注目企業インタビュー

ライフスタイル
農作業を通して、自然と人に出会う週末
心豊かに過ごせる“共創”のコミュニティ
利他の花咲く村
代表 阪上 好延
PROFILE
大阪府出身。34歳で税理士として独立して以降、仕事一筋の生活を送る。50歳を過ぎた頃から、自然の中で人と人が支え合い、精神的に豊かに生きる暮らしを志向するようになる。2007年に兵庫県の目高集落へ移住。「利他の花咲く村」を立ち上げ、「共創による共生」のコミュニティづくりに取り組んでいる。
COMPANY DATA
- 住所
- 〒679-5525
兵庫県佐用郡佐用町目高 - URL
- http://ritamura.jp/

インタビュアー 狩野 恵輔
狩野 農業やイベントを通じたコミュニティづくりに取り組まれている「利他の花咲く村」さん。まずは、阪上代表のこれまでの歩みについて教えてください。
阪上 私は34歳のときに大阪で税理士として独立して以来、仕事一筋の生活を送ってきました。ただ、60歳を過ぎた頃から、「この先は自然の中で、仲間と共に精神的に豊かな暮らしができたら」という思いが、次第に強くなっていったんです。そうした折に出合ったのが、目高という集落でした。
狩野 目高との出合いが、大きな転機になったのですね。
阪上 はい。初めて目高を訪れたとき、自然の美しさに心を奪われました。そこで2005年に土地と家屋を購入し、2007年には実際に移住しました。暮らし始めてみて、目高がいわゆる限界集落であることを知り、「自分の活動を通じて、この地域を元気にしたい」と考えるようになったんです。
狩野 「利他の花咲く村」という名称には、どのような思いが込められているのでしょうか?
阪上 これまでの人生を振り返る中で、競い合う社会よりも、共に創り合う社会のほうが、人は幸せになれると感じるようになりました。競争の先には争いが生まれやすいですが、共創の中からは思いやりや愛が育つ。この村では、一人ひとりが自分の個性を大切にしながら、「1人は仲間のために」「仲間はみんなのために」という気持ちで関わり合える関係を目指しています。そんな思いを形にしたのが、「利他の花咲く村」です。その理念を軸に、シャンソンと食のフェスティバルや自然散策会を開いたり、地域の方に向けた無料の税務相談会を行ったりしてきました。障がいのある子どもたちと地域の人が一緒に参加する音楽イベントも開催しましたね。
狩野 地域の活性化のために、さまざまな取り組みを続けてこられたのですね。現在は、どのような活動を中心にされているのですか?
阪上 今は米づくりが活動の中心です。田んぼは2反ほどで、規模としては決して大きくありませんが、現在は30人ほどのメンバーが関わっています。年会費を払っていただき、週末にこちらへ来て一緒に作業をする。収穫したお米は、みんなで分け合っています。
狩野 私も群馬県の田舎で育ったので、自然の素晴らしさはよくわかります。都会の忙しさから離れ、「ただ自然の中に身を置く」「誰かと一緒に作業をする」。そうした体験ができる場所は、今の時代にこそ求められていると感じます。
阪上 ありがとうございます。目高集落は、昔から景観の美しさで知られている場所です。訪れた皆さんには、自然の中で心豊かな時間を過ごしていただきたいですね。

狩野 では最後に、今後の展望についてお聞かせください。
阪上 この村の理念に共感してくれる人が現れ、いずれは後継して、関わってくれたら嬉しいです。私一代で終わらせるのではなく、思いが受け継がれていくことが理想です。ここで生まれた「共創による共生」という考え方が、誰かの人生や、次の場所へとつながっていけば、それ以上の喜びはありません。
