PROFILE

愛知県名古屋市で生まれ育つ。大学時代に知り合った社長の誘いで不動産会社に就職し、不動産売買の事業で活躍する。その2年後には独立を見据え適した業界への転職を考えるようになり、知人の紹介で中古車販売店に移る。2年の経験を積み、2023年5月に（株）EDENを創業。独自に考案した「500円手洗い洗車」を武器に躍進を続けている。社名は英語で「楽園」という意味。

COMPANY DATA

「500円手洗い洗車」で気軽な店舗

インタビュアー 小倉 隆史

小倉　「500円手洗い洗車」という画期的なサービスで注目を浴びる（株）EDENさん。28歳と若さあふれる豊島社長が中古車業界に入るまでの歩みからお聞かせください。

豊島　もともと独立願望が強かった私は、知人に中古車販売店の経営者を紹介してもらい詳しい話をお聞きしたところ、その社長さんの考え方がぴったりと合って入社を決意しました。そこで研さんを重ね、2年後の2023年に初心を貫き当社を創業した次第です。

小倉　ご自身の意志を信じて行動されてこられたところが、私の海外挑戦ともリンクして共感できます。見事な行動力ですね。起業するにあたって中古車業界を選んだ理由は何でしょうか？

豊島　前の会社で経験を積むうちに、車の購入や維持で損をするお客様が多いことに気付いたんです。というのも、車の購入も車検や整備でもネームバリューのある大手中古車販売店を選んでしまうお客様が大半で、個人経営の店には見積もりすら依頼してくださりません。一番の理由は店舗に入りづらいことにあります。そこで私は誰もが気軽に入れる中古車販売店を立ち上げようと決意しました。その手法の1つが500円手洗い洗車なんです。

小倉　なるほど。常にライバルとの違いを打ち出し、エースを勝ち取るために、従来の車屋さんのイメージを刷新するアイデアを持って動きだされたわけですね。ますます興味が湧いてきました。500円手洗い洗車の詳しい内容を教えてください。

豊島　当店は、お客様の車を文字通り500円で丁寧に手洗いによって洗車します。ありがたいことに店舗が抜け道にあるので、通りすがりのお客様が「どんな洗車なのだろう」と関心を抱いてくださるんですよ。サービス内容を説明するとご興味を持たれ、その場で洗車をしてくださることもあります。洗車時間は30分ほどなので、その間、横で見ているお客様との会話で車の悩みやお困りごともお聞きします。

小倉　かなり画期的なサービスなので、お客様が足を止めることにうなずけます。それに豊島社長は話しやすい方ですので、悩み相談も加えてファン獲得ですね。他にはどのようなサービスがあるのですか？

豊島　中古車の買い取り・販売やコーティング、板金、レンタカーなどです。おかげさまで、当店は洗車だけで月に数十人も新規のお客様を獲得しています。「損して得取れ」ということわざもありますが、コスト度外視の500円手洗い洗車を入り口に、さまざまなサービスを利用してくださるお客様が増えているんです。そうして結果的に、お客様は他店よりずっとお得に車の買い替えや修理をしていただけていることには自信を持っています。