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元国税局職員の税理士が経営をサポート<br />
経理の見直しに税務調査の知識を生かす<br />

スペシャリスト

元国税局職員の税理士が経営をサポート
経理の見直しに税務調査の知識を生かす

橋本剛税理士事務所
税理士 橋本 剛

PROFILE

1971年生まれ、大阪府出身。1995年大阪国税局に入庁。大淀税務署ほかで経験を積み、2008年から法人機動官、2015年から法人特調班、2019年から2年間は資料調査課で税務調査の先頭に立つ。2020年の途中から後進を指導した後、2023年国税局を退官し、税理士として登録。2024年10月、「橋本剛税理士事務所」を開いた。

COMPANY DATA

橋本剛税理士事務所

住所
〒573-0163
大阪府枚方市長尾元町6-3-17
ソシア長尾202
URL
http://www.hashimotogo.jp/

橋本剛税理士事務所は、任意調査の最高峰である資料調査課まで上り詰めた元国税局職員が独立開業したという税理士事務所だ。定年退職を待たずして新たな一歩を踏み出し、税務当局の考えを熟知しているからこそ可能な調査への対応や、節税対策のアドバイスを行っている橋本氏に、元ボクシング世界王者の畑山隆則さんがインタビューした。


 

税務調査トップから“守り”の税理士へ

インタビュアー 畑山 隆則

畑山 橋本さんは、国税局で長年ご活躍されていたそうですね。まずはこれまでのキャリアをお聞かせください。

橋本 私は1995年に大阪国税局に入庁し、数多くの法人の税務調査に携わってきました。特に2019年からは調査部門のトップである資料調査課、略して「リョウチョウ」と呼ばれる部署に所属して活動していたんです。

畑山 何だかかっこいい響きですね、「マルサ」(査察部)みたいで(笑)。

橋本 マルサでは悪質な納税者に強制捜査を行うのに対し、リョウチョウはあくまで任意調査を行うという違いがあります。それでも、調査をする理由があって会社や経営者のお宅を訪問するわけですから、歓迎されることはまずありません。会社側の税理士の立ち合いの下で調査を進めるために、いかに経営者を説得できるかどうかが腕の見せ所で、私はその陣頭指揮をずっと執っていました。

畑山 まさに税務調査の最前線にいらっしゃったのですね。お話を聞いていておもしろいと思ったのですが、リョウチョウでのお仕事は、税理士さんのお仕事とはまったく逆になりますよね。どのような心境の変化があったのか、気になります。

橋本 国税局での最後の数年は、リョウチョウを退いて後進の育成に尽力しようと考えていたんです。しかし、実際には中間層の人材が手薄なため育成に専念する余裕がなく、結局は最前線に出続けなければならなくて…。自分の中で、税務調査を続けるモチベーションがなくなっていくことを感じたため、「このまま国税局にいるよりは、今までの経験を生かしてクライアントを“守る立場”をやってみよう」と、税理士への転身を決意したんです。
 
 

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