コラム
人生100年時代と言われ、仕事でもプライベートでも、自分の夢や目標を達成するまでには長い時間が残されているように感じられる現代。しかし時間の有限性を意識せずにぼんやりと過ごしていると、時というものはあっという間に過ぎ去ってしまう――そんな着眼点から、時間をいかに有意義に使うかを助言しているのが、Time Craft Consultantの奥村哲次氏だ。当コラムでは、大病を乗り越え自らの決意と行動によって成功をつかんできた同氏から、ビジネスに必要不可欠な「マインドセット」について学んでいく。
はじめに
皆様、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。Time Craft Consulting株式会社ラフティの代表取締役、奥村哲次と申します。『COMPANY TANK』 2021年5月号で取材を受けたご縁で、今号からコラムの執筆をお任せいただくことになりました。
当コラムでは、経営者の皆様に役立つビジネスマインドセットを幅広くお届けしたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、34歳の時に精巣がんステージ4と診断され、生きることの真実を痛感しました。この経験から、ガンジーの「明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学べ」という言葉が心に深く響きました。その後、一人で起業し、売上もどんどん伸ばし、大手企業の仕事を多数受注するまでに至りました。また、18億円規模のプロジェクトコントローラーを3年間実施し、書籍「乗り越え力」も執筆しました。
現在では、IT事業だけでなく、SDGsに貢献するサーフ事業も開始し、世の中にインパクトを残そうとしています。時間の有限性を痛感し、その価値を最大限に生かすことが、私のビジネスと人生の指針となっています。
このコラムを通じて、皆様により良い未来を築くためのヒントやインスピレーションを提供できれば幸いです。時間は限られていますが、その中で何を成し遂げるかは無限の可能性を秘めています。共に成長し、夢を追い続けましょう。どうぞよろしくお願いいたします。
人生の転機と有限な時間の価値
先述の通り、私は34歳の時に精巣がんステージ4と診断され、限られた時間の中で生きることの真実を痛感しました。それまでもやりたいことを追い求めて生きていましたが、実際には全然やり遂げていないことに気付いたのです。この経験から、ガンジーの「明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学べ」という言葉が以前にも増して心に響くようになりました。28歳からIT業界に入り、エンジニアとして仕事をする中で、私はお客様の要望に応えるために120%のサービスを提供するという持論を持って取り組んできました。ITサービスは人間がつくり出すものであり、100%完璧なものは存在しません。バグや予期せぬ問題は必ず発生します。だから、初めから100%の要望で、100%通りサービスを提供しても、結局はバグや運用バグ、要件バグで80%の成果物となることが少なくありません。そのため、サービスの完成度を80%と見積もり、残りの20%を補うための追加サービスやサポートを提供することが重要です。例えば、運用ツールの追加や、運用しやすいドキュメントの提供などです。こうした取り組みが、お客様にとって価値のあるサービスと評価されるのです。このような考え方が評価され、大きなシステム開発のプロジェクトマネジャーとしての仕事を任されるようになりました。
しかし、がんを経験したことで、ますます時間の有限性を感じるようになりました。そこで、自分自身が経営者・社長の視点を持ちたいという思いが強まり、独立を意識するようになりました。あるお客様にそのことを相談すると、彼は「奥村さんならできる」と背中を押してくれたのです。これが私の起業に至る背景です。
独立と成長への挑戦
30歳の人事面談シートで「36歳までに社長になる」という夢を掲げていた私は、36歳になる前の35歳の1月にフリーランスとなり、5月29日には株式会社ラフティを創立しました。夢をかなえるとそれは通過点となり、次の夢へと進むことができます。この流れが人生を豊かにすると信じています。起業してからの3年間は、目標を掲げ、その達成に向けて全力で取り組みました。
結果として、1年目に600万円(フリーランス収入を含めると1100万円)、2年目に1500万円、3年目には3100万円と、事業を倍々に成長させることができました。この期間、私は「時間は有限である」という信念に基づいて働きました。時間の有限性を理解することは、人生において非常に重要なことです。現在、人生100年時代と言われていますが、それが長いと感じるかどうかは視点によるものです。
時間の有限性とその意味
私が考える時間の有限性とは、100年という時間がいかに短いものであるかを認識することです。地球の歴史は46億年、恐竜は1億6000万年、人間はわずか西暦2000年ほどの歴史しかありません。この広大な時間の流れの中で、人間の一生はほんの一瞬です。そのため、悩んだり、後悔したりする時間は非常にもったいないと感じます。私は精巣がんステージ4の診断を受けた時、2時間だけ泣きましたが、それ以上悩むことはせず、医者に任せることにしました。与えられた時間を有意義に過ごすことに集中することが重要です。
100年という時間は決して長くはありません。地球環境の破壊が進む中で、人間の存在はアリ以下のものであると感じます。だからこそ、私たちはどのように生きるべきかを真剣に考える必要があります。生まれた瞬間から、悩んだり、後悔したりする時間はありません。好奇心を爆発させ、興味があることを学び、やり遂げる達成感を楽しみたい。そして、次へ次へと進むことで、人生を豊かにしていきたいと考えています。このように、時間の有限性を理解し、悩むことなく前に進むことが、私の生き方の信念です。
今後のコラムの内容
このコラムを通じて、株式会社ラフティ代表の奥村哲次から、時間の有限性を認識し、その中で最大の成果を生む方法を学ぶことができます。私の経験から得たビジネスマインドセットや、120%のサービス提供の重要性についても深く掘り下げます。さらに、ビジネスの成功法を実践的に紹介するYouTubeチャンネル『ビジネスの極意を伝える ラフチャン』も配信中です。皆様のビジネス成長に役立つ具体的な戦略と心構えをお届けします。共に学び、成長しましょう。質問やご相談があれば、コラム内でできるかぎりお応えしたいので、お気軽にお問い合わせください。人間関係のマネジメントに悩んでいる経営者様やマネジャーの皆様に、少しでもお役に立てるコラムにしていきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。