注目企業インタビュー

スペシャリスト
雹害車のへこみを即座に修理
全国を行脚する熟練職人集団
株式会社 ライトホープ
代表取締役 門倉 光希
PROFILE
前橋育英高校サッカー部に在籍し、2017年に全国高校サッカー選手権で優勝。群馬パース大学に進学後は診療放射線技師の資格を取得し、キックボクシングのプロライセンスも取得する。実家の自動車販売店が雹害に遭ったことがきっかけで「ヘイルマン」の仕事を知り、1から技術を習得。2024年に(株)ライトホープを創業し、現在は全国の雹害地を回りながら事業を展開している。
COMPANY DATA

異常気象による降雹が日本国内でも多く見られるようになった昨今、雹害によって傷ついた車を修理する需要が高まっている。そんな中、デントリペアという特殊技術を用いて雹害車を専門に直す「ヘイルマン」の第一人者として躍進しているのが、(株)ライトホープだ。23歳の若さで起業し、腕利きの職人をまとめあげる門倉社長が思い描くビジョンに、タレントの嶋大輔さんが迫った。
雹でへこんだ車を直す専門家
嶋 (株)ライトホープさんは、雹害でへこんでしまった車のリペアを専門に手がけていらっしゃるそうですね。かなり珍しい事業かと思います。門倉社長のご経歴からお聞かせいただけますか?
門倉 私は高校までサッカーに打ち込み、全国高校サッカー選手権で優勝も経験しました。その後は群馬パース大学に進学して放射線技師の資格を取得し、医療の道へ進む予定だったのですが、ある日、父が営む自動車販売店で展示していた車が雹害で大きな被害を受けてしまって――その際に父の知り合いのリペア業者の方が傷ついた大量の車を素早く直してくださり、感激した父から「この技術を学んできてほしい」と頼まれたんです。そこで、その方の下で修業をさせていただくことになり、現場で1から技術を身に付けました。大学を卒業して一度は病院に就職したものの、雹害専門のリペアを極めたいという思いが強くなったことから、新卒4ヶ月で辞表を出し、当社を立ち上げた次第です。
嶋 今のお仕事に、人生を懸けたいと思うほどの魅力を感じられたのですね。
門倉 はい。雹害のリペアを手がける職人のことを「ヘイルマン」と呼び、デントリペアという技術を駆使して車のボディを傷つく前のきれいな状態へ修復していきます。日本にはまだまだ職人が少ないので、当社が第一人者的な存在になれればと考えているんです。
嶋 本日お邪魔させていただいている工場でも、今まさに施工していらっしゃるところですが、こんなに大きくへこんだ車が元通りになるなんて、にわかには信じ難いです。ものすごい技術ですよね。
門倉 ありがとうございます。デントリペアは通常の板金修理と異なり、やすりで研磨したり塗装し直したりすることなく、もとのパネルを叩いたり引っ張ったりして修復する技術です。そのため、従来の修理では1台につき1ヶ月以上かかるところを、へこみの数に応じて最短で数時間、長くても1週間ほどで完了させられます。また、パネル交換をしないため事故車に分類されることもなく、修理後に中古車として売りに出される場合にも、価格を高く維持できるんです。
嶋 聞けば聞くほど素晴らしいサービスです。ちなみに、費用はどのくらいかかるものなのでしょうか?
門倉 その点もご心配には及びません。雹害によるへこみの修理は基本的に保険を適用することができます。当社は保険会社が「パネルを交換した場合」で定めた修理費用を上限にしており、どれだけへこみがあった場合にも、上限より多くの費用をご請求することはありません。もちろん、施工前には概算でのお見積りもお出ししています。
雹害があった地域へ自ら出向
嶋 ところで、こちらの工場は本社とは離れた場所にあるようですが、こちらの事情について教えていただけますか?
門倉 実は、当社は拠点を1つに固定していないんです。というのも、雹害はいつどこで発生するかわかりませんよね。そこで、ある地域で雹害が発生した場合、翌日にはその地域で工場と職人の住居を確保し、近隣のディーラー様から依頼を受ける形で仕事を開始するんです。わかりやすく例えるなら、「サーカス団」のようなスタイルと言えますね。
嶋 これは驚きました。他の業者とは一線を画する画期的なスタイルですね。確かに、雹害が発生した地域には必然的に修理を必要とする車が集中しているわけですから、ヘイルマン自ら近くまで出向いてきてくださるというのは、お客さんとしては心強いと思います。
門倉 一度でも大量の雹が降ると車の被害は数万台に及ぶこともあります。だからこそ私たちは数ヶ月にわたってそれらの車を迅速に修理し、1つの地域の仕事が終わったらしばしの休息後、また次の現場へ向かうという「巡業」を繰り返しているんです。
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