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Challenge+(チャレンジプラス)

注目企業インタビュー

家族の思い出から企業の重要情報まで
データ復旧のピンチヒッター

 

データに込められた人生を守る

T-岡田  お客さんはどのような方が多いのでしょうか?

渡邉 本当にさまざまで、個人の方から法人、士業の先生方まで幅広いですね。大阪でもここまでの復旧装置を備えているところはあまり多くないので、「もうここしか頼れない」と最後の砦のように来てくださる方もいます。料金は成果報酬型で、「データが取り出せなければ料金はいただきません」というシンプルな仕組みにしています。データ復旧って専門的すぎて、お客様からすると分かりにくくて不安になりやすいんですよね。だからこそ、安心して任せていただけるように、納得できる形を心がけています。

T-岡田  お話を聞いていると、個人のお客様も法人のお客様も「どうしても取り戻したいデータ」を抱えて相談に来られるのだと感じます。渡邉代表にとって、データ復旧の仕事の魅力はどこにありますか?

渡邉 やはり「替えのきかないものを扱う」という点です。パソコン修理をしていた頃は、「修理に5万円かかります」と伝えると、多くの方は「それなら新しいのを買います」となってしまう。でもデータはそうはいきません。小さなお子さんの成長記録、亡くなられたご家族との思い出、会社の重要なデータや契約書類・・・。それらはお金を出して買えるものではありませんよね。

T-岡田  確かに、パソコン本体なら買い替えで解決できますが、データは唯一無二の存在です。だからこそ、お客さんの強い思いがある。まさに人の人生や仕事そのものを扱う、大変意義深いお仕事だと思います。特に印象に残っている復旧事例はありますか?

渡邉 外付けハードディスクに家族の写真を保存されていた方がいて、「子どもの成長の思い出が詰まっているので、どうしても取り戻したい」と依頼されたことがありました。復旧に成功したときは本当に喜んでいただき、あの経験が「この仕事は多くの人に喜んでいただける」と確信させてくれました。
 

データ復旧のピンチヒッター

T-岡田  代打のことをピンチヒッターと呼びますが、「チャンスヒッター」とは言わないですよね。試合の流れを左右する場面で、「ここしかない」というタイミングで打席に立つのがピンチヒッターの役割なんです。失敗すれば流れを失い、成功すれば試合を決める。極限の緊張感の中で結果を出す――「Cosmo One」さんのお仕事はまさにデータ復旧におけるピンチヒッターだと感じました。では最後に、今後の展望についてお聞かせください。

渡邉 仕事がうまくいったときは、本当に体の中から力が湧いてくるような感覚があって、大きな喜びを感じます。特に「もう無理だと思っていたのに、復旧できて本当に助かりました」とお客様が笑顔で話してくださると、「この仕事を続けてきてよかった」と心から思えるんです。とはいえ、自分自身も年齢的にそろそろ次の世代へつなげていくことを考える時期にきています。もしこの仕事に興味を持ってくれる若い方がいれば、これまで積み上げてきた技術や経験を少しずつ受け継いでもらえたら、と願っています。

 
 

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