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Challenge+(チャレンジプラス)

注目企業インタビュー

メタバースを活用した先進的な教育で
子どもの自立心を伸ばすフリースクール

 

子どもの成長を応援するメタバーススクール

石黒 メタバースって、仮想空間で自分の分身であるアバターを動かして、人と交流したり、いろいろなことを疑似体験できたりするんですよね。

伴野 そうです。メタバースに着目したのは、学校に馴染めない子や対面で人と話すのが苦手な子でも、ヴァーチャル空間上ならハードルが下がって、自分の居場所を見つけやすくなるのではと考えたからです。「ミカタKIDSフリースクール」ではメタバースを活用して、不登校、障害、病気などさまざまな事情で学校に行けない子どもたちを対象に、生きていくうえで役立つ実践的なスキルを身に付けられるよう教育します。お子さまの「好き」を探求できるカリキュラムで、それぞれの個性や強みを伸ばす学びを展開していくつもりです。

石黒 最先端技術を使ったスクール…聞いていてわくわくします!学校では得られない経験がたくさんできそうです。

伴野 22年間教員をしてきましたので、学校教育の良い点はたくさん理解しています。基礎学力はもちろん、運動場や体育館で身体を養い、部活動や学校のイベントで仲間と友情を育み、協調性をつちかうことは大切だと感じてきました。しかし、そうした学校教育からはみ出てしまう子どもたちがいるのも現実です。彼らが無事に自立でき、親御さまも安心できる教育を行うには、彼らの夢ややりたいことを認めて応援する人たちや環境が必要です。日本の教育を抜本的に変えることは難しいし、私一人の力には限りがあります。しかし、一歩ずつできることから、日本の教育と子どもたちの未来を変えていきたい。そんな思いからスクールを開校したんですよ。

 

魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える

石黒 私も子育てをしてきましたので伴野代表のお考えに大変共感しました。あらためてカリキュラムの特長を教えてください!

伴野 先ほども少しご紹介した通り、最大の特長は、一人ひとりの「好き・やってみたい」を探求することをテーマにした選択制のカリキュラムをご用意していることです。仮想商店での売買体験や投資ゲームを通じて、お金の使い方や経済の基礎知識を楽しく身に付ける「金融コース」、夢を形にするための目標達成プロセスを学ぶ「夢実現コース」、ChatGPTやAIツールなどでデジタルスキルを習得し、想像力や問題解決力を高める「AIマスターコース」、子どもたちの好きや得意分野をそれぞれのペースで勉強する「好き実現コース」など、自分の興味や日々の予定に合わせてオーダーメイドで時間割をつくれます。コースは今後も増やしていく予定なんですよ。

石黒 興味深い学びが盛りだくさんですね!特にお金に関する知識はとても大事なことなのに、学校ではなかなか教えてもらえませんよね。

伴野 私自身、中学・高校の家庭科教諭の免許を持っていますが、学校教育で経営や投資の視点からお金の仕組みを学ぶ機会が非常に少ないことにずっと課題を感じていました。加えて、これからの社会ではAIに関するスキル・知識も重要になってきます。だからこそ当スクールで金融リテラシーやAIを使いこなす力も習得し、幸せな人生を実現する手段を一つでも多く身に付けてほしいと考えています。

石黒 受験をゴールにしてただひたすら知識を詰め込むような勉強では得られない、社会を生きていくための実践的な力が得られそうです!

伴野 そう、言うなれば「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」。それこそが私が実現したい学びです。日本の教育が培ってきた「規律・協調性・基礎学力」は世界的資産です。AI時代の今、この強みを活かしつつ、教育のアップデートが必要です。鍵は「AI活用による個別最適化」と「なぜ学ぶのか」の対話だと感じます。グローバル時代だからこそ、多様な学び方を認めつつ、子どもたちの内発的動機を育む教育へ、そして、多様な学びの提供を通じて、不登校という課題にも新たな解決策を提示し、将来的には『不登校ゼロ』を目指したいと思います。

 
 

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