一歩を踏み出したい人へ。挑戦する経営者の声を届けるメディア

Challenge+(チャレンジプラス)

コラム

BUSINESS CORE 株式会社 NaturalFlow 代表取締役 村上 雄一郎
知識・スキル・ノウハウ――ビジネスを円滑に進めるための要素はさまざまあるが、真の成功者はそのビジネスに取り組むうえでの“マインド”を持っているものだ。そんな視点に基づき、多種多様な業界で活躍する経営者の中でも、ビジネスの「核」となりうるマインドを持つ人物にスポットライトを当て、読者が仕事と向き合う際の新たな気付きとなるような情報を発信するコラム企画。



1.ビジネスEQ®で人材育成を支える

――(株)Natural Flowが手がける事業内容とは?
 
事業承継に向けた次世代リーダー人材育成事業や、プロゴルファーやトップアマ、ゴルフ好きの経営者のメンタルトレーニング事業を手がけています。メインは1on1のセッションです。10人規模から、大きなところだと500人くらいの規模の会社まで、経営幹部や次世代リーダー候補の人たちにリーダーシップをガイドしながら、悩みの解決にも寄り添っています。コーチングという言葉は最近少しずつ知られてきたものの、日本では実際に受けたことがある人は10人に1人くらいでしょうか。また、欧米だと経営者がメンターを置くことが一般的ですが、日本の場合はまだそこまで浸透していません。そうした中、当社ではカウンセリング、コーチング、マインドコンサルティング、ティーチングという4つのチャネルを使い分けるCCMTというメソッドを用いてセッションを行っています。コーチングは、自分の中に答えを持っている人や自発的に行動したい人などには有効ですが、会社から言われた仕事をやるだけという受け身の人には、それだけでは気付きが生まれにくい。そこで「あなたが経営者だったらどうしますか」「タイプの違う部下をどう育成しますか」と問いかけ、考え方の枠組みから整えていくんです。

――対象の状況に応じてCCMTを使い分けることがポイント?
 
重要なのが、「心の知能指数」と言われる「ビジネスEQ®」です。IQが論理的思考なら、ビジネスEQ®は気持ちの部分。ビジネスは“やる”という行動だけでなく、「やるぞ」という気持ちが伴ってこそ動き出します。ビジネスEQ®、つまりマインドの部分をコンサルティングすることが、当社の特徴ですね。相手の状況によってもアプローチは変わり、気持ちが沈んでいる時には質問をせず、話を待ちます。一方で、コーチングやマインドコンサルティングではこちらから問いを投げ、ティーチングでは具体的な知識や方法を伝える。相手に合わせてチャンネルを切り替えながら伴走しています。

2.挫折が転機となりコーチングの道へ

――村上社長がコーチングと出合ったきっかけは?
 
製薬会社で営業職をしていた頃のことです。管理職を務めていた当時、私は今でいう“パワハラ上司”で、チームマネジメントにつまずき、部下のいない部署へ異動になりました。いわゆる左遷で、その後、一営業マンに降格です。その時に「今までのやり方ではだめだ、何か学ばなくては」と模索し、出合ったのがコーチングでした。正直、当時の状況は本当につらく、会社に行くのも嫌になるくらいだったんです。そんな中でコーチングを受けたことで内省し、自分自身をうまくマネジメントできるようになりました。

――コーチングを学んで自身の変化を感じたことで、現在の道へ?
 
はい。コーチングに魅力を感じ、コーチに師事するようになりました。その後、コーチングを学んだ会社に入社し、企業の経営者や幹部の方々と向き合う機会を得て感じたのは「皆同じように悩んでいる」ということ。自分のやり方を教えるだけでは、人は動きません。「何か悩みはある?」と聞いても、「何もないです」と言われてセッションが始まることもあります。そんな状況から相手の強みや本音を見つけていく中で、本人も気付いていないような特徴や可能性が見えてくることも少なくないんです。企業の中で人が育つことで、会社自体が変わっていく瞬間も何度も見てきました。そこで「もっと企業の現場に深く関わりたい」と思い、2022年に独立して2025年に(株)Natural Flowを設立したんです。

3.多様性の時代に必要な“得意を見抜く力”

――働き方や価値観が変わる中で、今の時代に求められるリーダー像とは?
 
昭和の時代は、遅くまで飲みに付き合えることが、仕事ができる証のような空気もありましたよね。でも今は価値観が変わり、多様性という言葉も広く使われています。ただ、その多様性が何を意味するのかは、曖昧な部分も多いでしょう。結局のところ、重要なのは「この人は何が得意なのか」を見極めること。人には得意と不得意があり、例えば、締切管理や細かい作業が得意な人もいれば、新しい企画を考えるのが得意な人もいる。まずはその特長を見極めて任せることです。私自身は締切管理が苦手ですが(笑)、周囲に管理が得意な人がいれば、組織は回ります。ただし、最近よく聞く「自分らしさ」という言葉を勘違いしてしまうと、組織はうまくいきません。期限を守らないことまで「自分らしさ」で済ませてしまうと困りますからね。大事なのは、その人の特長がどこに生きるのかを見つけることです。そして、周囲ができていることをできない人がいれば、どこでつまずいているのかを見つけ、必要があれば教え導く。こうした“見抜く力”こそ、令和のリーダーには求められていると感じます。

4.愚痴を価値に変える思考が組織を変える

――2026年3月26日に発売となった村上社長の著書『部下がメキメキ伸びるリーダーはわざと“これ”をやっている』で、読者に伝えたいことは?
 
こちらが必要だと思っていることと、相手が必要だと思っていることにはズレがあります。そのズレに気付くことが大切です。何気ない会話の中で、日常の愚痴のような言葉が出てくることがありますよね。それが個人の観点なのか、組織を思っての意見なのかによって意味合いは変わるものの、実はその愚痴の中にこそ、次の成長のヒントが隠れていることが多い。愚痴が価値に変わる瞬間です。また、組織育成には段階があります。経営者は「自分が全部できるようにならなければ」と思いがちですが、必ずしもそうではありません。育成できる人を育てるというステージもあるので、自分がすべてを抱える必要はないのです。経営者や管理職が危機感や不安を抱くこと自体は大切で、その不安を次の行動につなげることさえできれば、視野が広がり、次のチャンスも見つけられるはずですよ。時代や状況に合わせて変化していけることも、リーダーシップの一つだと思います。今回の書籍が、そうした気付きのきっかけになれば嬉しいですね。

『部下がメキメキ伸びるリーダーはわざと“これ”をやっている』
村上 雄一郎

 
「自分にはリーダーの素質がない」と悩む必要はない。マネジメントがうまくいかないのは、センスや人柄の問題ではなく、現場で使える“思考のロジック”を知らないだけ。本書では、部下を成長させているリーダーが「なぜその言葉を選び、なぜその行動を取るのか」を、思考のフレームワークとして図解で解説。今の時代のリーダーに必要な“思考の型”を具体的に提示し、読んだその日から実践できるマネジメントのヒントを伝える一:パノラボ (2026/3/26)
 
株式会社 NaturalFlow
〒101-0021
東京都千代田区外神田6-15-4 2F Air-Era
https://natural-flow.biz/
発売:株式会社パノラボ
   
発行:株式会社フォーウェイ
発売:株式会社パノラボ
ご購入はamazonから

<< 株式会社 メンバーズ フォーアドカンパニー カンパニー社長 田中 秀和