一歩を踏み出したい人へ。挑戦する経営者の声を届けるメディア

Challenge+(チャレンジプラス)

注目企業インタビュー

人間力を磨き一歩ずつ前へ
建物メンテナンスの専門家

 

顔を覚えてもらえる人間になること

 仕事が増えれば、そのぶん増員も必要になると思います。今、スタッフさんは何人ほどいらっしゃるのですか?

小杉 社員14人と、協力スタッフが40人ほどいます。当社は女性のスタッフも多く在籍しており、お水やマットの配送で活躍してくれているんですよ。

 頼もしいですね。チームをまとめるうえで、スタッフさんに日頃から伝えていることがあれば教えてください。

小杉 「自分の顔を覚えてもらいなさい」ということを常に言っています。当社は本質的には営業会社であり、さまざまな商品を紹介しながらお客様に使っていただくことが事業目的です。だからこそ、スタッフには毎日、配送の合間に飛び込みの営業をさせていますし、「今日は何件回れた?」という声掛けもしています。そうやって顔を覚えていただくことが、自分の仕事のしやすさに間違いなくつながっていくんです。

 小杉社長のお話をうかがっていると、言葉の背景に社長ご自身の理念や哲学があるように感じます。それらはどこで培われたのでしょうか?

小杉 まだ勤め人だった頃、一緒に仕事をしていた先輩がいて、その方はトップセールスマンだったのですが、ある日「この石を売ってきなさい」と、その辺で拾ってきた石を私に渡してきたんです。突拍子もないことで途方に暮れたものの、夜遅くまで歩き回って、とうとう買ってくださる方に巡り会えました。その時に、営業で大切なのは商材ではなく、何を扱っていてもお客様に話を聞いていただける人間力、“顔を売る”ということなのだと気付かされたんです。あの時、私に足りないものを見抜いて、試練を与えてくださった先輩には、本当に感謝しています。

 そういえば、私もデビュー前に事務所の社長に六本木通りを歩かされて、「200m歩く間に5人振り向かせてみろ」と言われました。最初は何が何だかわかりませんでしたが、それに続けて「お前が振り向く人間はどんな人間なんだ」と言われ、はっとしたことを覚えています。要するに、人を引き付ける魅力を持つ人間になれ、ということだったのかなと。その意味では、営業と芸能の仕事は似ているかもしれませんね。

小杉 そうですね。ただ、お話を聞いていただく以上は、その商品についての知識も当たり前に持っておかなければなりませんから、私自身しっかり勉強するようにしていますし、スタッフたちにもお客様に信用していただける知識を身に付けてもらっています。人間力と商品知識、それらがどちらもそろった時に、お客様から認めていただけるのだと思います。

成長し続けられる会社を目指して

 ところで、(株)GLOWBALさんの社名には、どのような由来があるのでしょうか?

小杉 当社の社名は、世界規模を意味する英単語「GLOBAL」に「W」が1つ付け加えられたものになっています。これは、成長を意味する英単語「GROW」を掛け合わせているんです。会社は生き物ですから、立ち止まらずに成長させ続けなければなりません。その思いを社名に込めました。

 会社を成長させる――経営者ならば誰もが口にすることかもしれませんが、小杉社長のようにそれを行動で貫かれる方はそういないと思います。社長をそこまで突き動かすものは何でしょうか?

小杉 やはり、過去に苦しい日々を送ってきたということが、今の活力になっているのだと思います。私だけでなく、家族にも寂しい思いをさせてしまったので、今度はしっかり守ってあげたい、幸せにしたいという思いが強いのです。ちょっとやそっとのことでは、へこたれていられません。

 小杉社長のお気持ち、わかる気がします。私も昔、つらい時期があって、そこを抜け出したい一心で頑張ってきましたし、今は「あの頃には二度と戻りたくない」という思いがあるんです。だから、逆境をバネに這い上がってこられた社長の姿には感動しますし、心から応援したくなります。

小杉 嶋さんからそんな風に言っていただけるととても嬉しいです。会社としては2024年で5年の節目を迎え、さらに飛躍したいと考えています。今、できることはすべてやっているという自信はありますが、そこに満足せず、変えるべきところは変えつつ、業容を拡大していけたらな、と。私の根本にある「営業」を突き詰め、数字を伸ばすことに全員でこだわってこの先も歩んでいきます。

GUEST COMMENT

嶋 大輔

どんなに苦しい状況でも、「なにくそ」という気持ちで努力を重ねられ、今ではたくさんのスタッフさんを抱える会社の経営者となられた小杉社長。家族も守りながら事業を成長させていく道のりがどれほど困難なものだったかは、ご子息の大学進学を私に伝えてくださった時の笑顔が物語っていたと思います。きっとこの先も、ご自身の夢を実現するために努力され、さらに会社を大きくしていかれることでしょう。私自身、お話していて共鳴する部分が多く胸が熱くなりました。全力で応援しています!

1 2

躍進企業応援マガジン最新号

2024年9月号好評販売中!