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コラム

有備無憂 経営者のための法人保険講座 vol.4

 
こんにちは。保険代理店FP事務所を営むEver Side代表の八木照浩と申します。保険でお困りの方のためになる情報を、連載を通じてご紹介するこのコラム。今回は、経営者の皆さんにぜひご活用頂きたい医療保険のお話を致します。

法人でも医療保険に加入できる

成人になればほとんどの方が一度は検討したことがあるはずの医療保険。日本では平均寿命が年々高くなっており、2017年には男性が約80歳、女性が約87歳と過去最高を更新しました。老後のリスクに備えるために、医療保険のニーズはどんどん高まっていると言えます。
 
「医療保険は個人で入るもの」という認識が一般的。実際に、医療保険市場の加入者のほとんどが個人です。しかし、医療保険は法人でも加入することができます。実は、あまり知られていない加入方法があるのです。節税のために保険を検討したことがある経営者の方は多数いらっしゃるでしょう。しかし、法人の医療保険を利用するお話を聞いたことのある方は限られると思います。中小企業の経営者様が知っておくと必ず役に立つ情報なので、ぜひご注目ください!

法人での加入方法

法人での医療保険への加入方法をご説明します。まずは終身の医療保険で契約者=法人、被保険者=代表者や役員、受取人=法人という契約形態を取ります。保障期間は終身ですが、保険料の払込期間は5年や10年といった短期払込にすることがポイントです。払込期間後の解約返戻金をごく少額に抑えられる保険会社の医療保険では、この保険料を全額法人の経費で計上することが可能なのです!ごく少額とは医療日額に対して10倍、つまり入院1日1万円の医療保険に加入をした場合、払込期間後の解約返戻金が10万円程度に抑えられていれば、その額を経費にできるというわけです。個人で医療保険に加入する場合は、年末調整や確定申告で介護医療保険料控除という枠を使い所得を控除できますが、年間8万円以上の保険料支払で最大4万円の所得控除しかできません。保険料の全額を経費にするのと年間4万円の所得控除では、節税効果は比較するまでもありませんよね。

法人で加入する際の注意点

この方法を利用する時は、受取人を法人にしておくことが必須です。契約者を法人にしていても、受取人を個人にしておくと経費にできないからです。また、法人を受取人に設定している以上、万が一、被保険者の代表者や役員が入院や手術で給付金を受け取ることになっても、それは法人が受け取り、法人の収益に計上しなければならない点にも注意が必要です。そして、個人の治療費に充てる場合は、社会通念上認められる範囲 で行わなければなりません。個人で医療保険に加入している際に受け取る給付金は非課税なので、法人と個人で加入する医療保険の大きな相違は、この点にあると言えるでしょう。

保険の名義を個人に変更する

さて、ここまでの話では、いくら法人の経費にできると言っても、受け取る時も法人にしなければならないため、そこまでメリットを感じられないかもしれません。しかし、話はここからです!
 
終身の医療保険を短期(仮に10年とします)で払込を終えたとします。法人の経費として保険料を払い続ければ、10年後には払込を終えた保障が終身まである医療保険が手元に残ります。この時点では、この保険は法人のものです。しかし、仮にご勇退をされる時などに退職金と一緒にこの保険の名義を法人から個人に変更してしまえば、個人のものとなります。すると給付金も個人で、なおかつ非課税で受け取れるのです。しかも保険料の払込は終えているため、実質個人で保険料を負担しないまま、終身の医療保険を持つことができます(※1)。この方法は法人を持たない会社員はもちろん、上場企業などでは検討できない、まさに中小企業経営者だけが実践できる加入方法です。これを機にぜひ一度、加入をご検討してみてはいかがでしょうか(※2)。
 

※1 保険の名義変更をする場合、保険の価値は解約返戻金相当額で判断します。解約返戻金が10万円の医療保険を法人から個人に名義変更する場合、個人が10万円で法人から買い取る処理が必要です
 
※2 記事は2018年1月時点の税法上に基づく見解です。今後税法が改正し、上記の方法が認められなくなる可能性もありますのでご注意ください

■プロフィール
八木 照浩 Yagi Akihiro
Ever Side 八木照浩保険代理店FP事務所 代表
 
慶應義塾大学経済学部で国際金融論を専攻。卒業後は国内の生命保険会社で企業保険や個人保険の営業、法人リスクコンサルティングを行う。総合保険代理店に転職し、複数の生命保険会社の商品を手掛け、ノウハウを蓄積する。その後、培った知識と経験を活かすため独立を決意。生命保険に特化した総合保険代理店FP事務所Ever Sideを開業した。日本FP協会東京支部会員。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®(日本FP協会)、トータル・ライフ・コンサルタント(生保協会認定FP)、相続アドバイザー、コンプライアンス・オフィサー。 
 
■会社情報
Ever Side 八木照浩保険代理店FP事務所
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5-26-9 506
http://www.everside.life/

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