コラム

倒産寸前の豆腐屋を立て直す
「豆腐屋ブランディング」ストーリー
本書は、存続の危機に瀕していた実家の豆腐屋を復活させ、売上を約9倍にまで引き上げた著者が、その軌跡と戦略を語るブランディングの実践書です。
豆腐屋を取り巻く状況は、年々厳しさを増しています。全国に5万軒以上あった豆腐屋は、現在5000軒を割り込むほどに激減。差別化が困難な商材であるうえ、短い賞味期限が販路の拡大を阻み、際限のない値下げ競争にもさらされる。まさに“薄利多売”の典型ともいえるビジネス構造のなかで、店を畳まざるを得なくなった豆腐屋が後を絶ちません。
そうした逆境の中で著者が選んだのは、豆腐に“ブランド価値”を宿らせるという、業界の常識を覆す発想でした。地元産の原料にこだわり、その土地ならではの商品づくりを追求。卸に依存するビジネスモデルから脱却し、自社店舗と通信販売を育てることで、自社ならではの売り方を切り開きました。屋号の変更、パッケージデザインの統一、こだわりの店舗空間―こうした取り組みが、豆腐を“地域が誇る食材”へと変えていったのです。
本書には、著者が試行錯誤しながら築き上げた豆腐屋ブランディングの戦略が凝縮されています。地場産業を次世代へつなぎたい人や、地域を舞台にしたビジネスに挑戦する人に、具体的な手がかりを与えてくれる一冊です。
《著者Q&A》
■本書では、豆腐という“最弱商材”をどのようにブランド化してきたのかが語られています。経営においてブランディングは、どのような役割を果たすとお考えでしょうか?
ブランディングは、商品・サービスの価格向上に大きく貢献し、収益力の向上、ひいては経営の安定化につながります。
■本書のポイントや読みどころを教えてください。
どんなに苦しい状況でも、正しい現状分析、正しい戦略のもとに諦めずにやり続ければ、大抵のことはどうにかなる。そのことが伝わればと思います。
■自社の強みや差別化は、どのように見極めましたか?軸づくりに悩む経営者へのヒントがあればお聞かせください。
経営が苦しい段階では、地域特有の資源や文化に着目しながら、現状を数字で徹底的に分析して自社が強い領域(商品や販路など)を探していきました。ある程度経営が安定してくると、経営者自身の価値観や得意領域が、強みや差別化のポイントになってくると思います。
■この本を特にどのような方に読んでもらいたいとお考えですか?
商品・サービスの価格が上がらずに困っている地方の中小企業の経営者や、そうした方々をサポートする立場の方々のお役に立てるのではないかと思います。
■ブランディングに取り組むなら、まず何から始めるのがよいでしょうか?
相性のよいクリエイティブディレクターを見つけることです。単にデザインを手がけるだけでなく、経営的な視点で対話できる人が見つかると、大きな力になります。
■SNS時代のブランディングで、特に重要だと感じていることは何でしょうか?
何らかのカテゴリーで1番になることです。SNSの普及によって、1番と2番の差が極めて大きくなっているように感じています。
■経営者として、最も大切にしている価値観を教えてください。
信頼。個人も企業も、これに尽きると思います。信頼を得るために、常に誠実であり続けること、そして学び続けることを心がけています。
平川 大計(ひらかわ ひろかず)1971年、佐賀県武雄市生まれ。九州大学大学院修士2年のときに国家公務員試験に合格し、旧運輸省に入省。港湾局・航空局での勤務を経て、父親が経営していた(有)平川食品工業(現・(株)佐嘉平川屋)に入社。債務超過状態だった経営を、徹底的な分析を基に改善へと導く。通信販売を軌道に乗せ、実店舗を展開して認知度、ブランド力を高めて、独自のポジションを構築。2018年、グロービス経営大学院経営研究科経営専攻(MBA)修了。 発行:幻冬舎メディアコンサルティング URL https://www.gentosha-mc.com/ 発売:幻冬舎 URL https://www.gentosha.co.jp/ |
平川 大計(ひらかわ ひろかず)