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子どもが自ら成長する児童発達支援施設<br />
自身の経験踏まえ保護者も共にサポート<br />

医療・福祉

子どもが自ら成長する児童発達支援施設
自身の経験踏まえ保護者も共にサポート

合同会社 M.A.Kids / unico浦和
代表 / 教室長 小川 英樹

PROFILE

埼玉県出身。(同)M.A.Kids代表。発達障がいのある未就学児童の療育事業を志し、2023年にさいたま市浦和区に児童発達支援施設「unico浦和」を開設した。自らも発達障害のある息子を持ち、その経験も生かしながら、日々の療育や保護者のサポートに励んでいる。

COMPANY DATA

合同会社 M.A.Kids / unico浦和

住所
〒330-0063
埼玉県さいたま市浦和区高砂1-2-1
エイぺックスタワー浦和115

水野 (同)M.A.Kidsさんが2023年にオープンされた児童発達支援施設「unico浦和」さん。そちらの教室長も務める小川代表は、どのような経緯で今のお仕事を始めたのですか?

小川 私には3人の子どもがいますが、真ん中の息子は発達障害がいがあり、療育施設を利用していたんです。その息子が小学校に上がってからは子育てに行き詰まったこともありましたが、夫婦で療育について学び、それを実践していました。妻は保育士で、いつか自分の施設を持ちたいとも話していたんです。当時会社員だった私も何か力になりたいと思っていた矢先に妻が大病を患い、2022年に亡くなりました。家族全員が落ち込み、特に私は立ち直れない気持ちで過ごしていたんです。ある時、その様子を見かねた子どもたちから「ママがやりたくてできなかったことを、パパがやってみたらどう?」と提案され、それがこの仕事を始める大きなきっかけになりました。

水野 なるほど。小川代表は奥様の夢をかなえるべく行動に移られたのですね。わずか1年ほどでそれを実現されたのには驚きますが、ご苦労もあったのでは?

小川 はい。確かに、開設当初はお子様が集まらなくて不安でした。でも、半年経った頃にはありがたいことに地域に名前が知れ渡ったようで、現在は徐々に利用される方が増えてきています。

水野 「unico浦和」さんでは、小川代表のお子さんも利用されたという、就学に向けての療育が受けられるのですね?

小川 ええ。特に多いのは年中の5歳のお子様です。児童福祉事業を手がける(株)unicoの療育メソッドと私の考えが合致すると考え、同社とパートナーシップ契約を結びました。その特徴を簡潔に言うと、「大人が教えていくのではなく、こちらが提案したものの中から子ども自身に選択してもらう」ということです。あらかじめ決められたプログラムに沿って「これをやるんだよ」と子どもを導くやり方は一切行っていません。

水野 周りの大人が育てるというのではなく、お子さんが自ら育つことを重視されているわけですね。そうしたメソッドを実践することで、子どもたちに将来どんな人になってほしいとお考えですか?

小川 自分の気持ちを相手に伝えられ、同時に相手の気持ちが理解できるような人になってくれたらと願っています。

水野 最後に児童発達支援に関心をお持ちの方々へメッセージをお願いします。

小川 発達障がいのような特性のあるお子様をお持ちの親御さんはご自身で悩みを抱え込み、誰にも話せないケースが多いのではないでしょうか。私たちは、そのような方々の相談相手としてお役に立ちたいと考えています。お子様に楽しく通っていただくのと同時に、親御さんも一緒に支援できるよう努める所存です。いずれは就学後の支援にも事業の幅を広げるつもりですので、ご期待ください。

GUEST COMMENT

水野 裕子

小川代表は、昔はお子さんを厳しく指導するタイプの父親だったと打ち明けてくださいました。それを奥様がたしなめ、違った教育方法を助言してくれたそうです。当時の教訓を受け止め、今では子どもたちが自ら育つ療育事業に取り組んでおられる代表。その歩みが素敵で、私も心から応援したくなりました。

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