注目企業インタビュー

サービス
ドライバーからロイヤリティを取らず
常に顧客の立場に寄り添う軽貨物運送
株式会社 QSB
代表取締役 全 松濱
PROFILE
中国出身。家計を支えるため高校卒業後は地元で働く。2001年に日本の大学へ留学。(株)ユニクロと(株)良品計画(無印良品)に勤務する。独立のため2023年に退職し、軽貨物運送のドライバーに。就職して経験を積み、2025年3月に(株)QSBを設立した。
COMPANY DATA

- 住所
- 〒 120-0041
東京都足立区千住元町35-1
リビオ北千住412 - URL
- https://www.qsb.co.jp/
石黒 東京都足立区を拠点に軽貨物運送業を手がけていらっしゃる(株)QSBさん。まずは、全社長のこれまでの歩みを教えてください。
全 中国の貧しい家庭に生まれた私は、家計を支えるため高校卒業後すぐに地元で就職しました。ただ学歴社会ということもあり苦労を強いられ、「やはり大学に行くしかない」と決意したんです。当時の中国では働きながら学校に通えなかったため、日中間の架け橋になろうという思いを持って日本に留学し、さまざまなアルバイトと勉強を両立させました。その後はユニクロでの勤務を経て、2020年からは無印良品に移って経験を積んだのですが、さらなる挑戦をしようと決意し、退職することにしたんです。
石黒 懸命に挑戦を続けてこられたのですね。そこから、どのようにして軽貨物運送業の道へ進まれたのですか?
全 コロナ禍で物流業界が注目されていたことで、「ラストワンマイル」というキーワードが頭の中に残っていたんです。軽貨物運送業は社会を支える重要な役割を担う仕事だと感じた私は、17社の面接を受けて最後の会社にお世話になりました。そしてドライバーとして腕を磨いた後、2025年3月に当社を設立したんです。現在はAmazonと直接契約を結び、軽貨物運送を手がけています。
石黒 素晴らしい思いを持って事業を始められた全社長。事業展開するうえで、どのような点を大切にされていますか?
全 軽貨物運送の業界では、ドライバーの報酬が中抜きされ、本来あるべき金額を受け取れないというケースが珍しくありません。だからこそ、当社ではできる限りドライバーの皆に幸せを感じてもらいたいと願い、そうしたロイヤリティを一切取っていないんです。また、将来独立したいという従業員がいればそのサポートもできる体制を整えています。
石黒 お話をうかがい、他者のために何かしてあげたいという全社長のお人柄が伝わってきます。
全 ありがとうございます。とにかく相手の立場に立って物事を考える、ということを従業員にも伝えています。「自分がお客様の立場ならどういう対応をしてもらえたら嬉しいのか」を考え、常に相手に寄り添ったサービスを追求するというのが、当社の理念なんです。お客様の笑顔が見たい――そうした思いで日々汗を流していると、お客様からコーヒーなどをいただけることもあるんですよ。思いが届いたことがわかり、大きなやりがいを感じますね。
石黒 ドライバーさんとお客さん、双方の幸せを考えていらっしゃるのですね。今後についてはいかがですか?
全 2025年中には従業員数を35名まで、2年後には300名まで増やし、一都三県をカバーしたいと考えています。そしてゆくゆくは、関西圏にも裾野を広げていけたら嬉しいですね。

GUEST COMMENT
石黒 彩
お客さんに寄り添える笑顔のドライバーさんに荷物を届けていただけると、配達を待っている時間まで楽しくなってくるもの。軽貨物運送の業界に一石を投じ、業界を改革しようと挑戦する全社長は、人のために努力できるとても魅力的な方でした。今後も社長のご活動を応援しています!