注目企業インタビュー

スペシャリスト
海外で培った豊富な経験からアプローチ
繊細かつ丁寧な調教で大井競馬を賑わす
森下淳平厩舎
調教師 森下 淳平
PROFILE
1980年生まれ。幼少期より動物に関わる仕事を希望し、15歳で目にしたクラシック三冠馬ナリタブライアンの雄姿に感動したのをきっかけに、調教師を志す。15歳の時オーストラリアの競馬学校に留学したことを皮切りに、アメリカ、フランスでも研修を受け、川崎競馬場や大井競馬場で厩務員として経験を積んだ後、2010年、大井競馬場に「森下淳平厩舎」を開いた。
COMPANY DATA
- 住所
- 〒 140-0012
東京都品川区勝島2-1-11 - URL
- https://morishita-stable.jp/
10代から海外で競走馬のイロハを学ぶ

インタビュアー 矢部 美穂
矢部 今日は調教師の森下淳平先生のもとをお訪ねしています。大好きな馬に関わるお仕事のインタビューとお聞きしてとても楽しみにしてきました。何より森下先生は私の夫の山林堂騎手と古くから知り合いとお聞きして驚きました(笑)
森下 そうなんですよ。山林堂さんとは以前に川崎競馬場で仕事をしていた時期に交流がありまして、その時からですね。山林堂騎手の奥さんの矢部さんにインタビューされるとは私も驚きですよ(笑)
矢部 森下先生はいつ頃からこの業界を目指されたのでしょうか?
森下 中学生の時、クラシック3冠馬を達成したナリタブライアンのレースを見て競馬が好きになり、調教師になりたいと思うようになりました。そして、とある競馬雑誌にオーストラリアに競馬学校ができるという情報が載っていて、親を説得して15歳の時に留学を決意したんです。
矢部 15歳で覚悟を決めるとはすごいですね!当時はインターネットも無く、馬のお仕事といってもどうしたら良いかわからないですよね。
森下 当時は情報がなさすぎてとても苦労しました。その後も、アメリカやフランスでも研修をさせていただきましたが、驚きの連続でした。日本よりも馬事文化の伝統や歴史があるため、馬への考え方や調教のメソッドがまったく違っていたんです。海外では、特に精神面へのアプローチや内臓のケアなどに力を注いでいて、そのことに衝撃を受けました。馬の精神面をケアすることは、馬との良い関係性の構築に直結していますし、レースでのパフォーマンスにも深く関わっていることをその時に痛感したんです。
矢部 確かに、ヨーロッパなどでは馬への認識が日本と違い、信頼関係を築いていくことがレースにおいても大切だと、夫から聞いたことがあります。馬と関わってきた歴史が古いぶん、馬との関係性の深さが違うのですね。
森下 ええ。逆に厩舎やトレーニングセンターなどのハード面、馬のフィジカルに関する調整力では日本も素晴らしい面が多くあります。しかし、メンタルケアや馬との関係性のつくり方については、海外経験を積んだことで非常にたくさんのことを学ばせていただきましたね。
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