注目企業インタビュー

卸・販売
効率と品質を両立させるスマート畜産
伝統を守りつつ未来を切り開く3代目の挑戦
株式会社 及川牧場
代表取締役 及川 貴寛
PROFILE
北海道富良野市生まれ。アルペンスキー選手として数々の大会で活躍するも、2014年にケガをきっかけに引退。その後、実家が営む牧場に戻り3代目代表取締役に就任する。徹底した牛の体調管理と、搾乳ロボットの導入や自給飼料の強化で乳量全国トップクラスを実現。現在は畜産・農業・宿泊と多角的な事業を展開している。
COMPANY DATA
株式会社 及川牧場
- 住所
- 〒076-0043
北海道富良野市南大沼364 - URL
- https://oikawabokujo.com
スキー選手から牧場経営者へ

インタビュアー 矢部 美穂
矢部 (株)及川牧場を運営している及川社長は、もともとアルペンスキーの選手として活躍されていたそうですね。
及川 はい。ナショナルチームに所属し、世界を目指して競技を続けていました。しかし2014年、ソチ五輪の選考レースで大ケガをしてしまい、引退を決意したんです。
矢部 競技人生を終えた直後に牧場を継ぐ決心をされたのですか?
及川 当初は「とりあえず働きながら自分の将来を考えよう」と思っていただけでした。でも実際に牧場の仕事に携わるうちに、おもしろいと感じるようになりまして。命を預かる責任の重さと同時に、育て方から売り方まで自分次第という奥深さに引かれました。
矢部 現在は3代目とのことですが、牧場は創業から何年くらいになるのでしょう?
及川 50年以上になります。祖父の代から始まり、父が事業を拡大しました。私は慎重な性格なものの、「まずやってみてダメならダメでいい」とも考えているんです。競技の世界でも一瞬の判断で結果が決まるように、牧場経営でも時代に合わせた思い切った挑戦が求められると感じています。
矢部 アスリートの経験が、経営者としての姿勢につながっているのですね。
及川 そうかもしれません。現場で働く従業員や牛たちに常に目を配りながら、未来を見据えた選択をする――そのバランス感覚を大事にしています。牧場の伝統を守りつつ自分の代でさらに成長させることが、私の使命です。
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