コラム

株式会社 ヴィレグループ 執行役員
株式会社 GOKAN SAUNA 代表取締役
フリーサウナカー 代表
内田 輝
――内田社長は、大学時代から起業して多くの事業を手がけられていたとうかがっています。学生時代からビジネスに熱心に取り組めた原動力は何でしたか?
もともと物事を紐解いて問題解決することが好きだったんです。例えば精肉店でアルバイトをしていた際には、「なぜこの商品がいつも残ってしまうのか」「どうしたら商品に付加価値が付けられるのか」ということを考えていました。考えて実行に移す―これができて最もおもしろいのは、私にとって事業を持つこと、そして人の事業をサポートすることだったんです。私はまだ若く、特筆した技術も持ち合わせていません。だからこそ、他者の事業に関わり、優れた技術を持つ方をサポートすることで、自身の能力を最大限発揮できますし、関わる方すべてにとって有益だと考えました。法人化のきっかけになったキッチンカーの製造・販売部門も同様に、BtoBで人の事業を応援できるという点で選んだんです。
――内田社長はYouTube番組『令和の虎』に出演し、見事完全ALLを達成されています。番組への挑戦にあたってレンタルサウナカー事業を考えたとお聞きしましたが、どのような理由で事業を選ばれたのでしょうか?
番組出演時はちょうどコロナ禍が明けた頃で、キッチンカーの需要が一気に落ちていました。なので『令和の虎』では、資金調達よりも自社のブランディングと、虎とのご縁をつなぎたいという思いがあったんです。そもそもキッチンカーの製造・販売でのプレゼンでは、少しインパクトが足りない。そのためキッチンカーの製造事業ではなく、移動車両製造事業の代表として出演し、「出張式ネイルサロンカーや出張マッサージカーなどにも対応できる」という新しい付加価値を生み出したほうが、幅広い分野で挑戦されている方をサポートできると思い、その足がかりとしてサウナカーを選びました。
――内田社長は以前からサウナがお好きだったのでしょうか?また、サウナカーでしか味わえない魅力や醍醐味について教えてください。
実は、私は以前まで「なぜそんな熱い中で苦しい思いをしなくてはいけないんだ」と思うくらいサウナが苦手だったんです(笑)。しかし、レンタルサウナカー事業を始めるにあたり、さまざまなサウナ施設を体験することで、今ではストーブの熱の加減や酸素濃度、水蒸気の粒子の大きさまで徹底的に研究するほどのサウナ好きになりました。サウナカーの一番の魅力は、何といっても「五感を刺激するデジタルデトックスの感動体験」ができることです。香りで言えば、薪ストーブや森林といった自然ならではの匂いを感じられます。視覚的な部分では、サウナカーには窓があるので、広大な自然を眺めながら体を芯から温められるんです。場所によっては富士山や、湖の水面に映る「逆さ富士」も見ることができるんですよ。外に出ると川のせせらぎや鳥のさえずりなども聞こえてきて、ほてった体を癒やしてくれます。また、サウナと自然の水風呂でととのった後のバーベキューで楽しむお肉やビールは格別なんです。ぜひ多くの方にこの感動を味わっていただきたいですね。
――お話をうかがっていると、「他者のために」という内田社長の思いが強く伝わってきます。
「お客様のために」というのは前提として、仕事は「誰とやるか」が非常に大切だと思っています。心の底から応援したいという気持ちがあるからこそ、全力でサポートができるんです。今、私はまったくの異業種である訪問看護ステーションの事業にも関わらせていただいていますが、こちらも幼少期からお付き合いのある10歳上の先輩から「新しい事業をしたい」とお話をいただき、「この人とできるならどんな事業でもいい」と感じたからこそ挑戦しました。また、補助金申請による新規事業開拓支援を手がける会社の執行役員もお任せいただいていて、その会社では新規営業はせず、ご依頼の約99%がお客様からの紹介で成り立っています。この実績はお客様との信頼関係を築かせていただいた末の、まさにご縁のたまものだと思いますね。
――たくさんの方との信頼関係を大切に積み重ねてこられたのですね。
ええ。私は2024年にさまざまな事情が重なり、事業が立ち行かなくなった経験をしていまして。法人化した当初から共に挑戦を続けてくれた仲間を多く失うことになりました。精神的にも大きなダメージを受けましたが、その時に支えてくださった方々とのご縁があったからこそ、今の私がいるんです。苦しい時に助けていただいた方々に貢献するためにも、全力で仕事を頑張りたいと思っています。
――将来についてはどのような展望を思い描かれていますか?
現在手がけている補助金事業を活用して、さまざまな分野の方々が集まって仕事を回し合い、皆が潤う経済圏をつくりたいと考えています。例えば、飲食事業を営む方が補助金を申請して内装会社に施工を依頼し、その内装会社が補助金を申請して、今度はIT会社に顧客管理ツールの制作を依頼するといったように、国からの投資を安定的に回して、コミュニティ全体が裕福になる経済圏の創造です。また、2026年の春頃には、実店舗のサウナ施設のオープンも予定していまして。こちらもFCに近いような形で、サウナ施設の運営に挑戦したいと考えている方と一緒になって、2店舗、3店舗と着実に事業を拡大していくことを計画しています。このように、事業を通じてたくさんのご縁をつむぎ、経済圏を大きくして皆が幸せになる環境をつくることが、私の一貫した目標です。
| 内田 輝 19歳の頃から営業職に従事し、動画編集スクールなどの商材を通じて着実に成果を残す。コロナ禍を機に、補助金申請による新規事業開拓支援事業に着手。やがて飲食業FC本部への就職を予定していたが、かねての縁であった仲間と共にキッチンカーの製造・販売事業をスタートさせ、2021年に法人化を果たす。経営を軌道に乗せたタイミングで、2023年にYoutube番組『令和の虎』に出演し、完全ALLを達成。レンタルサウナカー事業を立ち上げた。その傍らで実店舗サウナの建設を計画するとともに、訪問看護事業や補助金関連事業、軽貨物配送事業など、「これまでの縁を大切に育む」姿勢をモットーに幅広い挑戦を続けている。 |
