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注目企業インタビュー

代表取締役 齋藤 さをり
学生時代からソフトボールに打ち込み、社会人でも実業団選手として活躍。25歳で飲食店を開業し、約17年にわたり経営する。ふとしたきっかけで介護の世界に興味を抱くようになり、「世の中のためになりたい」と介護資格を取得。その後、大南氏との出会いを機に起業を決意し、(株)齋英会の立ち上げに至った。

取締役副社長 COO 大南 理英
小学生の頃から事業家を志し、社会人になるとアパレル業界へ進む。百貨店の販売員として働いていたところ、偶然訪れた齋藤氏の飲食店で同氏と知り合い、「この人は社長になる器だ」と直感的に感じたことから起業の話を持ち掛け、わずか1ヶ月で(株)齋英会を設立。斬新な発想力を生かし齋藤氏の歩みを力強く支えている。

株式会社 齋英会 / ソウルケアリバイバル
住所 〒534-0011
大阪府大阪市都島区高倉町1-5-23-401
URL https://saieikai0528.com/

大阪府大阪市で訪問介護事業所「ソウルケアリバイバル」を運営する(株)齋英会。理想の介護を実現するべく立ち上がった齋藤氏と、その歩みを後押しする大南氏の2人は、運命的な出会いからわずか数年で会社を大きく成長させてきた。性格も得意分野も違う――しかし絶妙なバランス感覚で互いに支え合っている2人の信念に、タレントの嶋大輔さんが迫った。


運命的出会いから2人で起業

 齋藤社長と大南副社長が、お二人で立ち上げられた(株)齋英会さん。まずは起業に至るまでの経緯から、じっくりお聞かせいただけますでしょうか?

齋藤 私は学生時代はソフトボールに打ち込み、全国大会で優勝してオリンピック選手を輩出するほどの強豪校で汗を流しました。社会人でも実業団に入ってしばらく競技を続けた後、25歳からは飲食店の経営を始めたんです。もともと独立心はあったので、「普通に会社員になるより向いていそうだな」と思って。

 アスリート生活から一転、経営者の道に進まれたのですね。飲食業界で起業されたとのことですが、介護の世界へ移られたきっかけは何だったのですか?

齋藤 一緒に飲食店の経営をしていた仲間のお母さんが認知症になられて、私もグループホームを訪れる機会がありましてね。その際に、スタッフの方の対応がどうにも乱雑に見えてしまって、「何か違うな、自分ならもっと別のやり方ができるのにな」と思ったんです。それで、飲食業とはまた違った形で人のお役に立ちたいという気持ちが高まり、介護資格を取得して登録ヘルパーとして働き始めました。最初は飲食店の経営と並行して介護の仕事もしていたのですが、だんだんと「会社の色に縛られずに自分でやりたい、でもノウハウがわからない」と思い悩むようになって···。

 そんな時に出会われたのが、大南副社長だった、というわけですね。

大南 はい。齋藤が経営していた飲食店を訪れた際に彼女と出会って、一目見た瞬間に「この人は偉大な方だ、社長になるべき器だ」と感じたんです。私自身もアパレル業界で長年勤めながら、ずっと自分で事業を立ち上げたいと考え続けていて、そんな矢先の出会いだったので、これは声を掛けるしかないな、と。そうして翌日にもう一度会って、そこで「一緒に事業をやりたい」と伝えました。すると齋藤も「やりたいと思っていた」と応じてくれて、その勢いのまま次の月にはこの会社を立ち上げたんです。

齋藤 大南に背中を押してもらえなかったら、もやもやしたものを抱えながらも現状維持から脱せずにいたと思うので、彼女には本当に感謝しています。導かれるような感覚でした。

 お話をうかがっていると、お二人の出会いには何か運命的なものを感じますね。実際にスタートされてみて、滑り出しは順調でしたか?

齋藤 前職からお客様を引き継ぐということはほとんどしなかったので、また一から開拓していかなければならず、苦労はありました。それでも、知り合いが集まってくれて6名体制でスタートできたことは幸いでしたし、そこから少しずつ規模を拡大していったんです。

大南 今では14名までスタッフが増え、売り上げも赤字を出すことなくずっと黒字続きですから、私の直感は間違っていませんでしたね(笑)。齋藤は、どんな仕事も誰より率先して引き受ける姿勢を見せてくれるので、私たちも全力でフォローしようと努力しています。

重度障がい者にも寄り添う介護を

 では、現在手がけられている事業について、ぜひ詳しくお聞かせください。

齋藤 当社では訪問介護事業所「ソウルケアリバイバル」を運営し、訪問介護、居宅介護、重度訪問介護、移動支援などを手がけております。その中でも、重い病気を抱えていたり、呼吸器を付けていたりして会話もまったくできないような方のための重度訪問介護に力を入れているんです。通常のコミュニケーションが難しくても、こちらから語りかけてご利用者様の表情などから反応を読み取り、最適な介護が行えるよう、一人ひとりに寄り添うことを心がけています。

大南 齋藤は心の底から優しく、人思いな人柄で、それが伝わっているのかご利用者様たちからの信頼も厚いんです。中には「齋藤さんがいい、齋藤さんでなければ任せられない」と強く希望される方もいらっしゃるほどで――私たちスタッフも彼女の背中を見ながら、日々勉強させてもらっています。

 頼りになるリーダーが先頭にいてくれると、スタッフさんたちもやる気になるでしょうね。

大南 ええ。実際にスタッフは皆「居心地も待遇も良くて働きやすい」と言ってくれますし、いつも力になってくれています。独立した者を除くと、創業時から1人も辞めずに続けてくれているんですよ。それも齋藤の人望が成せることだと思います。

齋藤 私自身は、リーダーとはいえ、ふんぞり返るようなことはしたくないと思っています。介護の仕事は、ご利用者様の状態次第で毎日内容が変わりますし、画一的なマニュアルがないからこそ、勉強を怠ってはいけないんです。常に「こういうやり方があるんだ」と発見をして、いろんな引き出しを持ちながら、それをスタッフたちに伝えていくのが、私の役目なのだと考えています。

 他人に優しく、自分に厳しく――齋藤社長は普通の人がなかなかできないような生き方をされています。誰かのためにそこまで努力できる原動力は、どのようにして培われたのでしょうか?

齋藤 やはり、ソフトボール選手時代に本気で努力をしていた経験が生かされているのだと思います。特に、高校での3年間は、全国優勝という大きな目標に向かってチーム全員で一丸となり、厳しい練習を耐え抜いてきたので、いざという時の“根性”というか、精神面に関してはそこで鍛えられましたね。今でも、へこみそうになった時には母校のグラウンドを訪れて、「ここで頑張っていたな、まだまだできるぞ」と自分を励ましているんですよ。

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