを本書から感じ取っていただければと思います。

■社会貢献の意志の有無と理念の間に相関関係はあると思いますか?
私はあると思っています。そもそも企業というのは、世の中のお困り事を解決する存在だと考えております。そのため、社会性ということを最も大切にしなければなりません。つまり本来、企業の理念というものは、社会のために何ができるのかということと深く結びついているはずなのです。したがって、社会貢献と企業の理念とのつながりは必然的だと思います。

■理念を社内に浸透させるために大切なことは何でしょうか?
人はそれぞれ生い立ちも生活環境も違うため、私は各人が異なる情報を持っていると考えています。そのため、皆に対して言葉で理念を一様に伝えるのは難しいということをまず理解しなければなりません。言葉だけで伝えようとするのではなく、社員が一緒に何かを体験し、共に感じ、同じものを見るということが必要になってくると思います。そして、大切なことは理解してもらえるまでさまざまな手法をもちいて何度でも伝えようとする努力を続けることです。

■弊誌の読者宛にメッセージをお願いします
私のようにごくごく普通の人間が、理念の大切さを学び、それを社員に伝える努力を続けた結果、当社の成長スピードは劇的に変化しました。かつては時代背景もあり、高収入を求め、高級品などに憧れ、自分優先で過ごすという愚かなことも経験しました。そんな私が、それではいけないと気付き、多くの失敗と挫折を繰り返しながらも学びと実践を続けてこられたのは、ブレない理念とビジョンを持ち続けることができたからだと思います。経営者とは一生学び続けなければならない存在です。そして、ある面では経営者は教育者でなくてはならないとも考えています。本書を通して、私の経験が少しでも皆様の参考になれば幸いです。

著者プロフィール
大塚 雅之(おおつか まさゆき)
 
大塚実業(株)代表取締役社長。1968年、大塚実業(株)の創業者・大塚善一郎の長男として、栃木県足利市で生まれる。大学卒業後は旅行代理店に入社。その後、1994年に大塚実業(株)に入社し、栃木工場や大阪営業所で勤務した後、2005年に専務取締役に就任。2009年には代表取締役社長に就任した。現在は、(一社)公益資本主義推進協議会(PICC)理事兼東日本統括兼東京支部長、および(一社)日本液体清澄化技術工業会(LFPI)理事も務めている。
 
発行:幻冬舎メディアコンサルティング URL https://www.gentosha-mc.com/
発売:幻冬舎 URL https://www.gentosha.co.jp/

<< 編集部が薦める今月の一冊No9 編集部が薦める今月の一冊No11 >>

 
 
 

躍進企業応援マガジン最新号

2024年9月号好評販売中!