注目企業インタビュー
リンゴが丸ごと1個入った果実酒キット
特別な日にふさわしい、幸せを呼ぶ1本
緒方 では、今はすべてご自身で栽培されているのですね!
山口 ええ。リンゴの木を2本買い取って栽培を始めました。栽培は非常に手間がかかりますし、台風や大雨、日差しの影響で、途中でだめになってしまうケースも非常に多いんです。無事に収穫できても、十分に色づいておらず、商品にできない場合もあります。
緒方 商品になるまでにはいろいろなハードルがあるのですね。
山口 そうなんです。私は、長年農業とは無縁の世界で生きてきました。そんな私に、とある農家さんが手を差し伸べてくださったんです。「今、山形では農業離れが進み、りんごをつくる農家の数も減少してきている。高齢化が進んで後継者がおらず、さらに収益の面でも厳しい状況だ。でも、山口さんがこの挑戦をすることで、若い世代が農業に関心を持つきっかけになったり、地域の活性化につながったりするかもしれない。だから、俺は協力するよ。」そう言ってくださり、リンゴの栽培を多岐にわたって支えてくださいました。
緒方 その方のおかげで今がある・・・と。
山口 おっしゃる通りです。農業の知識も経験もない私に力を貸してくださったことに、心から感謝しています。もちろん私自身も、この取り組みで地域活性化に貢献できたらと願っています。長年、商売をさせていただいている天童市へ、私なりに恩返しをしたいという思いが、大きな原動力なんです。
緒方 その農家さんや、地域への感謝の気持ちがあるからこそ、さまざまな困難を乗り越えられるのですね。
山口 その通りです。栽培の過程をある方にお話ししたところ、涙ぐみながら「人生みたいだね」とおっしゃっていただいたことがありました。それが商品名の由来になっています。
特別感のある見た目から記念品として人気
緒方 山口代表のお話を聞いて、この商品の貴重さが一層強く感じられます。贈り物にもぴったりですよね。
山口 ありがとうございます。販売しているキットには、金平糖とシナモンが付いているのですが、どちらも「福を呼ぶ」「運を引き寄せる」とされる縁起の良いものなんですよ。リンゴ自体も幸せの象徴だと言われていますから、贈答用にはうってつけだと思います。実際、結婚式などのイベントや、大切な記念日に購入される方が多いですね。
緒方 お酒を入れて、どれぐらい置くとおいしく飲めるのですか?
山口 約3ヶ月後にはおいしく飲める状態になっていますが、できれば半年後からお飲みいただくと、リンゴがよく香るお酒になると思います。金平糖がゆっくりと溶けていく様子や、お酒が熟成する過程を楽しめるのも魅力の1つです。
緒方 本当に、贈る方も贈られる方も幸せになれる素敵な商品ですね。では最後に、今後の抱負を聞かせてください。
山口 将来的には毎年500本ほど出荷できる体制を整えたいと考えています。そのためには、リンゴの木を増やし、栽培過程の課題を一つひとつ解決していかなければなりません。より多くの方に「幸せ」をお届けできるよう、これからも創意工夫を重ね、挑戦を続けます。
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