注目企業インタビュー

卸・販売
伝統と革新を融合させた商品づくりで
「津軽塗り」の未来を次世代へつなぐ
津軽燈LAB
代表取締役 高橋 武敏
PROFILE
1971年、青森県弘前市出身。高校卒業後に上京し、スーパー勤務等を経て帰郷。地元でアパレルショップを経営後、電気工事業に転身。2019年、伝統工芸である津軽塗りを現代のライフスタイルに合わせた新商品として展開する「津軽燈LAB」を設立。ワークショップ開催や海外展開も視野に入れ、伝統工芸の新たな可能性を国内外へ発信している。
COMPANY DATA
津軽燈LAB
- 住所
- 〒036-1206
青森県弘前市楢木用田232-1 - URL
- https://tsugaru-akarilab.jimdofree.com/
コンセントプレートに津軽塗り

インタビュアー 畑山 隆則
畑山 「津軽燈LAB」さんは、津軽の伝統工芸を取り入れた製品を手がけていらっしゃるそうですね。青森出身ですから非常に興味があります。まずは創業の経緯からお聞かせください。
高橋 私はかつてアパレルショップを営み、結婚を機に妻の実家の電気工事会社を手伝うようになりました。新築やリフォーム工事を手がける中で、ある時「和室に白いコンセントプレートを取り付けるのは何か嫌だな」と違和感を覚えましてね。それが、すべての始まりでした。
畑山 おもしろい着眼点ですね!そこからどのようにアイデアが広がっていったのでしょうか?
高橋 「地元の技術でなにかできないか」と考えた私は、津軽塗り職人の友人に「このプレートに津軽塗りを施せないか」と相談しました。すると想像以上の出来映えに仕上がったので、そこからいろいろな商品の開発・販売に乗り出したんです。津軽塗りといえば箸や椀が一般的ですが、私は、自分がほしいと思う物に塗ってみたい気持ちがありました。そこで、その職人と一点物の製作を始めたんです。
畑山 ご自身のアイデアとご友人との縁がつながって、新しい道が開けたのですね。当時の反響はいかがでしたか?
高橋 最初は1枚2枚と少しずつでしたが、スイッチカバーをリビングや寝室に取り付けたお客様が「洗面所もお願いしたい」といった具合に、リピーターになってくださることが増えていきました。おかげさまで、立ち上げから5年以上も事業を継続できています。
自分でつくれる、研ぎ出しキット
畑山 現在は、スイッチカバー以外にどんなアイテムを販売されているのでしょうか?
高橋 津軽塗りのお箸やマグネット、タンブラーなど、小物類を中心に展開しています。一点物では、アタッシュケースなどのオーダー品を手がけてきました。特に印象深いのは、「日本一周のツーリングで地元をPRしたい」と意気込んでいた弘前出身の女性のお客様です。ご依頼いただいて製作した津軽塗りのヘルメットは、バイク雑誌に取り上げられて大きな反響がありましたね。量産ではなく、心からほしいと思える物を一つひとつ丁寧につくる。それが、津軽燈LABの特徴です。
畑山 津軽塗りのヘルメット!それはインパクトがあって素敵だなあ。まさに伝統とイノベーションの融合ですね。
高橋 ありがとうございます。また、「津軽塗研ぎ出しキット」も人気があります。これは、未完成の津軽塗り製品をご自分で研いで模様を出すものです。研ぎの体験を通じ、世界に1つだけの製品が出来上がるんです。
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