注目企業インタビュー

スペシャリスト
元トップセールスがノウハウを惜しみなく伝授
ニーズを引き出しファンをつくる“売れる接客術”
Bizplusia(ビズプラシア)
代表 / 接客コンサルタント 藤川 麻美
PROFILE
福岡市の老舗百貨店・岩田屋本店で婦人服売り場を担当し、入社以来18年間トップセールスを維持。退職後は販売員の育成に乗り出し、その経験をもとに2017年に「Bizplusia(ビズプラシア)」を立ち上げる。現在は幅広い業種の企業研修やコンサルティングを手がけ、接客を通じて“売り上げと幸せを両立させる”支援を行っている。
COMPANY DATA
Bizplusia(ビズプラシア)
- 住所
- 〒816-0802
福岡県春日市 - URL
- https://bizplusia.com/

インタビュアー 石黒 彩
石黒 藤川代表は「Bizplusia(ビズプラシア)」という屋号のもと、福岡県を中心に“売り上げに直結する接客スキル”を提供されているそうですね。
藤川 はい、今年で9年目になります。もともとは福岡市内の老舗百貨店に入社し、18年間婦人服販売を担当していました。入社した年に社内コンクールで優勝し、その後もお客様に支えられ、退職するまで婦人部門でトップセールスを維持することができたんです。
石黒 18年にわたって第一線で販売を続けられたのですね。その後、研修事業を始められたきっかけは何だったのでしょうか?
藤川 一身上の都合で百貨店を退職した後、お客様から「接客をしてもらっても買い物が以前ほど楽しくない」「何を買ってよいかわからない」といった声をいただいたんです。そこで販売員を育成したいと思い立ち、百貨店に直談判して研修を始めました。最初は百貨店のみを対象にしていましたが、コロナ禍で研修が一時中断したことを機に個人向けのオンライン講座を開始し、商工会議所や一般企業からもお声掛けいただくようになりました。そこから活動の場が一気に広がっていったという流れです。
石黒 現場でのご経験をそのまま研修に生かされているのですね。ご自身が販売員として接客されていた時に、最も大切にされていたのはどんなことですか?
藤川 「何を買いに来たのか」ではなく「なぜ今日ここに来たのか」という背景をおうかがいすることです。お客様が気付いていない潜在的なニーズを会話から拾い出し、先回りしてご提案する――いわゆる“ファンをつくる接客”です。ブランドや商品の魅力を伝えるだけでなく、自分という人間を信頼していただけるように努めてきましたし、今はその経験を後進に教えながら、接客業・販売業の魅力や奥深さも伝えています。
石黒 確かに、そのような接客を受けると「またこの人にお願いしたい」と思いますね。実体験に基づいた研修だからこそ、参加される方々も腹落ちするのだと思います。講師として活動される中で、どのような場面でやりがいを感じますか?
藤川 最初に会った頃は未熟だった新人の方が、数年後にリーダーとして成長している姿を見る時ですね。「また研修を受けるのが楽しみでした」と言っていただけることもあり、その言葉に励まされています。人の成長に立ち会えるのが、この仕事の最大のやりがいです。
石黒 講師冥利に尽きる瞬間ですね。では、これからの展望についても教えていただけますか?
藤川 これまでも百貨店や小売業にとどまらず、商工会議所や建設業、不動産業などさまざまな企業様に研修を行ってきましたが、今後はさらに広く多様な業種にも「おもてなしの接遇マインド」と「人と人をつなぐコミュニケーション力」の大切さを届けていきたいと考えています。AIが進化している今だからこそ、最終的にお客様や社員の心を動かすのは“人”の力です。どんな職場でも活かせる“接遇力”という人間ならではの力を、これからも強化・発信していきたいと思っています。
石黒 藤川代表ご自身も、まだまだ挑戦を続けていくということですね。
藤川 はい。私には「ここが終点」という考えはありません。昨日より今日、今日より明日と少しずつ成長し続けたい。実はこれまで、石黒さんたちモーニング娘。の楽曲にも勇気をもらって歩んできました。これからも前向きに、出会う方々と一緒に成長を重ねていきたいと思っています。
