注目企業インタビュー
心に寄り添い、思い出の品の供養まで行う
細やかな配慮で信頼を集める遺品整理会社
心に寄り添い遺品の供養を行う
嶋 私も以前、妻の家族の遺品整理を経験しました。思い出の品を前にするとどうしても捨てられず、なかなか作業が進まないものですよね。遺品整理はまさに「心のキャッチボール」だと思いました。
原田 嶋さんがおっしゃる通りです。日本人は人情深く、思い入れのある物や贈られた物を捨てるのは罰当たりだと考えるため、“不用品”となかなか割り切れません。そこで、当社では僧侶の方と提携し、遺品をお焚き上げ・供養するサービスを提供しております。人形や衣服、箪笥、万年筆など大切にされてきた品々を、感謝を込めて供養し、「御供養証明書」をお渡しするのです。そうすることで「捨てる」ではなく「手放す」という意識を持ち、お客様が前へ進むきっかけになればと思っています。
嶋 とても意義深いお取り組みだと思います。遺品整理は、残された家族が次の一歩を踏み出すための大切なプロセスでもありますからね。
原田 そう言っていただけると嬉しいです。ただ片付けるだけなら他の業者でもできます。しかし本当に必要なのは、お客様の心情を理解し、その方に合ったご提案をすることです。当社は清掃やリフォーム、特殊清掃まで幅広く対応できる体制を整えていますが、それはすべて「お客様にとって最善のサポートをしたい」という思いからなんです。
嶋 最近は、費用をなるべく抑えるために合い見積もりをするお客さんも増えていますよね。でも、大切な遺品をお任せすると考えると、価格うんぬんよりも原田社長のような信頼できる方にお願いすることのほうが重要だと感じます。
原田 ありがとうございます。とは言え、私は「合い見積もり」自体は歓迎しています。他社と比べていただいたうえで、「どうしてこの金額になるのか」「なぜこの作業が必要なのか」を私からしっかりご説明させていただき、「やはり原田さんにお願いしたい」とご納得いただくことが、一番の信頼につながりますから。
遺品整理の“前段”と“後段”も支える
嶋 ここまでお話をうかがい、原田社長が“片付けのその先”まで責任を持っていらっしゃることがよくわかりました。これからの展開も楽しみです。
原田 この先、高齢化が進むにつれ、空き家やお墓の問題が避けられなくなります。そこで私は2030年頃までに冷暖房完備で誰もが気軽に手を合わせられる「室内型納骨堂」をつくりたいと考えています。永代供養や法要をリーズナブルに行い、命日の管理や僧侶の手配、遺影のデジタル保存までサポートする――そんな、若い世代にも受け入れられる新しい供養の形を提案していきたいんです。
嶋 それは素晴らしい。屋外のお墓に通うのが難しい人にとっても、安心できる選択肢になりそうです。
原田 また、司法書士などの専門家と連携し、相続や遺言書作成のサポートにも取り組みたいです。例えば「相続したくない事情がある場合の遺言の書き方」や「兄弟間の争いを防ぐ工夫」など、事前に準備することで残されたご家族の負担を減らせます。遺品整理の“前段”から“後段”まで一気通貫で支えられる体制を整えられれば理想的ですね。
嶋 では最後に、会社のビジョンについても力強く語ってください。
原田 私たちの理念は「挑戦・社会貢献・孤独死ゼロ」。誰にも看取られずに時間が経ってしまう状況を少しでも減らすために、地域と連携しながらこれからも見守りと早期対応のネットワークを広げていきたいと思います。一件一件のご縁に全力で応え、積み重ねていくことが、社会の安心につながると信じています。

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GUEST COMMENT
嶋 大輔
原田社長のお話をうかがい、遺品整理という仕事が単なる片付けではなく、ご遺族の「心の整理」まで支えていることを改めて実感しました。大切な品々を供養し、「処分」ではなく「感謝を込めて手放す」形に変えていく取り組みは、ご遺族が前に進むための大切な一歩につながると思います。今後も信頼できる仲間を増やし、さらに飛躍されることを期待しています!