注目企業インタビュー

製造・技術
多種多様な産業のモノづくりを支える
セラミックヒータの開発に尽力する
東横材料応用 合同会社
代表 松井 真備人
PROFILE
神奈川県出身。大学卒業後は日産自動車組立生産技術として米国・メキシコ・韓国への新製品移管、インドネシア新工場立上げに従事。退職後は日本のモノづくり指導者として2011年中国建機会社の招請を受け中国へ渡航。日系企業の中国拠点の品質・生産効率改善にも携わる。2024年セラミックヒータのグローバル製造供給体制確立を目指し東横材料応用(同)を設立。
COMPANY DATA
- 住所
- 〒246-0025
神奈川県横浜市瀬谷区阿久和西2-25-2 - URL
- https://tyma.co.jp/

名高 セラミックヒータの開発・製造・販売を手掛ける東横材料応用(同)さん。松井代表のご経歴からお聞かせください。
松井 私は日産自動車(株)で組立生産技術として工程改善・品質管理の仕事に携わり、米国やメキシコ、韓国への製造移管の仕事をしてきました。またインドネシア新工場立上げという大プロジェクトにも参画しました。退職後、中国建機会社から「日本のモノづくりを教えてほしい」とお誘いいただいたのを機に2011年から現地で工程改善や品質管理の指導に取組むようになったんです。また中国の日系企業からも生産工場の効率化改善を依頼され「5S」「QCDS」と言った日本のモノづくり管理手法で本社も驚く生産効率を形にしてきました。
名高 素晴らしいキャリアです。日本で の起業に至った経緯については?
松井 近年の世界情勢から中国からの輸出入が不安定になってきました。そこで、 日本国内に拠点を構え、日本のモノづくりで中国工場と連携して安定的に供給できる仕組みを整えようと考えたんです。それが当社のスタートでした。
名高 では改めて、御社の事業について 詳しく教えてください。
松井 当社では主に工業用セラミックヒータの製造・販売を行っています。例えば、温水器に使われるセラミックヒータや厚膜・フィルムヒータ、オゾン発生片など用途や顧客ニーズに合わせた製品を提案しています。設計から試作、量産まで一貫対応できるのが強みですね。
名高 ホームページを拝見しましたが、非常にバリエーション豊かな製品群ですね。
松井 ありがとうございます。家電・自動車・半導体製造・医療機器など、加熱技術が必要とされるさまざまな業界に対応しています。なかでも注力しているのが「オーダーメイド製品」の開発です。「こういう形状で、こういう温度帯で」といった細かい仕様にも対応できる体制を整えており、大手メーカーでは難しい細かなニーズにもお応えできます。
名高 中小企業ならではの柔軟性ですね。また、海外生産拠点もあるとのこと。
松井 はい。中国に提携工場(親)があり、日本のモノづくりを徹底的に教育しています。そのため、品質は日本製と遜色なく、それでいてお値打ち価格で提供しています。「日本品質をリーズナブルに」。これが私たちの提供価値です。

名高 今後は、国内の町工場との連携も視野に入れているとか。
松井 はい。私は、日本のモノづくりを支えているのは中小・町工場の技術力だと考えています。こうした現場と手を取り合いながら、国内外の製造ネットワー クを強化していくことで、日本経済の下支えにも貢献したいと思っています。まずは、より多くの企業に当社の技術と対応力を知っていただくこと。そして将来的には、世界中に日本のモノづくりの価値をもっと広げていきたいです。国境を越えて技術を共有し、皆が豊かに暮らせる世界を目指したいですね。


GUEST COMMENT
名高 達男
世界を舞台に培われた経験と現場改善の実績をもとに、今もなお「日本のモノづくり」に情熱を注ぎ続ける松井代表の姿勢に、深い感銘を受けました。高品質かつコストパフォーマンスに優れた製品づくりと、町工場との共創による技術継承は、まさにこれからの製造業の理想形ではないでしょうか。