注目企業インタビュー
建設
人と荷物を守る電気を使わない自動ラックで世界進出へ
足場や機械器具設置の専門家集団が挑戦
株式会社 ウエイト東海
S・G・B事業部代表 片山 悠
PROFILE
2003年生まれ、愛知県出身。半田市に拠点を置く(株)ウエイト東海に18歳で入社する。創業者である父・片山和洋社長に続く2代目として期待され、現在は、電気を使わない自動ラック「S・G・B」の事業部で営業をけん引。安全に特化した自社製品の販路拡大に注力している。
COMPANY DATA
株式会社 ウエイト東海
- 住所
- 〒 475-0961
愛知県半田市岩滑中町4-130-1 - URL
- https://www.weight.co.jp/
嶋 (株)ウエイト東海の片山悠さんは現在、S・G・B事業部で営業部隊のリーダーを務めているとうかがっています。今後は片山和洋社長の後継者として、2代目を継がれる予定だそうですね。
片山 はい。私は、高校卒業後に18歳で当社に入社しました。最初は物流に関わるさまざまな企業を見学し、棚に商品が高く積まれている現状を見てその危険性を学んで、安全対策に関する知識を深めていったんです。現在は、先代から続く機械器具設置工事や足場工事などに加えて、S・G・Bという安全対策事業にも力を注いでいます。
嶋 なるほど。そもそもS・G・Bとは、一体どのようなものなのですか?
片山 S・G・BはSafety Gate Boxの頭文字を取った名称で、当社が開発した電気を使わない自動ラックのことを指しています。箱状のラックを何段も積み重ねて荷物の一時保管に使用でき、フォークリフトでパレット上の積み荷を差し入れると、テコの原理により自動的に柵が下りる仕掛けになっているため、荷物の転落や破損を防ぐことができます。その技術を高く評価していただき、文部科学大臣表彰「創意工夫功労者賞」を受賞した製品にもなっているんです。
嶋 それは素晴らしい。この装置をつくるに至った背景が、とても気になります。
片山 一番のきっかけは、2016年に熊本地震が起きた後、九州の工場が被災した取引先から、製品を安全に保管できるラックをつくれないかと、相談を受けたことでした。先代が1年をかけて試行錯誤を重ね、安全性と強度を高めたのだと聞いています。製品においても、現場での施工においても、当社は世界でも戦っていける安全性を担保しているんです。
嶋 安全対策の導入は義務であり、モラルでもあるという強い思いが伝わってきます。業務と向き合ううえでは、どのような点を大切にされていますか?
片山 一番は、「お客様第一・安全第一・品質第一」という3点を徹底して、関わるすべての方から信頼と信用をいただくことです。そして、その精神を貫くためにも、人間同士のコミュニケーションを何よりも大事にしています。社内でも週に1回以上は必ずミーティングをし、毎日同じ方向を向きつつ、何でも言い合える環境をつくっています。そうして命を守る仕事を突き詰め、周囲の方々に喜んでもらい、笑顔をいただくことが何よりのやりがいなんですよ。
嶋 将来のビジョンについては?
片山 今後は、S・G・Bを人と荷物の安全を守る画期的な装置として、国内の営業倉庫はもとより、海外にも販路を広げるつもりです。また、私個人としては、コストコさんにS・G・Bを導入していただくのが当面の目標なんです。倉庫型の商業店舗がブームになっている今こそ、楽しい買い物の場を、S・G・Bで守っていきたいですね。
GUEST COMMENT
嶋 大輔
アメリカの巨大倉庫に保管されている大量の荷物が、わずかな衝撃で一気に崩れ落ちる映像を見たことがあります。そんな事故を未然に防ぐために、S・G・Bのような安全対策の導入はモラルであり、怠ってはいけない義務なのだと感じました。2代目にはぜひ、S・G・Bを世界中に届けていただきたいですね。