注目企業インタビュー
ミュージックスクール&スタジオで夢実現
建築家と音楽家、兄弟の新しいまちづくり
道行く人が足を止め立ち寄る場に
鶴久 ここからは「M-Lab HATCH」について詳しくお聞きしましょう。目白駅のすぐそばにあって、利用しやすいスタジオですね。室内も通路と部屋の間がガラス張りでとても開放感があります。
初谷(賢) ありがとうございます。できるだけ明るく開放的な空間にすることを意識して設計しました。普段は声楽やボイストレーニング、器楽、作曲、リトミックなどのコース別に音楽教室を開く一方、同じ部屋をレンタルスペースとしても運用しています。室内の音響が豊かで目的に応じた楽器もそろっているので、個人練習でもレッスンでも、お客様のご要望次第で自由にお使いいただけるんです。
初谷(敬) 音楽教室には講師として私の仲間も集まってくれて、レッスンはもちろん、サロンコンサートのような定期的なイベントも開催しています。私自身空間デザインは気に入っていて、外からスタジオ内の様子が見えるし、意図的に外へ音をこぼれさせることもできるので、道行く人に「楽しそうだな、ちょっと寄ってみたいな」と感じてもらえたら幸いです。
鶴久 今は個人でイヤホンから音楽を聞くのが普通ですけれど、昔は町の中で音楽が漏れ聞こえてくることも多くて、それで今の流行がわかったり、友人との話の種になったりするんですよね。
初谷(賢) わかります。私はちょうど小学生のときにチェッカーズが流行していてサックスに憧れを抱きましたし(笑)、音楽には世代や国境を越えて人を結び付け、幸せにする力があると思います。そしてそれが、私がやりたいまちづくりと非常にリンクするんです。
皆がワクワクできる場所を日本中に
鶴久 まだスタートして間もないですけれど、今後はどんなふうにこのスタジオを発展させていきますか?
初谷(賢) ここ目白を皮切りに、「M-Lab HATCH」のような拠点を日本全国に増やしていこうと考えています。皆がワクワクできる場所を増やし、それをリアルでもSNSでも発信し続けるつもりです。
初谷(敬) 数年前のコロナ禍で、私たち音楽家は本当に大変な思いをして、人や世の中とお金ではなく心でつながることの大切さを改めて感じました。この度、こういう場所ができたことで、新しいこともどんどんやれると思いますし、仲間を集めて元気に楽しく活動したいです。
鶴久 兄が場をつくり、弟が行動する――お話をうかがっていると、お二人はまさに理想のコンビだと感じます。
初谷(賢) そう言っていただけると嬉しいです。確かに私は固定観念にとらわれず“ゼロイチ”で新しい発想を生むことが得意かもしれません。そして、それを実現するのが弟なんです。
初谷(敬) 兄はやりたいことがたくさんあって、「何それ?」と驚くようなアイデアも思い付くんです。一方の私は徹頭徹尾、現場で生きている人間なので、兄のアイデアや思いを周囲の仲間と共有しながら現場で実践していく、そういう役割分担なんだと思います。
鶴久 傍から見れば突拍子もないようなアイデアが、時代をつくっていくものです。お二人には期待しかないですよ。
初谷(賢) ありがとうございます。これからも音楽の分野に限らず、誰にとってもハッピーな場を創出し続けますので、ぜひ皆で一緒に、ワクワクする未来をつくっていきましょう!

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GUEST COMMENT
鶴久 政治
「ワクワク場づくりのプラットフォーマー」を掲げていらっしゃるお二人なだけあって、対談を通してエネルギッシュに事業の構想や展望を語ってくださり、聞き手の私まで思わず心が躍りました。今、音楽業界にはどこか疲れていて元気がない人もいますが、お二人ならきっと大丈夫。これからの日本をもっと勢いづけてくださることを願っています!