注目企業インタビュー
ドライバーの報酬を増やし皆の家族を幸せに
笑顔と真心で荷物を届ける軽貨物物流会社
ドライバーへの還元を最優先に
矢部 会社づくりにあたって、太田社⻑はどのような点を大事にされてきたのでしょうか?
太田 私が大切にしてきたのは、人的投資です。ドライバーにとってやりがいのある、働きやすい労働環境を整えることです。例えば、軽貨物物流業界でドライバーの手に残る報酬は、運んだ荷物の運賃の6 割から7 割ほどが通常ですが、当社では8〜9 割を還元しています。また、休みに関しても、本人の希望次第で週休2 日から週休1 日かを自由に選べるようにしているんです。そのため、ドライバーは働けば働くほど報酬として返ってきますし、自身のスキルや心身と相談しつつ、スケジュールを組むことも可能なんですよ。
矢部 仕事の対価を重要視しているというのは、ドライバーの方々にとって理想の会社だと思います。
太田 ありがとうございます。私が労働組合で委員⻑を務めていた際も、「もっと積極的な人的投資をするべき」「より良い労働条件に改善するべき」と、企業の舵取り役の経営陣に対して主張していました。その精神が、今も私の根幹に宿っているんです。当社のドライバーは20 〜 30 代の若いメンバーが多く、一人ひとりに家族がいますので、「家族に喜んでもらい、おいしいものを食べさせてあげられるよう稼いでね」と皆には伝えています。あくまでもドライバーへの還元が最優先で、私個人は普通の生活ができれば、それで十分なんですよ。
矢部 お話をうかがい、太田社⻑がドライバーの皆さんと向き合う際の心構えについて、さらに深く知りたくなりました。
太田 私が大事にしているのは、大日本帝国海軍連合艦隊司令⻑官・山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉なんですよ。まずは自分たちが部下に手本を示し、言葉で説明し、実践させ、正当に評価することで人は動くと私はいつもこの言葉を肝に銘じ、皆に接しているつもりです。
真心と笑顔で高品質なサービスを
矢部 何よりドライバーの方々のことを考え、行動していらっしゃる太田社⻑ですが、一方でお客さんと接する際はどんな点を意識されているのですか?
太田 正確かつスピーディに荷物をお届けすることは物流品質の要ですが、配る人間の真心や笑顔もサービスの一環です。だからこそ当社ではそうした総合力を重視し、常に緊張感を持って仕事をする意識を全員で共有しています。やはり、そうしてお客様との信頼関係を積み重ねていかなければ、絶対に先へは進めませんし、成⻑もないと思っているんです。
矢部 素晴らしい結束力だと思います。
太田 ええ。当社のドライバーは、お互いに切磋琢磨しながら全員がやる気に満ちた競争をしてくれています。このドライバー同士の関係性が当社の力になっているんですよ。皆の頑張りに報いるためにも、できる限り報酬として多く還元できるような体制を整え、金銭的な意味でも精神的な意味でも、「当社に来たら他社へは移れない」と言われるような企業風土、会社づくりをしてまいります。
矢部 今後もドライバーの皆さんがいつまでも居続けたくなる会社を目指していかれるのですね。
太田 はい。皆がやる気を持って日々頑張ってくれていますので、これからも自分の役割を果たし、右肩上がりに業績を伸ばしていければと考えています。今後は、売り上げや社員数は今より1.5 倍程度にまで増やしていけたら、私は満足ですね。大きな挑戦も大切ですが、事業の多角化を狙って失敗した時に社員を路頭に迷わせたくないので、石橋を叩いて渡る身の丈に合った経営を続けます。

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GUEST COMMENT
誰もが喜ぶ会社をつくり上げ、わずか5年で120名のスタッフさんを育て上げた太田社長の手腕は本当に見事だと実感しました。誠実さを持って荷物を届けたいという思いがドライバーの皆さんに伝わっているからこそ、ここまで事業を拡大できたのでしょう。今後も誰もが「いつまでもここで働きたい」と思える企業としてますます躍進してください。