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注目企業インタビュー

一人ひとりの興味関心に寄り添い<br />
利用者の視野・世界を広げる同行援護を<br />

医療・福祉

一人ひとりの興味関心に寄り添い
利用者の視野・世界を広げる同行援護を

株式会社 enko
代表取締役 榎戸 彩

PROFILE

視覚障がいがある弟を通じて、視覚障がい者の移動の援助や、必要な視覚情報を提供する「同行援護」サービスを知る。飲食業と並行して同行援護事業に携わった後、2020年に独立し、(株)enkoを設立。利用者の視野を広げる同行援護サービスを提供している。

COMPANY DATA

株式会社 enko

住所
〒236-0045
神奈川県横浜市金沢区釜利谷南2-1-2 508
URL
https://enko-gh.co.jp/


石黒 これまで福祉・介護事業を手がける事業所の方々とお会いしてきましたが、視覚障がい者向けの「同行援護」をメイン事業にされている会社は初めてです。

榎戸 業界の中でも珍しいと思います。当社は、同行援護の他にも通院・家事援助などの居宅介護やカウンセリングなども展開しているのですが、そちらも視覚障がい者の方に絞ってサービスを提供しているんです。

石黒 なるほど。それには何か理由があるのですか?

榎戸 私が同行援護というサービスを知ったのは、視覚障がいのある弟を通じてでした。私や家族と一緒にお出かけしたり、旅行したりする時の弟は非常に楽しそうで、その姿がとても印象的だったんです。と同時に、視覚障がい者が外出する際の困難も目の当たりにしてきました。そんな私自身の経験から、「視覚障がい者の方が、さまざまな体験を通じてご自身の視野を広げるお手伝いがしたい」と思い、同行援護をメイン事業とする当社を設立したんです。

石黒 ご自身の経験が会社設立のきっかけなのですね。同行援護は、具体的にどういった場面で利用されるのですか?

榎戸 余暇や通院の際に利用いただくのが一般的です。当社の場合、メインの利用者様が弟世代の若年層ということもあり、お出かけに同行させていただく機会が多くなっています。登山やマラソン、ライブ、サークル活動など、幅広いアクティビティに同行させていただいているんです。長時間の同行援護や長距離移動が必要な外出にも対応できるのが当社の特長の1つですね。

石黒 それはすごい!柔軟に対応されているんですね。

榎戸 はい。そのうえで私たちが大切にしているのは、「利用者様の世界・視野が広がるような同行援護」。一緒にお出かけする際は、段差がある場所など危険を回避するための情報だけではなく、流行に敏感な方には街のトレンドを、グルメな方には新しい飲食店についてお話しするなど、利用者様の興味に沿った情報を併せてお伝えすることを意識しています。また、一般的な事業所が9時から17時での対応の中、当社は、朝早めの時間帯や、夕方以降の同行援護にも対応しているんです。

石黒 会話を通じて、利用者さんと温かみのある関係性を築かれているのですね。

榎戸 はい。当社では、“ヘルパーと利用者”という立場ではなく、“人と人”として関係性を築くことを重視しています。ですから、相手に興味を持ち、温かみを持って接することができる方を当社のヘルパーとして採用させていただいているんです。今後も、利用者様に温かく寄り添うことができる方と共に事業を展開し、利用者様の「もっと出かけたい!」「もっと知りたい!」という気持ちをかなえていきたいと思っています。

GUEST COMMENT

石黒 彩

「利用者様から『同行援護のおかげで視野が広がりました』と言っていただけるのが一番のやりがい」とおっしゃっていた榎戸社長。利用者さんのやりたいことをかなえ、その方の視野を広げる同行援護は素晴らしいものだと思いました。今後も利用者さんに寄り添ったサービスを展開し続けていってくださいね!

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