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注目企業インタビュー

スタッフを褒めてほしいとお願い

 働きやすい環境を整えつつ給料も満足できる会社にするというのは、簡単なことではありません。プレッシャーのようなものはありましたか?

平野 私自身は自分と仲間の技術に自信があったので、最初から仕事はどんどん受注できると信じていました。だから、大きな不安を感じることはなかったですね。もしかすると私より、実際に終日現場で汗を流す従業員のほうが、失敗できないというプレッシャーを感じていたかもしれません。

 全員で出した成果が、お仕事獲得につながっているということですね。社会に欠かせない土木工事のお仕事で、平野社長が最もやりがいを感じる瞬間はいつでしょうか?

平野 一番は、元請け企業様から当社の従業員に対して、お褒めの言葉をいただけた時ですね。ただ、現場で本当に頑張っているのは、従業員や協力会社の職人です。私がいただいた言葉は必ず職人へと伝えますが、それよりもじかに声をかけてもらえたほうが彼らもさらにやる気が出ますよね。だから、私は元請け企業様に「直接スタッフを褒めてやってください」とよくお願いしているんです。

 それは素晴らしい心遣いです。従業員さんと向き合ううえで、平野社長独自の方針などはありますか?

平野 やはりこの仕事に欠かせないのは、人との縁や礼儀などの人間くさい部分を大切にすることだと思っています。最近では、「ありがとう」という言葉がおろそかにされるケースも増えてきていますよね。もしそのような状況を見つければ、私はきちんと怒ります。そしてそれは、当たり前のことが当たり前にできる立派な職人を育てたいからなんです。

子ども食堂を開き児童を救いたい

 人との縁や道理を大切にされている平野社長。今後どのように事業拡大を目指されるのか、とても気になります。

平野 現状、当社の収益や従業員全体の給与は非常に安定していることもあり、無理に事業を広げるよりも、自分たちのできる範囲で仕事を増やすことを当面の目標にしています。横のつながりを大事にして、従業員や協力会社と共に成長を続けていきたいと考えていますね。

 それにしても、平野社長がそこまで人を大事にしようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

平野 それは父の影響が大きいと思います。父はすでに亡くなったのですが、お葬式の時も信じられないほど大勢の方が列席してくださいました。その光景を見た私はあらためて父が多くの方に慕われていたことを感じ、自分も同じように人に好かれる人間になろうと決めました。これからは、社会貢献にも力を入れてより仕事に励んでいけたらと思います。

 これは見逃せません。どのような活動に取り組まれるのですか?

平野 ゆくゆくは、子ども食堂を始めようと考えています。現代において、貧困で子どもが子どもの面倒を見る家庭の増加も珍しくありませんし、昔のように周りの大人が手を差し伸べることも少なくなりました。そんな時代だからこそ私は子ども食堂を通して、助けられる命を確実に救ってあげたいと思っています!

GUEST COMMENT

嶋 大輔

創業から1年も経たずして、見事な躍進を続ける(株)FLAT FIELDさん。平野社長の優しさや自信があるからこそ、多くの人を引きつけ、確かな結果を出すという見事な循環が生まれているのだと感じました。これからも人を重んじる精神を貫き、仙台の、そして東北の暮らしを支えていってください。私も全力で応援しています!

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