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コラム

有備無憂 経営者のための法人保険講座 vol.2

 

こんにちは。保険代理店FP事務所を営むEver Side代表の八木照浩と申します。保険でお困りの方のためになる情報を、連載を通じてご紹介するこのコラム。今回は法人保険の必要性についてのお話を致します。

法人保険加入で大切なものを守る

日本は他国と比較し、非常に高い生命保険加入率を誇る保険大国です。世帯に限ってみた場合、加入率は9割を超え、ほとんどの家庭が生命保険に加入しているのが現状です。よって、生命保険=個人保険という認識が強いですが、経営者向けの法人保険(企業保険)ももちろん存在します。ただ、こちらの加入率は個人の世帯加入率と比較するとまだまだ低く、認知されていないと言えるでしょう。
 
個人保険と法人保険に、なぜこれほど認知度の差があるのでしょうか。大きな原因は、加入するきっかけやタイミングの有無にあると考えられます。個人保険の場合、結婚や出産など、自分以外に守るべきものができたタイミングで「もしも自分に何かあった時のために」と考えて加入する方が多く、イメージしやすいのです。
 
しかし、会社には結婚も出産もありませんから、加入の必要性を感じるタイミングがなかなかありません。そのことが認知度や加入率の差につながっているのです。とはいえ、守るべきものという観点で見た場合、もちろん会社にも守るべきものはありますよね。経営を存続させ、従業員とその家族を守ることは、会社が果たすべき大切な役割です。結婚・出産など、新しい家族ができたことが個人保険加入の契機になるのなら、会社設立自体が法人保険加入の契機になってもおかしくはないのです。

社員や家族に借金を残さないために

中小企業経営者の皆様は、会社設立や運営に必要な資金を銀行から借り入れる際、配偶者を連帯保証人に据えるケースがあります。しかしそれは、「経営者に万が一のことがあれば、配偶者に借金だけを残してしまう危険がある」ことを意味します。社長が大黒柱として1人で会社を切り盛りしているようだと、他の誰かが経営を引き継ぐことは、容易にはできません。そのように替えが利かないからこそ、「借入金の返済が残っているのに経営存続は困難」という最悪のシチュエーションは回避しなければなりません。また、経営者の信用で借入が成り立っている場合、本人が亡くなって間もなく、銀行が返済を要求してくるケースもありますから、十分な用意が必要なのです。
 
そこで、経営者の皆様が最初に考慮すべきは、社員や家族に借金だけは残さぬよう、借入金を相殺できるだけの保障を有しておくことでしょう。ただし借入金と同額の保障を用意していれば安心という訳ではありません。生命保険で会社に入ってきた金額は会社の収入となりますので、黒字企業は法人税の支払いが発生することとなります。法人税を支払って残った金額で借入金返済ができるよう、いわゆる納税準備資金まで考慮する必要があるのです。
 
次にすべきは、固定費と運転資金を補填できるような備えです。会社が稼働し続け、そこで労働する会社員がいれば、必ず一定の固定費と運転資金が必要になります。もし社長が急な事故や病気によって退陣を余儀なくされ、後継者に代替わりした場合、それまでと同じ売上をすぐに達成することは難しいでしょう。だからこそ、後継者が独り立ちするまでの期間、赤字が続いたとしてもどうにか経営を存続させられるだけの資金を保険によって用意しておく必要があるのです。

万が一に備えた早めの対応を

よく「自分はまだ元気だから保険はいらない」とおっしゃる経営者の方がいます。しかし、一度大病を患うと、保険に加入できない場合や、加入できても保険料が上がるなど不利な条件が付く場合があります。元気とやる気に満ち溢れ、会社設立や設備投資のために大きな借入をした時こそ、保険について考える絶好の機会であると思います。

■プロフィール
八木 照浩 Yagi Akihiro
Ever Side 八木照浩保険代理店FP事務所 代表
 
慶應義塾大学経済学部で国際金融論を専攻。卒業後は国内の生命保険会社で企業保険や個人保険の営業、法人リスクコンサルティングを行う。総合保険代理店に転職し、複数の生命保険会社の商品を手掛け、ノウハウを蓄積する。その後、培った知識と経験を活かすため独立を決意。生命保険に特化した総合保険代理店FP事務所Ever Sideを開業した。日本FP協会東京支部会員。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®(日本FP協会)、トータル・ライフ・コンサルタント(生保協会認定FP)、相続アドバイザー、コンプライアンス・オフィサー。 
 
■会社情報
Ever Side 八木照浩保険代理店FP事務所
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5-26-9 506
http://www.everside.life/

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