一歩を踏み出したい人へ。挑戦する経営者の声を届けるメディア

Challenge+(チャレンジプラス)

注目企業インタビュー

伝統を残しつつ新たな風を吹き込む<br />
誰でも気軽に入れる老舗の和菓子店

卸・販売

伝統を残しつつ新たな風を吹き込む
誰でも気軽に入れる老舗の和菓子店

御菓子司 とらや山本
代表 山本 泰造

PROFILE

「御菓子司 とらや山本」は1950年に山本泰造代表の祖父が創業。父が後を継いだ後、祖父の背中を見て育った同氏も家業を手伝うように。2024年に78歳の父が亡くなり山本代表が3代目となる。全国菓子大博覧会の金賞を獲得した銘菓「駒のひづめ」や、食べる直前にあんを挟む「米太子もなか」など多彩な和菓子を販売。誰でも気軽に入れる和菓子店を目指して日々工夫を凝らしている。

COMPANY DATA

御菓子司 とらや山本

住所
〒 671-1553
兵庫県揖保郡太子町老原580-8
URL
https://komanohizume.stores.jp/
https://www.instagram.com/torayatoramaro/

 

職人気質の祖父の背中を見て育ち3代目に

インタビュアー 濱中 治

濱中 兵庫県太子町の和菓子店「御菓子司 とらや山本」さんにお邪魔しています。店内にはおいしそうな手づくりの和菓子が目白押しで目移りしてしまいます。さっそくお店の歴史を教えていただけますか?

山本 当店は1950年に私の祖父が創業したもので、私はそんな職人気質な祖父の背中を見て育ったんです。2代目となった父は当店を切り盛りしながら他の会社も経営し、人助けが好きな性格でさまざまな活動を行っていました。私は若い頃から地元を離れて他の仕事に携わっていたのですが、先代の急逝に伴って3代目を継いだ次第です。現在は妻や先代からお世話になっている職人さんと共に、より多くの方に和菓子の魅力を伝えていこうと、日々挑戦を続けています。

濱中 先代からの思いを引き継いでいらっしゃるのですね。70年以上の歴史があるお店ですから、今に至るまでさまざまな方に愛されてきたことと思います。お店のキャラクターである虎のイラストも、とても愛らしいですね。

山本 ありがとうございます。このキャラクターは「とらまろ」と言いまして、絵を描くことが趣味な妻がつくってくれました。和菓子店というとどうしても固いイメージがあって入店しにくい雰囲気があるので、幅広い方々に気軽に足を運んでいただけるようにという思いから「とらまろ」が生まれたんです。私たちが目指しているのは、「気軽に入れる可愛い和菓子屋さん」なんですよ。
 

伝統を残しながら進化させる和菓子づくり

濱中 普段から本物の和菓子を多くのお客様に味わっていただきたいですよね。ぜひ、「御菓子司 とらや山本」さんのおすすめの商品を教えてください。

山本 当店の一番人気は、聖徳太子の愛馬・黒駒がひづめ跡を付けた岩の形を模した「駒のひづめ」です。国産大納言小豆のつぶあんをサクサクのサブレ生地でサンドした和洋折衷のお菓子で、全国菓子大博覧会の金賞を受賞した逸品なんですよ。ちなみに駒のひづめは祖父が考案したお菓子なのですが、レシピは残さず感覚でつくり上げていたんです。レシピがないことで自由度が高まり、昔ながらの伝統を残しつつも、時代に合わせて味を進化させることができています。
 
 

1 2