注目企業インタビュー

建設
“父親の背中”が今も支えてくれる
受け継いだ技術と信念で未来をつくる町工場
戸田鉄工所
代表 戸田 哲也
PROFILE
「戸田鉄工所」を創業した父・泰昌氏の背中を見て育ち、自身も職人の道へ進む。学業修了後、他社での経験を経て同鉄工所へ戻り、同氏と共に事業に取り組むように。その後、2024年の同氏の逝去を契機に、「戸田鉄工所」の2代目代表に就任。製缶・鉄骨製作とプラント製作の両分野において、スピードと正確性を重視した、高品質な製品をつくり続けている。
COMPANY DATA
戸田鉄工所
- 住所
- 〒679-4171
兵庫県たつの市龍野町北龍野81 - URL
- https://www.toda-ironworks.com/
製缶・鉄骨製作、プラント製作を手がける「戸田鉄工所」。代表の戸田哲也氏は、父・泰昌氏が創業した同鉄工所を引き継ぎ、高品質な製品をつくり続けている。これまでの歩みや仕事に懸ける思いなどについて、野球解説者の濱中治さんが迫るインタビュー。
父の背中を追って職人の道へ

インタビュアー 濱中 治
濱中 兵庫県たつの市で、製缶・鉄骨製作、プラント製作を手がけていらっしゃる「戸田鉄工所」さん。戸田代表は2代目でいらっしゃるそうですね。
戸田 はい。当鉄工所は私の父・戸田泰昌が創業しました。プラント製作に携わる父親の姿を幼い頃から近くで見ていたこともあり、自然と職人の道を志すようになったんです。社会人になってからは、一度外に出て製缶・鉄骨製作を手がける会社で修業し、父の仕事を手伝う形で戻ってきました。ですが、2024年に父が急逝しまして・・・まさかこんなに早く、父のいない現場に立つとは思っていませんでした。
濱中 それは・・・お気持ち、すごくわかります。私の父も数年前に他界したのですが、野球を始めたきっかけは、父の存在でした。父は野球チームの監督で、小学3年から高校3年まで、毎日一緒に練習しました。グラウンドで泥だらけの声出しから始まって、バッティング、守備、基礎の反復・・・。正直、しんどかった時期もあります。でも今振り返ると、あの時間こそが私の“礎”をつくってくれたんですよね。父親との日々があったからこそ、プロの世界まで進めたんだと感謝しています。
戸田 私も父が築いた現場のスタイルや考え方が、今の自分の軸になっています。父が亡くなった今でも、「父ならこうするだろう」と自然に考えることが多いですね。父が得意とするプラント製作、私が担当していた製缶・鉄骨製作。当初はそれぞれの屋号で活動していましたが、今は父の意志を継いで、「戸田鉄工所」としてすべての事業を担っています。毎日がプレッシャーですけれど、父が築いてくれた信頼や実績があるからこそ、今の自分があると思えるんです。