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注目企業インタビュー

特許を取得したモルタル注入により躍進<br />
独自開発の新工法で石垣を後世につなぐ

建設

特許を取得したモルタル注入により躍進
独自開発の新工法で石垣を後世につなぐ

株式会社 あらい
代表取締役 新井 鐘益

PROFILE

広島県広島市出身。建設職人の父が1966年に創業し、1993年に(株)あらいとして法人化。やがて父・兄から会社を受け継ぎ3代目となる。以来、石垣補強の新工法を開発し特許を取得するなど、オンリーワンの技術とクレームゼロの工事で躍進している。

COMPANY DATA

株式会社 あらい

住所
〒738-0603
広島県広島市佐伯区湯来町下1125-4
URL
https://new-arai.jp/

 
矢部 まずは御社と新井社長の歩みから教えてください。

新井 当社の前身は、建設職人だった私の父が1966年に創業したんです。その後はダム・道路・堤防工事で地域に貢献し、1993年に法人化するなど下請けから元請けへと躍進してきました。父の背中を見て育った私は、自然な流れで当社に入社したんです。経営は父の後を兄が継ぎ、その兄からバトンタッチする形で私が代表取締役になりました。やがて、土壌汚染調査やモルタル注入工事に業務の中心をシフトしていったんです。特にモルタル注入では、国土交通省に新技術として認められ、特許も取得した独自開発の工法で高い評価を得ています。

矢部 その新工法で、どのような工事を行っているのでしょうか?

新井 モルタル注入工事の対象は石垣です。積み上げられた石と石の隙間に機械の圧力でモルタルを注入するこの新工法により、石垣の耐震性や排水性を高めたり、雑草をなくして美観を向上させたりする工事が、少人数で素早くできるようになりました。現在、私の兄は東京都板橋区で(株)アライードという同業の会社を経営しています。兄弟で協力しながら全国で工事を手がけており、2024年には江戸城の外堀の石垣工事も担ったんですよ。その他にも寺社や遺跡、個人のお屋敷など、あらゆる場所の石垣工事に対応できます。

矢部 なるほど。歴史的建造物を守るお仕事というだけあって、やりがいも大きいでしょうね!

新井 もちろんです。石垣は1000年後にも残る建築物ですが、やはり少しずつ劣化していきます。それを当社の技術でよみがえらせ、後世へとつないでいきたいんです。そのために、私も社員も協力会社の職人も、お客様からいただく「ありがとう」の言葉を励みに日々頑張っています。また、現場では使わせていただくトイレの掃除もするなど、周囲の方の気持ちを考えた仕事を徹底しており、安全確保にも全力を注いでいるんです。

矢部 とても素晴らしいお心がけだと思います。古い石垣から未来を見据える新井社長ですが、将来のビジョンについてはいかがでしょうか?

新井 当社の工法はまだ完成したわけではありません。これからも改良を重ねながら、進化させていきます。そうして江戸城の外堀の次は内堀を、そして各地のお城の石積、さらには皇居の中の石垣も私たちの手で補強することが当社の目標ですね。私の後継者も会社を継ぐことが決まっており、まだ小さい子たちもこの仕事に興味を持ってくれています。彼らのためにも会社の基盤を盤石にしておくことが私の役割です。他社と比べても決して引けを取らないと自負している技術力に、より一層磨きをかけ、自分たちが死んだ後も残る石垣工事の仕事にまい進していきます!
 

GUEST COMMENT

矢部 美穂

歴史を未来につなぐ石垣工事に全力で取り組む新井社長。お仕事について楽しそうに語るそのお姿からは熱い職人魂を感じました。ご兄弟で手を取り合ってまい進する姿勢も素晴らしいです。ぜひこれからも各地の石垣を守り、(株)あらいさんの名を全国に轟かせてください。さらなるご活躍を期待しています!