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コラム

目の前の助けることのできる命を救いたい ~愛護活動で知るペットに対する想い~

人の生活に深く関わり、時にペットという領域を超えて“パートナー”として人生を彩ってくれる「犬」。たくさんの人に愛される存在である一方、その陰では捨てられて保健所送りになったり、ペットショップの繁殖場で不要とされたり、人間の都合で殺処分されてしまう個体が数多くいる。当コラムでは、トリミングサロンを運営しながら保護犬活動に力を入れる(特非)Happy Wan の原弥千代氏が、保護犬活動の実態や支援の必要性についてリアルな情報を発信していく。

(特非)Happy Wanの原弥千代と申します。2022年7月号からコラムを担当させていただいております。3回目にあたる今回は、ペットを飼えない方でもできる愛護活動についてお話しさせていただきたいと思います。

愛護団体について

全国にはたくさんの愛護団体がありますが、恐らくどの団体もボランティアで活動を行っており、保護した動物にかかる飼育費・治療費などはすべて寄付によって賄われています。寄付も行政や自治体からの援助があるわけではなく、自分たちで寄付を募るために試行錯誤しているのが現状です。中には「愛護団体」と名乗って寄付を集め、私利私欲のために使う団体も存在するため、寄付をしたいけれど、どの団体がいいのか…と悩まれている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

ここからは、そうした問題を踏まえながら、誰でも行える愛護活動について大きく3つに分けてご紹介させていただきます。

誰でもできる愛護活動支援

①現金寄付
愛護団体が活動を継続するには、多くの資金が必要となります。そして、動物たちの医療費などは現金でしか補えないのが実情です。

愛護団体では特に病気がない子でも、不妊手術やスケーリング(歯石除去)・各種予防接種や予防薬・血液検査などはほとんどの子に実施しています。動物病院のご厚意で治療費などをお安くしてもらったりもしていますが、動物病院まで連れて行く交通費や施設の光熱費なども、現金でしかお支払いできないため、「現金寄付」は、愛護団体が活動するうえで一番ありがたいご支援といえます。

②物資支援
先ほどもお話ししたとおり、「愛護団体」と名乗っていながら、いただいた寄付を不正利用する悪徳な団体も存在しています。そのため、現金寄付に躊躇していらっしゃる方は、団体が必要としている物資の支援がとても助かっています。特に動物たちの食事やトイレシートなどは、頭数を多く抱えている愛護団体ほど消耗が早いため、あればあるほど支えになり、非常に助かるものです。また、物資支援をしていただくことにより、資金を上記の現金でしか補うことができない部分に充当することも可能になります。

③ボランティア支援
日常のお世話をするボランティアや施設維持のお手伝い、預かりボランティアなどを募っている団体もあります。人手不足が問題となり、助けてあげたくても助けてあげることができない動物というのは、とても多く存在しています。そうした団体などにボランティアとして協力することで、今まで助けられなかった動物の命を救うことができるかもしれません。

また、愛護活動で出会う動物たちの中には、温かい家庭で暮らしたことのない子も多いため、ボランティアの方が増えることで、人との関わりや生活に慣れたり、先住犬との暮らし方などを身に着けたりすることができます。人への安心感を覚えやすくなるので、心を通わせられる本当の家族に巡り合う可能性も高くなります。

家族に迎え入れを検討している方へ

ペットショップにはかわいい子犬がたくさんいますが、その子たちを産んだ親犬は繁殖場で不要とされてしまい、愛護団体が引き取っていることもあります。運が良く愛護団体に引き取られた子は、本当の幸せを見つけるチャンスを掴んだ子です。しかし劣悪な繁殖場では、満足な治療も受けられず、給餌も与えられず、山に放置されたり、餓死をしてゴミ扱いされたりする子もいます。だからこそ、目の前のかわいい子犬だけを見るのではなく、どのようにしてその子犬が産まれたのか、その子の親犬たちはどのような環境で暮らしているのかなど、迎え入れる前にご家族で考えてみてください。

私自身も13年前にペットショップで子犬を買いました。その当時は「保護犬」という存在を知らなかったので、命を迎え入れることについて、そこまで深く考えたことはありませんでした。十数年前は「保護犬」の認知度が低かったかもしれませんが、今は当時よりも認知されていると思っています。

しかし、人材不足や資金不足などの問題も相まって、どこの愛護団体も無限に犬を救い出せるわけではありません。自身の生活や時間を削って命を助けてくれる愛護団体もたくさんあります。助かる見込みのない子でも可能な限り医療にかけてあげて、最期まで看取ってあげる――そのような愛護団体がいることを、わかっていただきたいと思います。

その子の命に最後まで寄り添う覚悟を

当団体は何十頭も保護できる環境ではないため、他の愛護団体より微力にはなりますが、保護した子には責任と愛情を持って新しい家族を見つけてあげられるよう活動しています。1頭に新しいご家族が見つかると、新たにレスキューを必要としている子を愛護団体で保護できるようになるため、結果として2頭の大切な命を助けることができるんです。

ペットショップにいる子であっても、保護されている子であっても、これから新しく家族として迎え入れる命です。命を買ったり譲り受けたりすることを簡単に考えず、その子の命が尽きるまで終生幸せにする覚悟ができてから、新しい家族として迎えてあげてほしいと思います。

1人でも多くの方にこのコラムを読んでいただき、私たち愛護団体と一緒に命を救う活動へご協力いただける方が増えることを願います。関心を持って下さった方は一度、お近くの愛護団体を探し、その団体が必要としているご支援で協力していただけると嬉しいです。

■プロフィール
原 弥千代
 
甲子園球場のショップに販売されていた犬用の服に一目ぼれし、犬を飼い始める。絆を深めいつも一緒にいたいと思うようになったため、不動産会社を退職し2010 年にトリミングサロン「dogparadise Cocoe」をオープン。3店舗まで事業を拡大する。2020年には(特非)Happy Wan を設立し、大阪府枚方市を拠点に犬の保護活動をスタート。トリミングサロンの店舗スペースを活用した保護を行いつつ、多くの人に「自分にできる範囲での支援」を呼びかけ、着実に活動の幅を広げている。

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