注目企業インタビュー

教育・スクール
メタバースを活用した先進的な教育で
子どもの自立心を伸ばすフリースクール
一般社団法人 ミカタKIDSフリースクール
校長 / 代表理事 伴野 真教
PROFILE
滋賀県出身。特別支援学校、小学校での教員歴を持ち、22年間教育現場に従事。長年にわたり病弱教育に携わる。特別支援学校で教頭を務める傍ら、新型コロナ流行前からデジタル技術を活用した教育を模索するも、志半ばで退職。その後、メタバースに活路を見出し、自らが理想とする教育を実現すべく(一社)ミカタKIDSフリースクールを開校した。
COMPANY DATA
- 住所
- 〒524-0042
滋賀県守山市焔魔堂町49-1 - URL
- https://mikatakids.net/
一人ひとりに合った教育の実現に向けて起業

インタビュアー 石黒 彩
石黒 (一社)ミカタKIDSフリースクールを運営していらっしゃる伴野代表は、教員として長年のキャリアを築いてこられたそうですね。
伴野 はい。教員歴は22年で、とりわけ特別支援学校での病弱教育(長期入院や慢性疾患のある子どもへの教育)に携わってきました。私が関わっていたのは、白血病や脳性麻痺、臓器移植を待つ子など、障がいや病気のある子どもたちでした。なかなか外の世界に出られない彼らのため、私はパソコンを使った遠隔授業で地元の学校との交流を設けたり、ベッドから動けない子にタブレットで学びの機会を与えたりしていたんです。
石黒 コロナ禍を経て、タブレット教材やオンライン授業はだいぶ浸透しましたが、伴野代表はもっと早い段階から取り組まれていたんですね。当初は苦労されたことも多かったのではないですか?
伴野 確かに、周囲の理解を得るのは難しかったです。しばらくして教頭になり、裁量が増えたことで状況を打開できるのではと期待したものの、いざ管理職になると、文科省が定める学習指導要領、教育委員会から受ける制約が大きく――日本の教育体制が本当に子どもたちに合っているのかと大変葛藤しました。
石黒 子どもたちに合った教育を大事にしたいのに、責任ある立場ではなおさら難しい。理想と現実の板挟みだったんですね。
伴野 おっしゃる通りです。また、激務から自分の子どもと触れ合う時間も短くなってしまっていたため、一度は退職して専業主夫になりました。でも、教育にかける気持ちは大きくなるばかりで…。そんな中、メタバースの講演を聴く機会があり、非常に感銘を受けましてね。すべての子どもが自立できる力を育める学校をつくりたいと思い、“メタバーススクール”という新しい形式の学校を立ち上げたんです。
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