注目企業インタビュー

製造・技術
細かな要望にも応じる提案力が強み
45年以上続く粉体塗装の専門会社
株式会社 大雄塗装
代表取締役 神田 健次
PROFILE
美容室を営む母に影響され、自らも美容師を志すが、結婚を機に義父が手がける(株)大雄塗装を継ぐことを決意し、現場仕事の経験を積んだ後に3代目代表取締役に就任。現在は歴史ある会社の事業を守りながら、アウトドア用品の塗装も手がけるなど新たな挑戦をしている。
COMPANY DATA

- 住所
- 〒252-0243
神奈川県相模原市中央区上溝3961 - URL
- https://daiyu-tosou.com/
嶋 1979年の創業以来、45年以上にわたって粉体塗装を手がけてこられたという(株)大雄塗装さん。神田社長は3代目でいらっしゃるそうですね。
神田 はい。ただ、若い頃の私は、母が経営していた美容室を継ごうと考えていました。そんな時に今の妻と出会い、義父から「後を継いでほしい」と声をかけられたため、入社を決意した次第です。
嶋 ということは、まったくの未経験からこの世界に飛び込まれたのですね。
神田 そうなんです。最初は右も左もわからず戸惑いましたが、会社を経営するとなると当然、現場の作業も知らなければなりませんから、3年ほどはとにかく現場で学ぶことを優先しました。40年以上続く会社を引き継ぐプレッシャーもありましたが、とにかく忙しかったので、良い意味で余計なことを考えずここまで走り続けられたという感じです。
嶋 一般的に「塗装」というと、外壁塗装をイメージしますが、こちらの塗装は工業製品の塗装がメインだそうですね。
神田 ええ。粉末状の塗料をスチール・アルミ・ステンレス・メッキ鋼板といった金属類の工業製品へ静電気で付着させ、高温で焼き付けるのが「粉体塗装」です。大手銀行の内装建具や自動車のホイール、消火器の留め具などに加え、最近は私の趣味が高じて、ランタンカバーなどのキャンプ・アウトドア用品の塗装もさせていただいております。
嶋 なかなか珍しい塗装の形ですよね。
神田 そうですね。県内にも同業他社はいますが、長年をかけて培った技術力と対応力で、お客様の細かなご要望にお応えするご提案ができるのが当社の強みです。塗料のカラーも常に100色以上を取りそろえております。
嶋 会社の伝統を守り続けていらっしゃる力強さを感じます。神田社長の代から新しく取り組んでいらっしゃることがあれば、そちらもぜひ教えてください。

▲ スタッフと共に
神田 歴史ある会社であるだけに、建物や設備はだいぶ老朽化してきています。これから若い人材を迎え入れていくためにも、まずは会社をきれいにし、最新の設備を導入したいと考えています。また、塗料は一度混ざってしまうと廃棄処分になってしまうのですが、そこについても改革に乗り出し、設備が整った後には再利用部門も立ち上げる予定です。
嶋 歴史ある会社を次世代へ残していくことについてもすでに考えていらっしゃるのですね。今後については?
神田 今は工業系の企業様やビルなどの建材塗装の仕事が中心ですが、これからは一般の方が手に取るような製品にも携わり、お客様の幅を広げたいです。私は釣りが好きなので、ルアーの塗装など手がけてみたいと思っています。スタッフが働いていて「楽しい」と思える職場であることが一番ですから、とにかく社員を大切にして、やりがいを感じられる職場づくりをしていければ幸いです。

GUEST COMMENT
嶋 大輔
対談を通して、神田社長が人を大切にされる方なのだということがひしひしと伝わってきました。40年以上続く会社を未経験から引き継ぐプレッシャーは当然あったでしょうが、社長はそれを感じさせない芯の強さもお持ちです。ぜひ今後も、その手腕を存分に発揮し、会社を成長させ続けてくださいね。