注目企業インタビュー

建設
公共施設や個人宅の庭を美しく仕上げる
“手入れ”にこだわる腕利きの造園職人
三匠庭園 株式会社
代表取締役 折原 匠
PROFILE
東京都出身。高校卒業後、造園業など複数の職種を経験。25歳からは造園一本に絞って腕を磨き、31歳で独立。個人事業主としてキャリアを積み、2024年に東久留米市で三匠庭園(株)を設立した。「切るのではなく手入れする造園」にこだわって仕事に打ち込んでいる。
COMPANY DATA
- 住所
- 〒203-0054
東京都東久留米市中央町4-8-4 - URL
- https://sansho-teien.co.jp/
宮地 折原社長は学業を終えられてすぐ造園の世界に入られたそうですね。早くから職人を志されていたのですか?
折原 いえ、父が造園業を営んでいたものの、以前の私は植木にも庭にもぜんぜん興味がなかったんです。しかし、他にやりたいこともなく、別の仕事に就こうとしていたのですが、父の紹介で名のある植木職人の元へ修業へ行ったのが、自分にとって“緑の仕事”との出合いでした。ところが、右も左もわからない状態でいきなり働き始めたので、修業開始早々に「君では無理だ、時間の無駄だ」と言われまして・・・。
宮地 さっそくプロの世界の厳しさを味わうことになったのですね。
折原 そうなんです。その後、造園の専門学校で勉強し直してから造園会社に就職したものの、親方の厳しい指導に耐えられず――何度も挫折しました。それでも最後には「この道しかない」と思って修業をやり切り、31歳で独立、36歳で法人化を果たすことができたんです。
宮地 くじけそうになっても独立するまで続けられたのは、やはり折原社長にとって造園の仕事が大切なものになっていったからなのではないでしょうか?
折原 そうかもしれません。専門学校で庭の歴史などを勉強しながら実技を身に付けていくうちに、だんだんとこの仕事の魅力を感じるようになったんです。
宮地 では、現在どのような現場を手がけていらっしゃるのか教えてください。
折原 公園や街路樹の整備といった公共事業に関するものや、ビル周りの緑地帯などのメンテナンスの他、個人のお客様のお庭も管理させていただいています。私としては、個人のお庭やお寺の庭園を管理する仕事によりこだわりを持って注力していきたいと思っているんです。
宮地 それは理由が気になりますね。折原社長のこだわりをぜひ知りたいです。
折原 これは私の師の教えでもあるのですが、「私たちは木を切りに行っているわけではない。手入れをしているのだから、仕上がった時に残っていたほうが良い枝は切らない」と。業者の中にはとにかく切ってしまえばいいという姿勢の人もいるだけに、私は「手入れする」ことを重んじ、プロが見ても恥ずかしくない仕事をしたいと思っています。
宮地 素敵なお考えです。大切なお庭は折原社長のような方にお任せしたいものですね。今後についてはいかがですか?
折原 いつかアメリカなど海外に出て行って、庭造りを通じて日本文化の素晴らしさを広めたいという夢があります。日本文化に関心を持ってくださっている海外の方は多いので、広い土地を庭として有効に活用していただければと思っているんです。その夢を実現するためにも、これからも一つひとつのお庭と真剣に向き合いながらお客様の信頼を獲得し、しっかりと足元を固めながら会社をさらに大きくしていきます。

GUEST COMMENT
宮地 真緒
子どもの頃、私は公園などの緑がきれいに保たれているのは自然の力だと無邪気に思っていましたが、大人になって折原社長のような造園職人さんが丹精込めて手入れをしてくださっていると知り、本当に尊敬しています。日本庭園の美しさは素晴らしいですから、ぜひその魅力を海外へも広めてくださいね!