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注目企業インタビュー

若手の育成に注力し技術を次世代へつなぐ<br />
産業の命綱を担うバルブ整備のエキスパート<br />

製造・技術

若手の育成に注力し技術を次世代へつなぐ
産業の命綱を担うバルブ整備のエキスパート

扶桑ソリューションズ 株式会社
代表取締役 森本 将生

PROFILE

23歳で計装業界に進み、バルブ整備の現場、営業、マネジャーとして活躍する。その後、独自の技術者集団をつくろうと決意し、2024年8月に扶桑ソリューションズ(株)を創業。以来、バルブ整備のエキスパートとして、日本産業を陰で支えている。

COMPANY DATA

扶桑ソリューションズ 株式会社

住所
〒731-3351
広島県広島市安佐北区安佐町毛木591-1
URL
https://fuso-sol.co.jp


 

 扶桑ソリューションズ(株)の森本社長にお話をうかがいます。まずは、起業のきっかけを教えていただけますか?

森本 23歳で計装業界の企業に入社して、現場や営業を経て、マネジャーに昇進しました。やがて、自分の手で若い職人を育てて技術者集団をつくろうと決意し、17年勤めた会社を退職して2024年8月に当社を創業したんです。私たちの役目は、工場やプラントの設備に取り付けられているバルブの整備。バルブに急なトラブルが発生すると、稼働中の工場を止めなければなりません。このような事態を回避するために、定期的なメンテナンスが必要なんですよ。

 私たちが日常生活で目にすることはなかなかないと思いますが、とても重要なお仕事ですね。繊細な技術が求められるのではないですか?

森本 ええ。私たちの業務には機械整備や電気工事など、さまざまな分野の知識と技術が必要で、バルブの分解・検査・組み立てといった工程を完璧にこなさなければなりません。そこで、切断・溶接・洗浄などを行うための最新設備を積極的に導入しています。設備投資のコストはかかるものの、生産性が格段に上がり、受注も順調に増えているところです。

 それは素晴らしいですね。スタッフさんの陣容についてはいかがでしょう?

森本 現在、事務職を含めて6名で、技術者には19歳の若いスタッフもいます。人手不足に苦しむこの業界の中では、平均年齢がかなり低いんですよ。また、当社では優秀な技術者を育てるため、電気工事士などの資格取得を全力でサポートしていまして、前回の試験でも1人が合格してくれました。

 若い職人さんを育てるという、創業時の理念を体現されているのですね。

森本 はい。バルブの整備は失敗が許されないので、細かいチェックリストやルールをつくり、作業の一つひとつに私が厳しく目を光らせています。私も若い頃はミスを繰り返し、整備の後はバルブがうまく動いてくれるかどうか心配で、眠れなくなることがよくありました。ですから今は、可能な限りミスを減らすために機械化を進め、1人で現場を回せるようにする育成プログラムを開発中です。

 スタッフさんの働きやすさも意識されている森本社長。今後の展望はいかがでしょうか?

森本 バルブ整備の仕事を、スタッフは皆「やってみたらおもしろかった」と言ってくれるんです。スタッフのおかげで当社は、ご紹介を中心に中国5県や九州の企業から発注をいただけています。責任感を持って仕事をして、楽しむ時はみんなで楽しむ。そして、売り上げはしっかりとスタッフに還元できる体制を整えて、今後は全国の工業地帯に拠点を置くことが目標です。そのためにも、若い人材を育てて、次の世代に技術を継承していきます!

 

GUEST COMMENT

嶋 大輔

お話をうかがって、バルブ整備というお仕事は、私たちの暮らしを陰で支えてくださっているということがよくわかりました。豊富な実績と作業のクオリティの高さ、高い志を持つ森本社長。ぜひこれからも、縁の下の力持ちとして、日本の産業をサポートし続けてくださいね。私も応援しています!