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失敗を見守り自ら立ち上がる力を育む<br />
利用者の自立を応援するグループホーム<br />

医療・福祉

失敗を見守り自ら立ち上がる力を育む
利用者の自立を応援するグループホーム

株式会社 イグラシア
代表 / 管理者 田渕 元

PROFILE

介護業界に10年以上携わる中で、同業種に勤める妻と「いつか自分たちが思う理想のグループホームをつくりたい」という目標を抱くように。やがて知人の紹介から、福岡県宇美町にあるグループホームを引き継ぎ、2024年6月に(株)イグラシアを設立。「潤いある人生をすべての人に」をコンセプトに掲げ、介護包括型グループホームの運営を手がけている。

COMPANY DATA

株式会社 イグラシア
【ブルーム桜原(男性棟)】

住所
〒 811-2109
福岡県糟屋郡宇美町桜原2-2-4

【ブルーム桐ヶ坂(1号館・2号館 / 女性棟)】

住所
〒 811-2129
福岡県糟屋郡宇美町神武原3-1-5
URL
https://www.j-igracia.com/

 

インタビュアー 石黒 彩

石黒 福岡県宇美町にて障がいのある方のための介護包括型グループホームを運営されている(株)イグラシアさん。まずは田渕代表のこれまでの歩みを教えてください。

田渕 私は、以前は介護職員として10年以上働いていました。しかし、会社の方針と自分のやりたいことが合わず思い悩んでいて、同業種に勤める妻と「いつか自分たちの思い描く理想のグループホームをつくろう」と話していたんです。そのタイミングで知人から事業承継のお話をいただき、現在手がけているグループホームを引き継ぎました。

石黒 十分にご経験を積まれ、ご自身のやりたかったグループホームの運営を実現されたのですね。具体的にどのような理想を反映されているのか、ぜひ教えてください。

田渕 例えば一般的な大手グループホームの場合、どうしても収益性の問題から、人員を割く場所を限定してしまうケースが少なくありません。しかし当社では、スタッフがやりたいと思ったことを話し合い、それが利用者の方に喜んでいただけることであれば積極的に実行に移すようにしているんです。私も常に現場に入り、「皆で決めていく」という雰囲気づくりをすることを意識していますね。

石黒 それは素晴らしい。利用者さんに寄り添う運営がしたいという田淵代表のお気持ちが伝わってきます。真剣に利用者さんのためを思う田渕代表のもとには、きっと同じ気持ちを共有するスタッフの方が集まっているのでしょう。

田渕 ええ。おかげさまで、ホーム内で困りごとができた際にはスタッフと共にすぐ解決案をまとめ、その場で意思決定をすることができています。また、行政手続きや通院など、利用者の方やご家族では対応が難しいことも、私たちでサポートできる体制を整えているんですよ。

石黒 なかなか対応できないことも率先して助けてくださるのですから、利用者さんもご家族も安心だと思います。利用者さんと接する際には、どのようなことを大切にされていますか?

田渕 最終的な目標は、利用者の方が社会の一員として参加できるようになったり、1人暮らしができるようになったりと、自立して人生を歩めるようになることです。利用者の方には失敗を経験することで、ご自身で立ち上がる力を身につけていただきたい――だからこそ、私たちが何でも先回りして手を差し伸べるのではなく、できるだけ見守り、本当に必要な時だけサポートするようにしています。そうして一緒に切磋琢磨を繰り返し、利用者の方が目の前の壁を克服できた時に、一番のやりがいを感じるんです。

石黒 私の祖母も、過保護にするのをやめると、むしろどんどん元気になっていきましたから、田渕代表のお考えにとても共感します。最後に、今後の運営について抱負をお聞かせください。

田渕 まだ女性棟に少し空きがあるので、地域のニーズにお応えしてこれを埋めつつ、スタッフ教育にも力を入れたいです。利用者の方にも働くスタッフにも、「ここに来てよかった」と思ってもらえるような会社にできたら嬉しいですね。そして最終的には介護業界にも進出し、子どもから高齢になるまで、利用者の方の人生に寄り添うことができたら幸いです。
 
 

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