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コラム

岡西佑奈 書と禅語
「明珠在掌」

 


私は、2012年に禅の修行をして以来、“禅”の言葉に感銘を受け、書にするようになりました。そこで、新連載「書と禅語」では、経営やビジネスに日々奮闘される皆様の心に響くような禅語を、書を通じてご紹介していきたいと思います。
 
さて、今回の言葉は「明珠在掌」。「みょうじゅたなごころにあり」と読み、自分の手のひらに明るい珠がある、という意味があります。明るい珠とは、「幸福」のこと。つまり、幸せはすでに自分の手の中にある、ということなのです。そこで今回の書は、“自分の中にあるもの”をイメージしながら、内へ内へと向かっていく丸みを意識して書いてみました。内に温かなエネルギーが集まっているかのような、やわらかな曲線を感じて頂ければ幸いです。
 
ちなみに、私は小さな頃、周りの人と自分を比べてしまうところがあったようで、そんな私に、母はいつも「あなたはあなたのままでいい」と言ってくれました。そして禅の修行に赴き、この「明珠在掌」という禅語を知ったとき、母が話していた言葉が自分の中で腑に落ちたのです。そうした思い入れもあって、私は禅語の中でこの言葉が一番好きになりました。
 
この言葉を突き詰めていくと、「こだわりや欲さえも捨て、あるがままの姿で生きなさい」という教えに行き着きます。自分の内にある幸せを信じ、大切にし続けること。そのことは、ビジネスや経営に励む皆様の中にも、きっと気付きをもたらしてくれるものと思います。

 

 

■プロフィール
岡西 佑奈 Okanishi Yuuna
 
幼い頃から、白い紙に滲み広がる墨の黒さ、“モノクローム”の世界に惹かれ、7歳から本格的に書に目覚める。書家・栃木春光に師事し、高校在学中に師範の免許を取得。水墨画においては関澤玉誠に師事する。書家として文字に命を吹き込み、アーティストとして独自のリズム感や心象を表現している。国内外受賞歴も多数。また、「子どもに命の大切さを伝えたい」という思いから、小学校での書道教室をボランティア活動として開催している。
 
■公式サイト
http://okanishi-yuuna.com/
■フェイスブック
https://www.facebook.com/YuunaArt/

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