一歩を踏み出したい人へ。挑戦する経営者の声を届けるメディア

Challenge+(チャレンジプラス)

コラム

編集部が薦める今月の一冊
このページでは毎回、数多く刊行される書籍の中から『COMPANY TANK』読者に向けて編集部がお薦めする一冊をご紹介します。第22回は、数多くの新規事業立ち上げを支援してきた著者が、業種や市場を問わず通用する「0→1」成功のパターンを体系化し、新規事業を成功へ導く実践的なプロセスを解説した『新規事業開発を成功に導く 超実践 0→1攻略ガイド』を取り上げます。

「0→1」支援専門企業の経営者が
蓄積されたノウハウの数々を大公開!

新規事業の立ち上げ、それは企業の未来を切り開く挑戦です。既存の枠にとらわれず、ゼロから価値を生み出す「0→1」の工程は、企業成長の鍵。しかし同時に、最も難易度の高い部分でもあります。なぜなら、明確な正解が存在せず、不確実性の高い中で仮説を立て、顧客の声を聞きながら検証を繰り返す必要があるためです。多くの企業が新規事業で成果を上げられずに苦しむのは、この「0→1」の壁を突破できないからにほかなりません。

著者は、「0→1」に特化した事業立ち上げ支援会社を経営し、企業に代わって月商数百万円規模の達成――いわゆるシード期終盤までを担い、その後のグロースフェーズをクライアントに引き継ぐという独自の事業を手がけています。これまでに携わった数多くの事例を通じて、業種や市場を問わず通用する「0→1」の成功パターンを導き出したといいます。

本書では、その知見をもとに「どのタイミングで、何を、どの順番で行うべきか」を実務レベルで解説。リソースの限られた現場でも再現できる“必ずやるべきこと”だけを厳選して紹介しています。「0→1」の工程を最短距離で成功へ導くための、実践的な指南書です。

《著者Q&A》
■「新規事業立ち上げをタスクレベルで分解する」というコンセプトのもと、0→1に関する実践知が体系的かつ具体的に整理されている点が印象的でした。ノウハウをここまで精緻にまとめ上げるまでには、どのようなご経験があったのでしょうか?
私自身、キャリアの中で何度も0→1に携わってきました。既存の書籍から概念は学べても、「現場で何を、どの程度までやれば十分なのか」がわかりづらく、不要な遠回りをした経験が少なくありません。

そもそも多くの企業にとって0→1は「何度も繰り返す業務」ではないため、効率化のインセンティブが働きにくい。この構造課題に市場機会を見いだし、私たちは「何度でも回せる手順化」に徹底的に投資しました。結果として、タスク分解・テンプレ化・再現テストを積み重ね、ノウハウを体系化できたのだと思います。

■本書のポイントや読みどころを教えてください。
執筆開始当初はAIの実用性が今ほど高くありませんでしたが、途中で性能が大きく進化しました。本書の内容も大きく書き直し、AIの進化を踏まえて現場で実際に機能したAIの使い方やプロンプトの工夫を反映しています。

読みどころは、各フェーズ(仮説設計/顧客発見/検証/テストマーケ/初期営業)の「やることリスト」と、合格・やり直しの判断基準です。AI活用の具体例も盛り込み、実務にそのまま持ち込める実装感を大切にしました。

■新規事業立ち上げの過程において、常に意識しておくべきことは何でしょうか?
新規事業の立ち上げでは、常に2つを意識しています。第一に、仮説を持って検証することです。行動量で押し切るのではなく、あらゆる動きを「検証」として設計します。たとえば営業であれば、チャネルや打ち手ごとに仮説を立て、優先順位をつけて一つずつ確かめ、当たりと外れを早く見極めます。第二に、事実をありのまま受け止めることです。顧客に「要らない」と言われたなら、その理由を丁寧に掘り下げ、必要であればプロダクトをつくり直すか、撤退を判断します。思い入れでデータをねじ曲げず、得た学びを次の仮説に反映し続ける姿勢こそが、結果的に最短距離で前進する方法だと考えています。

■阿部様にとって、「良い事業アイデア」とはどのようなものですか?
市場トレンド×自社アセット×実行チームの三位一体がそろっていることです。自社の強みは把握していても、市場トレンドの見立てが甘いとズレが生じます。加えて、タイミングの良さと、担当者が「自分ごととして推進できる確信」を持てるかも重要です。どの市場に、いつ、誰が挑むのか――この組み合わせを誤らないことが、良いアイデアの条件だと考えます。

■本誌の読者に向けてメッセージをお願いします。
新規事業は根性論ではなく、正しい順序と判断基準で進めるほど成功確率が上がります。本書が皆さまのプロセスを短縮し、打ち手の精度を高める一助になれば幸いです。書籍で触れきれない実務のコツはYouTubeでも解説していますので、ぜひご活用ください。

著者プロフィール
阿部 拓貴(あべ ひろき)
 
(株)CINCA代表取締役社長。メガベンチャーでUI/UXデザイン業務に従事した後、(株)GameWithの創業に参画。執行役員、子会社社長に就任し、2017年にマザーズ、2019年に東証一部に上場した。2021年に(株)CINCAを設立。新規事業開発の0→1を代行する「レンタル新規事業室」を提供している。
 
発行:幻冬舎メディアコンサルティング URL https://www.gentosha-mc.com/
発売:幻冬舎 URL https://www.gentosha.co.jp/

<< 編集部が薦める今月の一冊No21