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注目企業インタビュー

園児が「帰りたくない」と隠れることも

矢部 理想の保育を追求するお二人は、信頼で結ばれたビジネスパートナーなのですね。まんまる保育園さんならではの特長を、ぜひ詳しく教えてください。

棚橋 私たちは「お茶の間保育」というポリシーを掲げていて、家庭で我が子の世話を焼く時と同様に、壁をつくらずに子どもたち、親御さんたちと向き合っています。例えば職員室もカウンター式にして教室との境目をなくし、保育士と私たちの全員で子どもの面倒を見られるようにしているんです。親御さんたちともしっかりコミュニケーションを取り、まるで親戚の家に預けるような感覚で子どものお世話をお願いできる環境を整えています。また、子どもたちと保育士さんがいつも楽しく過ごしている様子を動画に収め、発信することも欠かしません。

鈴木 動画で園内の雰囲気を発信しているのは、外部の方にいつ中を見られても困ることのない、子どもたちに寄り添った保育を実現しているからこそ。やはり、「自分の子どもを、自分の働く保育園に預けたい」と胸を張って言えるようにしたいからなんです。おかげさまで、子どもたちは保護者さんが迎えに来ても「帰りたくない」と隠れてしまうことがあるほどなんですよ(笑)。

矢部 子どもたちや親御さん、働く方の全員にとって幸せな空間を実現されているのですね。そのために、日頃どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

棚橋 現場の私たちや保育士さんが、子どもたちと一緒に日常を楽しむことだと思います。子どもの純粋な心には、大人の感じている喜怒哀楽は伝わってしまいますからね。大人も子どもも飽きずに時間を過ごせるよう、十分な資金を使い豊富におもちゃを取り揃えているんですよ。また激務の印象も強い業界ですが、その点を解消するべく、職員には仕事を持ち帰ることも極力避けてもらっていますね。そのうえで私たちのぶんを減らし、代わりにしっかり給与を多く支払っています。私と鈴木は、生きていけるだけの報酬があれば十分なんです。

鈴木 保育園は、さまざまな税金が免除される学校法人や社会福祉法人で運営することが多いのですが、当園は合同会社のため、しっかりと経済を回して運営をしています。職員が行事の提案などで費用を気にすることもあるので、逆に私たちのほうから「遠慮しないでどんどんいこう」と挑戦を促しているんですよ。

子どもたちの笑顔が一番のやりがい

矢部 保育園の運営に欠かせないのは園児の安全だと思いますが、その点についてはいかがでしょうか?

棚橋 ご安心ください。もともと私は園バスの運転手。当時から安全には誰よりも気を配ってきました。当園は園バスを2台所有しているのですが、バスから降りる際の点呼や安全装置の設置、全席へのシートベルト設置などの対策を徹底し、「日本で一番安全な乗り物」になっていると自負しています。

矢部 それなら、保護者さんも心配せずに安心して我が子を送り出せますよ!最後に、今後のビジョンについてお聞かせください。
鈴木 現在当園では、「ヤマメを守る会」に参加して子どもと一緒に放流したり、最近は、キッチンカーを購入しイベントで地域を盛り上げたりと、さまざまな挑戦を計画しているところなんですよ。

棚橋 私たちが頑張れるのは、親御さんの安心されている姿、そして何より、元気よく飛びついてくる子どもたちの笑顔があるからなんです。それらを守り続けるためにも、今後は子ども食堂を運営したり、子育て支援の場を設けたりなど、活動の幅を広げる予定です。そうして地域の皆さんとつながって、元気で楽しい子育てを実現するためにどこまでも走り続けるつもりです!

GUEST COMMENT

矢部 美穂

私が訪れると笑顔で駆け寄ってくれた園児たちを見て、「まんまる保育園」さんの素晴らしさが一瞬で理解できました。それは、安全で楽しい保育を掲げる棚橋理事長・鈴木園長と、この理念に共感して集まった職員の方々のおかげ。理想の保育を実現したお二人には、ますますそのパワーを発揮して地域のために頑張っていただきたいですね。私も応援しています!

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