PROFILE

青森県出身。職人の父のもとで育ち、水回り設備工事を中心に技術を習得。仙台で飲食店を8店舗展開した後、新たな挑戦をするべく空間デザインを学ぶ。個人事業主として豊富な経験を積み、（株）SEVENSを設立した。清掃から片付け、庭メンテナンス、リフォーム、空き家管理まで幅広い事業を展開し、住まいに関する悩みをトータル的にサポートしている。

COMPANY DATA

インタビュアー 水野 裕子

水野　宮城県仙台市を拠点に幅広い事業を手がけられているという（株）SEVENSさん。まずは伊藤社長のこれまでの歩みを教えてください。

伊藤　私は職人の家に生まれ、父の仕事を手伝いながら自然と技術を覚えていきました。ただ若い頃は全然違う世界に挑みたくなり、飲食店を立ち上げて8店舗まで広げたんです。でもコロナで一気に経営が傾き、全部を失いました。そのときに「自分の手でしか生きていけない」と思い知らされ、知人の現場に飛び込んで一から修行をやり直しました。そこからは、とにかく仕事をいただくために頭を下げ、現場に出て必死で働き、なんとか会社を形にしてきました。

水野　飲食店経営者の経験を経て、職人の道に戻られたのですね。（株）SEVENSさんでは、幅広い事業を展開されているとうかがいました。

伊藤　ええ。最初は設備工事しかできませんでしたが、現場で「ついでにこれも頼めるか？」と声をかけられるたびに挑戦してきました。設備をやっているうちに住まい全体に関わるようになり、自分でも少しずつ興味が広がっていったんです。立ち上げ当初は本当に仕事がなくて、がむしゃらに自分たちの存在を売りまくりました。泥臭く走り回ってきただけですが、その積み重ねで今は清掃や庭木の手入れ、リフォーム、空き家管理まで任せていただけるようになりました。

水野　まさに住まいのプロフェッショナルというわけですね。着実に業容を広げていかれたバイタリティが素晴らしいです。

伊藤　ありがとうございます。ただ正直に言えば、格好いいことばかりではなく、失敗もたくさんしてきました。最近は内装工事に力を入れていますが、「仕上がりに納得いただけなければ1円もいただかない」とお伝えしています。そう言えるのは、自分たちが必死でやってきたからです。ありがたいことに返金は一度もなく、お客様に少しずつ評価していただけているのだと思います。

水野　それだけお客さんからの評価が高いのは、（株）SEVENSさんの技術力やデザイン力が優れているという証だと思います。従業員の方々と接する際には、日頃どのようなことを大切にされていますか？

伊藤　現場は1人では成り立ちません。だからこそ小さな違和感も見逃さず、何でも言い合える雰囲気を大事にしています。自分も含めて未熟な部分は多いですが、互いに指摘し合いながら少しずつ良くしていく。それが安全にも、仕事の質にもつながると思っています。

水野　従業員の方々が働きやすい職場をつくりたいという伊藤社長の思いが伝わってきます。今後の展望についてはいかがですか？

伊藤　私は器用ではありませんが、途中で投げ出さずに一歩ずつ積み重ねれば必ず道は開けると信じています。これからも地道に事業を広げ、海外にも挑戦していきたい。そして従業員が胸を張って家庭を築き、幸せに暮らせる会社を、一緒に汗を流しながらつくっていきたいと思っています。