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注目企業インタビュー

農業の魅力と楽しさを次世代に伝える<br />
土づくりからこだわる「ネギの達人」<br />

卸・販売

農業の魅力と楽しさを次世代に伝える
土づくりからこだわる「ネギの達人」

酒井農場
代表 酒井 寛幸

PROFILE

苗木の生産販売を営む家に生まれ、大学卒業後は別の農家で経験を積む。一度実家に戻るも、後継者である兄とは異なる道に進むことを決意。農業学校に通い直し、成長過程が樹木の苗木と似ていて、1年中収穫が見込める「ネギ」に目を付け、「酒井農場」を立ち上げた。

COMPANY DATA

酒井農場

住所
〒315-0019
茨城県石岡市栄松14108-2
URL
https://www.sakainojyo.com


 

 茨城県石岡市にてネギの生産をされているという「酒井農場」さん。まずは、酒井代表の歩みから教えてください。

土づくりからこだわり、さまざまな工夫を取り入れたネギ。じっくりと丁寧に育てているからこそ、収穫した時の喜びもひとしおだ

酒井 実家が苗木の生産農家なんですが、大学卒業後は別の農家で経験を積みました。その後、農業学校に通い直して当農場を立ち上げたんです。

 農業といってもさまざまある中で、ネギに着目されたのはなぜでしょうか?

酒井 ネギは植えてから収穫まで8ヶ月~1年ほどかかるのですが、じっくりと育てていくという点が、実家で行っている苗木の生産と似ていたからです。また、時期をずらしながら栽培すれば、1年中収穫できるというのも魅力でした。

 なるほど。勝手がわかっていたとはいえ、最初はご苦労も多かったのでは?

酒井 そうですね。初期投資をしてから収穫が半年以上先ですので、当初は収入がなく大変でした。ですが、2〜3年目くらいからは順調で、開業して今年で12年目になります。農協メインだった販路も、自分で広げられるようになってからはより楽しくなりましたね。

 それでは、「酒井農場」さんならではのこだわりも教えてください。

酒井 当農場では土づくりにこだわっています。化成肥料を使うと「えぐみ」が発生してしまうため、ほぼ100%の割合で有機肥料を使用しているんです。漢方を原料にした堆肥も取り入れ、良い微生物が入るように工夫しながら栽培しています。さらに、甘み・旨みが感じられるようアミノ酸も入れているんですよ。

 聞けば聞くほど奥が深いです。手間暇かけてつくっているからこそ、おいしく食べてもらいたいものですよね。

酒井 はい、つくった野菜を「おいしい!」と言って食べてもらえるのが、この仕事の一番のやりがいです。また、その喜びを若い人たちにも知っていただき、農業を仕事にしたいという人を増やしていけたらと考えています。

 やはり、農業の人手不足の問題は深刻ですよね。

酒井 ええ。比較的農家が多い地域ではあるものの、新規で農業を始める方は少ないですね。私も実家は農家ではありますが、野菜栽培という意味では一からのスタートでした。だからこそ、農業を仕事にしたいという人を応援し、この地域に貢献したいと考えています。

 では最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

酒井 今後はネギだけではなく、他の野菜の栽培にも力を入れていきたいと思っています。そうして、少しずつ規模を拡大していきたいですね。

 

GUEST COMMENT

嶋 大輔

土づくりから収穫までじっくりと時間をかけ、まるで子どもを育てるかのようにネギづくりをされている酒井代表。代表自身も楽しみながら農業をされていることが伝わってきました。ぜひ、その楽しさを若い方たちにも伝え、農業の未来を担う人材を育てていってください!

 
 

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