注目企業インタビュー

卸・販売
大粒のぶどうで特別な感動を届ける
産直通販サイトのアワードでも入賞
ぶどう園さんすけ
代表 宮坂 功美
PROFILE
鳶や解体などの仕事を経て、消防局に入所。災害現場での救助活動に携わるほか、本部勤務も経験した。退職後の2021年に法人を設立し、2022年から就農。現在は「ぶどう園さんすけ」を経営し、一粒の大きさにこだわったぶどうづくりに取り組んでいる。
COMPANY DATA

- 住所
- 長野県松本市梓川
嶋 「ぶどう園さんすけ」の宮坂代表にお話をうかがいます。代表は意外なご経歴をお持ちだそうですね。
宮坂 はい。私は「人の役に立ちたい」という思いから消防局に入り、東日本大震災や御嶽山噴火災害、ヘリ墜落事故など、数々の厳しい災害現場に出動し、救助活動に全力で取り組んできました。その後は本部勤務も経験しました。
嶋 そこからどのような経緯で農業に関わるようになったのですか?
宮坂 私はもともと独立心が強く、組織に属するのではなく自分の裁量で動ける仕事をしたいという思いがありました。そこで、独立して会社を設立した際に、知人から農作業の手伝いを頼まれたんです。その際に農業の楽しさを知り、さらに、あるぶどう農家の方が後継者を探していると聞いたので、すぐに立候補しました。それが現在につながっています。
嶋 本当に人生はどこで転機が訪れるかわからないものですね。代表が育てたぶどうを拝見しましたが、その立派さには驚きました。
宮坂 当園では「ナガノパープル」「クイーンルージュ」「シャインマスカット」の3品種を生産しています。最大のこだわりは“一粒の大きさ”です。粒の数ではなくて、一粒一粒をしっかりと張りの感じられる大きさまで育てることで、全体のサイズを大きくしています。粒数が多いと栄養が分散してしまうため、一粒をしっかり育てることが重要なんです。
嶋 確かにかなりのインパクトでした。あんなぶどうをいただけたら感激ですよ。購入された方々からも嬉しい声が届いているのではないですか?
宮坂 はい。ありがたいことに「こんなぶどうは見たことない!」と多くの方から驚きと感動の声をいただいています。おかげさまで、大手ECサイト「食べチョク」が主催する「食べチョクアワード2024」の果物部門で入賞することもできました。私は3人の息子に愛情を注ぐように、ぶどうにも愛情を注いでいます。その思いが報われたことは非常に嬉しく、誇らしい気持ちです。

嶋 ホームページやInstagramには、お子さんたちがお手伝いしている写真も投稿されていて、温かい雰囲気が伝わってきます。
宮坂 ありがとうございます。子どもたちには「かっこいい農業」「稼げる農業」を見せたいと思っています。まずはそれを私自身が体現することで、日本の「農業=きつい・儲からない」というイメージを少しでも変えたいんです。さらに将来的には、引きこもりの若者や子どもたちが通える居場所をつくりたいと考えています。農業体験や交流の場を通じて、子どもたちが明るい未来に歩んでいけるきっかけを提供できればと思っているんです。そのためにも、まずはぶどう園を成長させ、盤石な経営基盤を築いていくつもりです。



GUEST COMMENT
嶋 大輔
宮坂代表が「自分で決め、自分で責任を負う」という環境に大きなやりがいを感じていらっしゃることがお話から伝わってきました。異業種からの転身だからこそ、既存の慣習に縛られず、新しい発想で農業に挑まれている姿もとても印象的。これからも、思いのこもったおいしいぶどうを、多くの方に届けてくださいね。